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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
『ブルームバロウ』でマジックデビュー!黒緑リス編(スタンダード)
SNS上でマジックが話題になったようだ。《バンブルフラワー夫人》がかわいいと、多くの人がそのイラストに惹きつけられたようである。素晴らしい!1人でも多くの人にマジックを知ってもらえたら、このゲーム位と共に四半世紀以上を過ごしてきた人間としては嬉しい限りだ。
僕も(カワイイとは真逆だったが)マジックのアートに魅せられてこのコンテンツにのめり込んだ人間だ。『ブルームバロウ』のかわいい兎が1人でも多くのプレイヤーを増やしてくれることを願っている。というわけで今回は『ブルームバロウ』の世界観が気になってマジックをはじめた……そんな初心者さんに向けてのデッキ紹介をお届けしよう。ガッツリハマっている層には物足りないかもしれないが、周りで興味を持っている人にマジックを勧める参考にでもしてもらえたら僥倖だ。
さて、マジックを気軽に始めるなら……今の時代はMTGアリーナがある。ルールを教えてくれるチュートリアルもあり、PCやスマホでダウンロードして触れてみるのが手っ取り早い。無料でパックやデッキもプレゼントしてくれるので、まずはとにかく遊んでみよう。
今回のコラムはこの無料の構築済みデッキの紹介と、その発展形を提案してみるものだ。アリーナの構築済みデッキはすべてのプレイヤーに支給される。その数は基本的な単色デッキ5種に加えて、2色のデッキが10種類!かなりのボリュームだ。このうち2色デッキの方は毎年ガラリとリニューアルされ、今年もつい先日新しいものに入れ替わったばかりだ。スタンダードというフォーマットに対応した比較的新しいカード群をメインとしたデッキ内容になり、最高レアリティの神話レアも内包している。また構築フォーマットでは必需品とも言える2色土地も配布されるので、初心者以外にも嬉しいものとなっている。
アリーナを始めたばかりの新米プレイヤーはこの2色デッキをベースに、日々手に入れたカードでこれをアップデートしてスタンダードをプレイする……というのが恒例となっている。今回のデッキの中でも個人的に注目のリストはこちら。
12 《沼》 12 《森》 1 《地底の遺体安置所》 -土地(25)- 3 《不気ミント》 1 《苔森の戦慄騎士》 2 《実験的な菓子職人》 1 《ガムドロップの毒殺者》 3 《甘歯村の魔女》 1 《僻森の師》 2 《虚ろの死体あさり》 1 《甘歯村の断罪人、グレタ》 2 《食糧の商人》 1 《逆棘芽の農家》 1 《お菓子を狩る者》 2 《襲クリーム》 -クリーチャー(20)- |
1 《暗殺者の戦利品》 2 《シュガーラッシュ》 2 《剛力化》 2 《大釜への給餌》 2 《僻境からの帰還》 2 《蜘蛛の食事》 1 《リッチの騎士の征服》 1 《狩人の贖罪》 2 《天まで届け》 -呪文(15)- |
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黒緑2色の「おやつの時間」。メインコンセプトとなっているのは『エルドレインの森』の食物。2マナ払って生け贄に捧げると3点回復できるアーティファクト、食物。このトークンを作りだすカードと、そしてそれを使って何か特殊な挙動を見せるカードとが集結した作りになっている。
デッキケースも飾っている《甘歯村の断罪人、グレタ》がこのデッキの精神を表している。食物を生成し、それを使ってクリーチャーを強化したり手札を手に入れたり……様々なカードが採用されているが、その中でも《逆棘芽の農家》はかなり強力な神話レアだ。戦闘を一手に担う優れたサイズに、食物を餌にしてクリーチャーや土地などのパーマネントを手に入れるアドバンテージ獲得能力。この両方の役割を兼業しているのがとても偉い、ベリーグッドなクリーチャーなのだ。これを配布してくれるのは太っ腹だ。クリーチャーを出して攻撃する、そのシンプルな勝ち筋を黒と緑の非クリーチャー呪文で後押ししていく……マジックの基本にして王道的な戦術を学べるため、初心者にオススメのデッキになっている。
