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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:色彩無き欠色エルドラージ、アグレッシブかつコンボもあるぞ(モダン)

岩SHOW

 マジックのデッキをクールという側面から掘り下げていく今週のCool Deck。さあさあ『モダンホライゾン3』真っ盛り、夏が始まろうかという季節が一気に盛り上がっていく。スタンダードを経由しないからこそできる、ぶっとんだデザインが施されたカード達!これらが集うモダホラ3……プロツアーもいよいよ始まる!さあどんなデッキが活躍するか楽しみでしょうがないこの週末……当コラムもイベントを盛り上げる彩りを添えるべく、クールなデッキを紹介だ。さあご覧あれ!

ReanimatorFiend - 「欠色エルドラージ」
Magic Online Modern League 5-0 / モダン (2024年6月16日)[MO] [ARENA]
4《魂の洞窟
4《マナの合流点
4《カープルーザンの森
4《エルドラージの寺院
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
1《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
1《宝石の洞窟
1《
1《荒地
-土地(21)-

4《終わりを告げるもの
3《荒景学院の戦闘魔道士
4《エルドラージの戦線破り
4《不快な集合体
4《末裔招き
4《まばゆい肉掻き
4《地下墓地の選別者
1《変位エルドラージ
1《血統の観察者
-クリーチャー(29)-
4《古きものの活性
4《集合した中隊
2《コジレックの命令
-呪文(10)-
1《呪われたトーテム像
2《攪乱のフルート
2《減衰球
2《コジレックの帰還
2《次元の歪曲
2《大祖始の遺産
3《存在を盗むもの
1《宝石の洞窟
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 欠色エルドラージ!……彩りっておい、色ねぇじゃねぇかよ!と、色マナを使って唱えるのにそれ自身は色を持たない無色、クールすぎる欠色呪文の中からエルドラージを揃えたモダンのデッキだ。クリーチャー29体にして、1体も色付きのクリーチャーがいないという徹底した構成だ。この構築を施したことで、このメインデッキでは《古きものの活性》で手に入らないものは活性と《集合した中隊》だけになっている。この1マナソーサリーでなんでも手に入るので、エルドラージらをかき集めて展開し戦っていくわけである。

 

 このデッキはエルドラージデッキだが、たとえば「エルドラージ・トロン」【2093回リンク】のようにエルドラージと言えば巨体を誇る捕食生物というイメージが強い。ウラモグ・コジレック・エムラクールの3体に代表されるように、確かにエルドラージは巨大な個体が多い。しかしただデカいだけではなく、人間や動物よりもずっと小さな個体も存在している……これがまたクールで怖い。

 このデッキはそういった小さなエルドラージが集結したものなので、《ウギンの迷宮》は機能しないため採用されていない。《エルドラージの寺院》は用いて、無色の怪物をガンガン展開していく。その中には《地下墓地の選別者》や《末裔招き》のように落とし子や末裔といったエルドラージのトークンを引き連れてやってくるものもいる。それらを《終わりを告げるもの》でまとめて強化して殴る!このリストはそんなシンプルな「欠色アグロ」なのである。《エルドラージの戦線破り》でエルドラージの数だけ強化しつつ速攻も付けて攻撃!とにかくガンガンクールに攻めまくり!

 

 そして欠色をはじめとする無色クリーチャーに囲まれて、色彩鳴き輝きを放つのが《まばゆい肉掻き》!無色呪文を唱えれば落とし子を生成、そして無色クリーチャーが戦場に出れば対戦相手に1点ダメージ。エルドラージらをノンストップで展開し続け、戦場を落とし子が埋め尽くしながら対戦相手本体をえぐっていく。落とし子を餌に次なるエルドラージを呼び出して、一瞬でライフを溶かしてやろう。

 

 さらにこのリストには無限コンボも仕込まれているのだからクールってなもんだ。末裔を3体引き連れやってくる《血統の観察者》。この末裔を生け贄に捧げて無色マナ3つを加えたら、《変位エルドラージ》の能力を起動。この対象を観察者にして、追放して即座に戦場に戻す。また末裔3体が生み出され、それをコストに……観察者をループさせることができる。以前からもこれを利用したコンボデッキは組むことはできたが、2枚だけではただ無限に出入りするだけで何も起きず、クリーチャーが戦場に出た時に何かするカードをもう一つ用意する必要があった。その枠を《まばゆい肉掻き》が埋めることで、このコンボはより完成度を増したというわけだ。観察者と末裔が無限にワラワラして肉掻きが大暴れ。ただコンボに固執しているわけでなく、アグロプランがグダグダになった時にこれで決められる、という感じでコンボパーツをそれぞれ1枚ずつに留めているところが、なんかリアルとロマンが交差しててこう……クールだなぁ。

 エルドラージはただ大きいだけじゃない、中には小型のものがいて、あらゆる方法で次元を侵蝕。次元そのものを喰らい続け、そこにいる生命は貪られるかあるいは同化するのみ。多元宇宙一ヤバい、色を持たない連中を引き連れて……一体モダンでどんなクールなことができるかな。プロツアーのデッキにも期待大、というわけで今週はここまで。Stay cool! Paint it colorless‼

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