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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス・マウス:ハツカネズミの雄姿を見よ!(スタンダード)

岩SHOW
 

 前回はMTGアリーナでデビューを果たしたプレイヤー向けに、構築済みデッキの紹介とそれを『ブルームバロウ』のカードでアップデートするサンプルを取り上げさせていただいた。黒緑のリスと食物のデッキだったわけだが、キーカードはその両方を提供してくれる《蔦刈りの導師》。この蔦刈りのように、各セットにおける2色のテーマというものは多色カードのアンコモンを見れば一目瞭然。これは毎セット恒例のことなので、新カードでどんなデッキを組めばいいのか?悩んだ時には新セットの多色アンコをチェックすると良い。

 黒緑が食物とリスがテーマであるように、今回は2色それぞれがプッシュする種族と、それぞれが担うメカニズムが確認できるカードが全10種類存在している。

 

 そういった共通の設計思想で作られているカード群のことをサイクルと呼ぶ。『ブルームバロウ』の2色アンコモンはいずれも「○○の導師」という名前であるため導師サイクルと呼んで差支えないだろう。

 そんな導師たちの中でも、分かりやすくて強そうなカードは……《豆殻刀の導師》かな。3マナ3/2警戒&速攻持ち、コストパフォーマンスに優れたナイススペックで、攻撃もブロックも戦闘は任せろという姿勢がいかにも白と赤の2色というところ。そしてこれは雄姿という、この2色のテーマを持ったハツカネズミである。雄姿は各ターンに最初にこのクリーチャーを呪文や能力で対象に取った時に何かが起きるという誘発型能力だ。この豆殻刀の雄姿は、自身に+1/+1カウンターを1個置くというシンプルながらも破壊力のあるものだ。

 今回の当コラムはこのハツカネズミの導師を用いたデッキ構築にチャレンジ!テーマは「ハツカネズミ」と「雄姿」!

 

 スタンダード環境におけるハツカネズミを振り返ると、数は多くはないが雄姿と相性の良いものが控えている。名前も愉快な《小癪な家ネズミ》!このハツカネズミは1マナでパワー2、種族をフィーチャーしたデッキを組むなら外せない1マナ圏だ。そしてこのカードのもう一つのモード、出来事の《危機一髪》。これはクリーチャー1体に+ 1/+ 1修整を与える、効果自体は微々たるソーサリー。しかしこれ自体がちっぽけであっても、雄姿を誘発させられるのであればそれがもたらすダメージは1点に留まらない。さらにパワー3以上のクリーチャーにブロックされなくなるので、相手の肉壁をすり抜けてダメージを直接叩き込めるのも素晴らしい。

 そして赤いハツカネズミ《怒り狂う戦闘ネズミ》は条件付きではあるが、これもまた能力で自身のクリーチャーを対象に取れる。戦闘前に土地でないパーマネントを2つ戦場に出すことで祝祭の条件を満たし、クリーチャーを強化できる。各ターンの2つ目の呪文のコストが軽減されるという自己完結したメカニズムを備えているので、この戦闘ネズミから毎ターン切れ目なく攻め手を展開して雄姿も誘発させていきたいところだ。

 

 では『ブルームバロウ』のハツカネズミに戻ろう。《花足の剣豪》は今回のデッキを組む上では外せない1枚だ。1マナと軽く、これと家ネズミで1マナ圏はバッチリ。そしてこれはちっちゃくても剣豪の名に恥じない戦闘向けのスペックの持ち主だ。雄姿を達成させると、すべてのハツカネズミのパワーを1上昇させる。さらに新生コストを支払えば剣豪1枚から同じ能力持ちが2体出現!ハツカネズミが並べば並ぶほど威力を増す剣豪自身の能力と新生、非常に噛み合っている!しかもこれを2つ目の呪文として唱えるなら、戦闘ネズミでコスト軽減も出来る。上手く使ってマウス(ハツカネズミ)軍団を結成したいね。

 

 赤いハツカネズミを確認すると……さらに1マナ圏に有望な1枚が。《心火の英雄》は《豆殻刀の導師》と同じ雄姿能力持ち。さらにこれが死亡することがあれば、そのパワー分のダメージを対戦相手に与える。この手の強化していくクリーチャーというのは、育ったところを除去されると肩がガクッと下がってしまうものだが、《心火の英雄》はそのようなリスクを気にせずに堂々と強化していけるのが拍手ものだ。

 さらにこれらハツカネズミをコントロールしていることでポテンシャルを発揮するのが《弱者の力》。クリーチャー1体にトランプルを与え、ハツカネズミが居ればパワーも上昇。そして何よりもドローが付いてくるので、手札の浪費を気にせずにガンガンと連打して雄姿を拝みたいもんだ。さあ、これらのハツカネズミらでデッキをまとめてみよう!

岩SHOW - 「ボロス・マウス」
スタンダード (2024年8月1日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《感動的な眺望所
2 《眠らずの露営
2 《魂の洞窟
6 《平地
5 《
-土地(23)-

4 《小癪な家ネズミ
4 《花足の剣豪
4 《心火の英雄
4 《怒り狂う戦闘ネズミ
3 《豆殻刀の導師
1 《岩山炎の後継者、メイブル
-クリーチャー(20)-
3 《魔女跡追いの激情
4 《弱者の力
4 《巨怪の怒り
4 《戦の囀り
1 《失われた十手
1 《獰猛化
-呪文(17)-

 

 

 というわけで「ボロス(白赤)・マウス」のサンプルリストだ。ハツカネズミデッキなので《岩山炎の後継者、メイブル》も採用。これは他のハツカネズミに対する全体強化でありながら、《岩山炎》という装備品を生成する。装備品を装備するのにも対象を取るので、雄姿能力と噛み合っているのだ。面で押すか点で突破するか、あるいはその両方か。新レアなので採用枚数は抑えているが、カードが集まったら複数枚採用して試してみたいカードだ。

 

 ハツカネズミを展開しそれらの雄姿を誘発させる。この雄姿の引き金を引くカードのチョイスには個人の好みが現れそうだ。《巨怪の怒り》は赤いアグロのド定番、トランプルも与えて戦闘ダメージを通しやすくなるのでこれは外せない。それに加えて《失われた十手》や《獰猛化》のように1枚のカードで2回以上の雄姿に貢献できそうなカードも加えてみたい……というのが筆者個人の流儀だ。どちらのカードもポテンシャルは高いんじゃないかと睨んでいたものなので、ここでそれを目覚めさせるデッキが誕生なるかと期待している。《怒り狂う戦闘ネズミ》4枚のコスト軽減で、これらのカードに火を噴かせられるかな。

 

 《戦の囀り》は攻撃を文字通りねじ込むためのオーラ。当たり前だがこれも対象を取る。そして強化されたクリーチャーは速攻を持つので、一旦仕切り直しになった盤面の再展開においても有用だ。対戦相手のクリーチャーをブロックに参加できなくする、オマケを越えた大きな副産物で強引にハツカネズミのパンチを叩き込もう。

 マジックを学ぶのにこの手のアグロはもってこい、細心の注意を払いつつも仕掛ける時には全力で……相手のアクションを吊りだして本命を通すなど、脳みそ筋肉アグレッシブデッキに見えて駆け引きの要素も多い。初心者の人にも、かわいいハツカネズミらを通じてマジックの魅力を体験してほしいね!

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