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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:クレイドル・コントロール KnightがWightでCool Night(レガシー)

岩SHOW

 『モダンホライゾン3』がもたらしたクールさは、底知れないものだった。マジックのデッキをクールという観点から紹介する当コーナーとしても、このセットのクールなカード達を使ったデッキをここしばらく紹介し続けてきた。来週には『ブルームバロウ』リリースということで、モダホラ3から切り替えて最新セットを集中的に取り上げていくことになる。というわけでモダホラ3シーズンの最後は、このセットがもたらしたカードをしっかり取り上げることにしよう。

 

 モダホラだからこそのデザインにパロディがある。マジックの歴史は30年を超えており、だからこそ過去のカードのパロディとしての新カードに深みとクールさが出るというものだ。ただのパロディってわけではなく、あるカードのその後や前日譚などを描いているものはなおクールだ。たとえば《聖遺の騎士》。墓地の土地の枚数を参照してサイズアップするクリーチャーで、平地か森のタイプを持つ土地を生け贄に捧げることでライブラリーから土地を何でも引っ張ってきて戦場に出す能力を持つ。『コンフラックス』が誇る往年の名カードで、様々なフォーマットで活躍した。マナ加速、土地コンボをサポート、それでいて高打点。

 このクールなカードのその後の姿が……ゾンビと化した《聖遺のワイト》。参照する墓地のカードはクリーチャーに変更され、クリーチャーを生け贄に土地をサーチするようになった。ただ能力と色を置き換えただけでなく、カードパワーが上昇した現在のマジックでも通用するようにマナ総量が2と軽くなったのもクールだ。また、騎士とワイトはKnightとWightでシャレも効いている。必要なマナは少なければ少ないほど正義、というわけでかつては騎士を用いてたようなデッキが、このワイトを採用してパワーアップ!今回はそんなデッキをご紹介。

Testacular - 「クレイドル・コントロール」
Magic Online Legacy Challenge 64 11位 / レガシー (2024年7月14日)[MO] [ARENA]
2 《新緑の地下墓地
2 《吹きさらしの荒野
3 《樹木茂る山麓
2 《霧深い雨林
2 《Bayou
1 《地底の遺体安置所
2 《ドライアドの東屋
4 《ガイアの揺籃の地
1 《ボジューカの沼
1 《ハイドラの巣
2 《マダラの鉤爪門
2 《
-土地(24)-

4 《貴族の教主
4 《下賤の教主
4 《エルフの開墾者
4 《聖遺のワイト
3 《春心のナントゥーコ
1 《溜め込み屋のアウフ
4 《忍耐
1 《偉大なる統一者、アトラクサ
1 《孔蹄のビヒモス
-クリーチャー(26)-
3 《むかしむかし
4 《緑の太陽の頂点
3 《自然の秩序
-呪文(10)-
4 《殺し
4 《思考囲い
1 《苛立たしいガラクタ
2 《フェアリーの忌み者
3 《活性の力
1 《飢餓の潮流、グリスト
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 レガシーの緑を中心に黒を少し足したリスト……アーキタイプとしては「クレイドル・コントロール」のように分類されるものだ。クレイドルとはGaea's Cradle……《ガイアの揺籃の地》のこと。このクレイドルはマジックの歴史でも指折りの強力土地。クリーチャーの数だけ緑マナを加える……これをワイトからサーチして手に入れ、大量のマナを得てクリーチャーをどんどんと展開していくのが狙いだ。《貴族の教主》のようなマナクリーチャーや想起で唱えた《忍耐》などを餌にワイトを起動する。

 このワイトをサーチする、あるいは《忍耐》や《溜め込み屋のアウフ》を手に入れるためにもサーチを利用する。《自然の秩序》や《緑の太陽の頂点》だ。特に頂点は必要なマナをクレイドルから調達するのでXを支払うのに何の心配もいらず、またX=0で唱えて《ドライアドの東屋》を引っ張ってくればマナ加速にもなる。これらのクリーチャーサーチで盤面を作り、最終的にはそのサーチで《偉大なる統一者、アトラクサ》《孔蹄のビヒモス》ら大怪獣に繋げてフィニッシュ。

 

 ワイトとクレイドルの組み合わせをより強力にする潤滑油的な存在が《春心のナントゥーコ》。土地が戦場に出ると昆虫を生成、これでワイトの生け贄を担うというわけだ。土地→昆虫→昆虫を餌に土地→昆虫……このグルグルとしたループでマナを大量生産するベースを築いていく。またナントゥーコは授与させてもクールで面白いことが起こる。マナが溢れかえっている状況ならば、ビヒモスを出してそれにナントゥーコ授与、土地を出したら2マナ払ってビヒモスのコピーを……と動けば、2ゲーム分くらいのライフは吹き飛ぶことになるだろう。ワイトだけでなく《エルフの開墾者》も採用し、これらで土地をグルグルと回転させていくことでナントゥーコも大ハッスル。シャッフルのし過ぎで腱鞘炎に注意が必要なレベルだ。

 

 土地の中には見慣れないカードが。《マダラの鉤爪門》、これはモダホラ3の統率者のカードなので、知らなくてもしょうがない……というか僕は先日友人がパックを剥いていてこれが出てきてその存在を初めて知ったくらいだ。この土地に描かれているのは『時のらせん』ブロックのストーリーにて、あのニコル・ボーラスが建てたことが取り上げられていた時の裂け目である。その設定だけでクールというもんだな。

 この土地は戦場に出た時にクリーチャーを1体フェイズ・アウトさせる。相手のクリーチャーを対象にすれば、一時的にそれを戦場に居ないものとして攻撃を無理やり通すということはできる。しかし本領を発揮するのは、相手がこちらのクリーチャーを除去しようと様々なアクションを取ってきた時だ。フェイズ・アウトなので対象を取るものも取らないものも回避できて、呪禁や破壊不能よりも有用な場面もあるだろう。この土地をどうやって相手の除去に合わせて出すのかがポイントだが、そもそもこの土地自体が手札から戦場に出す能力を持っている。起動には4マナも必要だが、このデッキではそれを用意するのはそれほど困難ではないはず。そしてもちろん、ワイトから持ってくれば効率も奇襲性も◎ってわけだ。今後レガシーでは土地によってクリーチャーが除去を回避する……これへの対抗策はかなり限られるので、強いムーブとして一部のデッキで定着しそうだな。

 そんなわけでモダホラ3のとんでもなくクールなカード達を堪能し続けたシーズンを経て…今度はキュートな動物たちがやってくる『ブルームバロウ』シーズンが開幕だ。一体どんなクールなカード、クールなデッキが我々を満たしてくれるのだろう。もちろんモダホラ3のカードを使ったモダンやレガシーのデッキもまだまだ紹介していく所存だ。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! See new horrizon!!

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