この黒緑のデッキは最新セット『ブルームバロウ』の黒と緑のカードとも噛み合っている。これもまた推せるポイントとなっているんだな。『ブルームバロウ』にはリス達が収録されている。リスと言えば、木のうろや地面に穴を掘って、どんぐりなどの保存食を蓄えるイメージがあるよね。このセットのリスも食いしん坊揃いで、食物をどうこうするカードがたっぷり。
わかりやすいものは《名誉あるリス隊長》、リスト食物を並べれば並べるほど強くなる、上記の「おやつの時間」にそのまま放り込んでも良い仕事をしてくれるはずだ。そして初心者には少しわかりにくい給餌……これは食物を生け贄に捧げるか、その代わりに自分の墓地にあるカード3枚をそこから消し去る(追放する)ことで何らかのボーナスが得られるという能力だ。《骨術師の達人》は給餌を行って墓地のクリーチャーを唱えられる……シンプルに言えば食物を餌にして墓地のクリーチャーを復活させられるというわけだ。食物を用意することで、色々なアドバンテージが得られる。
というわけで日々手に入る『ブルームバロウ』のパックでデッキを強化するなら……
9 《沼》 10 《森》 2 《眠らずの小屋》 1 《地底の遺体安置所》 1 《泥干潟村》 1 《樫穴村》 -土地(24)- 2 《骨蓄えの監視者》 4 《蔦刈りの導師》 3 《毛むくじゃらのボディガード》 2 《パン職人を悩ませる二人組》 1 《骨術師の達人》 2 《茨越えの餌あさり》 1 《ガムドロップの毒殺者》 4 《名誉あるリス隊長》 1 《僻森の師》 1 《虚ろの死体あさり》 1 《甘歯村の断罪人、グレタ》 1 《食糧の商人》 1 《逆棘芽の農家》 1 《全てを喰らうもの、イグラ》 -クリーチャー(25)- |
1 《暗殺者の戦利品》 3 《喉首狙い》 2 《循環への給餌》 2 《脚当ての陣形》 1 《堪能》 1 《リッチの騎士の征服》 1 《清掃人の才能》 -呪文(11)- |
|
《名誉あるリス隊長》を食物とリス軍団で強化するのをメインのコンセプトに、レア&神話レアを1・2枚投入した形での構築を考えてみた。《蔦刈りの導師》が非常に優秀で、これを出して食物を確保しながら攻撃、相討ちする分には構わないので躊躇はいらない。死亡しても食物を残すこの導師のおかげで、リス隊長や給餌系のカードが活きてくるという寸法だ。《毛むくじゃらのボディガード》はこれ1枚でリス2体分のカウントになるので隊長と相性が良いし、さらに自身とそのコピーも給餌でデカくなる可能性があって面白い。リスを小さな生き物と侮っている者に噛みつき、ドングリを投げつけて勝利を掴もう。
こちらのクリーチャーはおろか対戦相手のものもすべて食物にしてしまう、《全てを喰らうもの、イグラ》も面白いカードなので手に入れたら是非とも使ってみたい。他にもリスや食料にまつわるレアカード、複数枚手に入ったら遠慮せずにどんどんデッキに追加して、自分のためのデッキを自分自身で作り上げてみよう。マジックの構築フォーマットはカードが集まってから本番とも思われているが、個人的にはむしろはじめたばかりで手に入ったカードを片っ端から試していく期間こそがマジックの楽しみに溢れていると考えている。そしてその時の楽しさは、いつまで経っても「あの頃は毎日夢中だったな……」と感慨にふけることができる素晴らしい思い出になるはずだ。
『ブルームバロウ』のかわいい世界観がきっかけでマジックを始めたあなた、ようこそ。そしてそんな新米プレイヤーを迎え入れる皆、どうかルーキーたちを温かく迎えてあげてほしいね。
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