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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エルージュでコスト軽減!島を並べる青単色デッキ(スタンダード)

岩SHOW
 

※本カードにはテキスト訂正がございます。詳細はこちら

 『ブルームバロウ』はすべてのクリーチャーが動物だ。各色につき3種族、プッシュされているメインの種族が設定されている。白なら鳥とハツカネズミ、そしてコウモリという具合に。しかしそのメイン所となる種族以外にも様々な動物たちがこの次元には暮らしており、カード化されている。そしてそういった動物の中には、普通の動物よりも強大でエレメンタルのタイプを併せ持っているものもいる。

 その中でも個人的に注目しているカードは《岸無き海、エルージュ》!中米に生息するガーパイクの仲間を思わせる長く牙が生えた口が特徴的な巨大魚だ。この伝説の魚は島の数だけのパワー/タフネスを持つ。その島を自身の能力で洪水・カウンターをばら撒いて作りだすことができる。そしてエルージュの洪水に沈んだ自分の土地1つにつき、各ターンに唱えるインスタントおよびソーサリーのコストが軽減される。各ターンの最初に唱えるもの限定であるとはいえ、きちんと青マナを軽減してくれるのが非常に優秀だ。エルージュを戦場に出して、洪水を1つ乗せられれば、あとは土地1枚立っているだけで2マナの打ち消し呪文を構えられる。

 こうやって隙なく展開しつつ、高い打点で攻めていくデッキ……今回は新たなスタンダード環境でこのコンセプトを考えてみよう。

 

 エルージュと共にやってきた青いエレメンタルは《渦泥の蟹》。かわいさが売りのセットにおいて一際異質なタカアシガニ的な姿が印象的。この瞬速持ちのカニは計7マナと重いが、そのコストは墓地のカードの枚数によって軽減される。カウントされるのはインスタントとソーサリーだ。青には定期的にこのようなクリーチャーが出てくるが、このカニは相手のクリーチャーを2体タップできるのが見るからに強そうだ。瞬速を活かして相手のターンに唱え、攻撃を防ぐのも良し。エルージュなどの攻撃を叩き込むために自身のターンに唱えるも良し。軽いインスタントとソーサリーで墓地を肥やしてこのカードを低コストで唱えられる状況を作りだす……そんなデッキ、前スタンダード環境にもあったよね。

Harper Wilson - 「青単テンポ」
Chicago Standard Cup 15位 / スタンダード(ローテーション前) (2024年2月24日)[MO] [ARENA]
22 《
-土地(22)-

2 《魅惑の悪漢、マルコム
2 《錠前破りのいたずら屋
4 《傲慢なジン
2 《トレイリアの恐怖
-クリーチャー(10)-
4 《考慮
4 《手練
3 《衝動
4 《知識の流れ
4 《消えゆく希望
2 《渦巻く霧の行進
2 《否認
1 《酸欠
2 《妥当な疑惑
1 《呪文どもり
1 《謎めいた外套
-呪文(28)-
4 《帳簿裂き
2 《金属の徒党の種子鮫
1 《謎めいた外套
1 《軽蔑的な一撃
2 《否認
3 《呪文貫き
2 《金線の酒杯
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 《傲慢なジン》と《トレイリアの恐怖》を軸とした青単色のテンポデッキだ。《手練》や《衝動》などで土地やその他のカード、その時に必要なものを引き込み、《否認》などの打ち消し呪文で要所を抑え込む。そうしている間にジンや恐怖が戦場に出てきて、そのサイズで圧倒する……この青単をベースに新環境のデッキを考えよう。《考慮》や《消えゆく希望》といった軽くて使いやすいカードはローテーションで落ちているので、その部分を他のカードで埋めつつ新カードを迎え入れる。《知識の流れ》を強く使うための青単、島が並んで嬉しいエルージュとも噛み合うはずだ。

岩SHOW - 「青単テンポ」
スタンダード (2024年7月25日)[MO] [ARENA]
22 《
-土地(22)-

2 《錠前破りのいたずら屋
4 《傲慢なジン
2 《岸無き海、エルージュ
1 《トレイリアの恐怖
2 《泥渦の蟹
-クリーチャー(11)-
4 《手練
3 《航路の作成
3 《衝動
4 《知識の流れ
2 《青の太陽の黄昏
1 《幻影の干渉
2 《長川の引き込み
2 《否認
2 《妥当な疑惑
1 《呪文どもり
2 《三歩先
1 《謎めいた外套
-呪文(27)-

 

 

 青単の強みは《知識の流れ》が使えること、これに尽きる!と言っても決して過言ではない。島の枚数分だけドロー、その後2枚捨てるので島が5枚以上ある状況で用いたい。これのコストを《傲慢なジン》で軽減してなるべく隙なく運用するのが青単の醍醐味であり、そして今後はこのコスト軽減をエルージュも行ってくれることを期待しても良いのではないかな。同じくコスト軽減することで強く運用できそうなのは《青の太陽の黄昏》、これで青単にとっては一つの鬼門となる戦場に出たクリーチャーに対抗していこう。

 

 クリーチャーが出てくる前に打ち消すのも重要で、それを行うインスタントをあれこれとバリエーション豊かに採用してみた。新カードからは《長川の引き込み》が良いんじゃないかな。クリーチャーに対する打ち消しであり、贈呈を約束すれば打ち消せる呪文はクリーチャー以外にも拡がる。贈呈はパーマネントやカードを相手にプレゼントするもので、子の引き込みは1ドローをプレゼントする。できればカードは引かせたくないものだが、相手の決め手を回避できるのであれば背に腹は代えられない。現に《復活したアーテイ》は相手にカードを引かせてしまうにもかかわらず、強力なカードとしてスタンダードにおいてしっかりと役目を果たしてきた。相手の除去を打ち消してジンやエルージュが残るなら、代わりにカードを引かれるくらいは構わないではないか。そもそもクリーチャーを消す分にはノーリスクだしね!

 またコスト軽減により強く使える打ち消しには《三歩先》が。理想は打ち消しつつカニをコピーするなどして、相手の攻撃も防ぐという動き。《渦巻く霧の行進》がなくなったので、このような自衛&フィッシュに繋がる組み合わせをいくつか見つけておくべし。

 青単、なんだかまだやれそうな気がする。さあ、《岸無き海、エルージュ》で島を増やそう。涼しげなアートの基本《》をたっぷり準備して、気分爽快な青いデッキを組んで夏を乗り切ろう!

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