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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:結節点で繋がる神座と塔(レガシー)

岩SHOW

 マジックはクールなコンテンツだ。カードの見た目、能力、ゲームを通じた体験……あらゆるものがクールなマジック、そのデッキをクールという感覚を第一に選んで紹介するのがデイリー・デッキの金曜日だ。

 さあ今週もクールなデッキはないか……暑い中、あれこれ探し回ったよ……ちょっと奈良の方まで。大阪住まいなのでいつでも行けるような距離関係ではあるのだが、なかなか行くことがない隣県……皆の住んでいるところにもそういうところ、あるんじゃないだろうか。機会があったので古都へと赴き、そんなにメジャーではないが地元の人が知る素敵なスポットを巡った。さすが歴史のある地だ、色々なエネルギーをもらえたような気がしたよ。自然が豊かで、程よい田舎感がなんだか懐かしい気持ちにさせてくれる。高い建造物が全然ないエリアだったので、空が広い。青空と白い雲、そして周囲を囲む山々が遠くにうっすら見える……太古のロマンも感じられて色んな面を持った良い土地だ。色んな要素を持った土地、か……。

 

 まさかプチ旅行で原稿のネタが思いつくとは、室内でゲームばかりやってネットを見ているだけじゃダメってことだな。《次元の結節点》は歴史ある古都が様々な観光スポット、神社仏閣を抱えているように、マジックの土地が持つサブタイプを沢山持っている……全部だ。この土地は基本でない土地タイプをすべて併せ持つ。それは、カードテキストにも異例なほど長い注釈文で記されている通りにウルザの・球層・鉱山・砂漠・神座・棲み家(懐かしい!)・塔・洞窟・魔力炉・門であるという。思ったよりも土地のタイプってのは少ないかもしれないな。しかしこれらは今後も増えていく、クールなものとなるだろう。1枚の土地がすべての基本以外の土地タイプを持つことにどういったメリットがあるだろうか?その答えは、レガシーのクールなデッキが教えてくれる。

Long-Arch00 - 「12post」
Magic Online Legacy Challenge 64 トップ4 / レガシー (2024年7月21日)[MO] [ARENA]
4 《雲上の座
2 《微光地
4 《ウルザの塔
4 《次元の結節点
1 《ヴェズーヴァ
1 《残響する深淵
1 《ボジューカの沼
2 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《ウギンの目
1 《カラカス
1 《イス卿の迷路
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale
1 《不毛の大地
1 《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
1 《平地
1 《
-土地(27)-

3 《エルフの指導霊
4 《まき散らす菌糸生物
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール
-クリーチャー(9)-
3 《むかしむかし
4 《輪作
2 《剣を鍬に
3 《コジレックの命令
3 《苛立たしいガラクタ
3 《攪乱のフルート
3 《一つの指輪
3 《大いなる創造者、カーン
-呪文(24)-
1 《罠の橋
1 《マイコシンスの格子
3 《花の絨毯
2 《耳の痛い静寂
2 《活性の力
4 《虚空の力線
2 《剣を鍬に
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 レガシーの「12post」だ。Postとは神座タイプを持つ土地の総称。《雲上の座》と《微光地》の英名よりきている。《雲上の座》は神座の数だけ無色マナを加える。このタイプを持つ土地2種類しかないが《ヴァズーヴァ》や《残響する深淵》で水増しして12枚にしようと言うのがデッキ名の由来だ。そして今現在は《次元の結節点》が加わった。アンタップ状態で出せて、いざとなれば色マナも加えられる。より安定感のあるこの結節点を主役とした、新たな12枚Post体制が組めるようになったというわけである。クールにブラッシュアップされたのだ。

 

 そして、神座以外にもタイプを持っていることも活かすのが最新のPostデッキだ。《ウルザの塔》……《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》と揃うことで無色マナを3つ加える、モダンでもお馴染みの強力かつ人気でクールな土地だ。これらの3枚、実はお互いに参照しているのはカード名ではなくそのタイプである。なので、結節点1枚があれば……ウルザの・塔・鉱山・魔力炉のすべてをコントロールしていることになる。結節点と塔の2枚が並ぶだけで、塔が3マナ供給できるようになるのだ。これはヤバいな……2ターン目にノーリスクで4マナ捻出できてしまうぞ。

 この結節点やそれと組み合わせてハッスルする土地、まとめてその都度必要なものをサーチするために、このデッキは緑をメインカラーにしている。《輪作》《むかしむかし》で探す、あるいは《まき散らす菌糸生物》も理想的だ。このエルドラージは唱えただけでどんな土地でもライブラリーから戦場に直接出すことができる。かなり強力なサーチ能力を持っており、またキッカーを支払うことに成功すれば今度は土地1枚を追放することもできてしまう。マナ加速でありマナ妨害を兼ねたクールなやつなのだ。菌糸生物を早めのターンからわさわさ展開することに成功すれば、マナの格差はとんでもないことになる。

 

 そうやって無色マナが溢れ出る状況になれば……もう何をやったって即ち勝利だ。気分がよくなることは間違いなく、そこに至るルートがほんのり異なるだけである。まず大型エルドラージ。パーマネントとライブラリーを喰らい尽くす《絶え間ない飢餓、ウラモグ》、そしてパーマネントとライフを壊滅的状況に陥れ、追加ターンまで引き起こす《引き裂かれし永劫、エムラクール》。エムラクールは《カラカス》で戻して唱え直してを繰り返せば無限ターンだ。これらの暴力的な邪神を《ウギンの目》で押し進めるか、あるいは《大いなる創造者、カーン》か《マイコシンスの格子》を持ってきて叩きつけるか。格子で対戦相手のパーマネントはすべてアーティファクトとなり、カーンがそれの起動型能力を防ぐので対戦相手は土地などからマナを得て動くということが二度とできなくなる。破滅か、静寂か……どちらも決まればそれで勝負アリの必殺ムーブ。マナはたっぷりあるんだ、叩きつけていけばどれかのプランで勝てるだろうよ。

 マジックのことを考えていなくても、全く関係ないことをしていても、そこにふとカードのことやデッキのことが思い浮かぶ……マジックって本当にクールだよなと、そう再認識できた大人の遠足。皆も日差しに気を付けて、日本や世界の色んな所へ行ってみよう。そこでマジックを感じられたら、クールじゃないか。いつか《次元の結節点》が皆の思い出の地と共通のタイプを持つ日がくるかもしれないね。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool!! See the world!!

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