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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!力のシミック、技のディミーア(スタンダード)

岩SHOW


あなたは力派?それとも技派?

 勝負事の世界。どんなジャンルでも避けては通れない2択でしょう。腕力を主とした攻めが好きか、それとも技術で戦うのが好みか……スタンダードのデッキをとことん語るスタンダー道のコーナー。今週は青いデッキを2つご紹介。どちらも攻めるデッキでありながら、その様相は力と技で大きく異なる。どちらが良いか、否、どちらも良いので、その目で確かめてちょうだい!

とことん!力のシミック
Alex Barrera - 「シミック象形」
DH DAL Su 9:30 Standard $10k Open 8-slot RCQ 7-1-1 / スタンダード (2024年6月2日)[MO] [ARENA]
4《ヤヴィマヤの沿岸
4《植物の聖域
2《夢根の滝
2《眠らずの蔓茎
1《天上都市、大田原
2《耐え抜くもの、母聖樹
3《ミレックス
2《
2《
-土地(22)-

4《遠眼鏡のセイレーン
4《生歯の子ワーム
3《ジンジャーブルート
4《堅いクッキー
3《高波エンジン
4《名もなき都市の歩哨
2《帆凧の窃盗犯
1《ガチョウの母
-クリーチャー(25)-
3《痛烈な質問
3《アガサの魂の大釜
3《地底のスクーナー船
4《生命ある象形
-呪文(13)-
1《痛烈な質問
1《帆凧の窃盗犯
2《機能不全ダニ
2《毒を選べ
3《排撃の変異
2《呪文貫き
3《ティシャーナの潮縛り
1《魂標ランタン
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 というわけでまずは力のデッキ。「シミック(緑青)象形」デッキ!《生命ある象形》をキーとした、通好みのビートダウンだ。このデッキはその看板が示すように、アーティファクトに満ちている。《ジンジャーブルート》などのアーティファクト・クリーチャーに、《名もなき都市の歩哨》のように地図や食物を生成するカード……アーティファクトを戦場に出すことが容易だ。それらに《生命ある象形》を貼り付け5/4にして攻撃!このわかりやすさ。青いデッキにしては豪快なパンチを狙っていくそのスタイルがなんともカッコいいのだ。そしてハマると強い!象形は墓地に置かれることで発見も誘発し、攻めが途切れにくいスマートなカードでもある。貼り付けたパーマネントが除去されると1:2交換となってしまうこの手のオーラには珍しく、リスクがかなり抑えられている点が最高だ。

 このデッキは「シミック・クッキー」とも呼ばれる。《堅いクッキー》や《ジンジャーブルート》らがその由来だ。クッキーはアーティファクトを4/4のクリーチャーにする能力で追加の象形的なポジション。食物を引き連れてやってくるので、これをクリーチャー化させても良いしライフがピンチなら食べても良し。さらにクッキー自身も食べられるときたもんだ。《ジンジャーブルート》も同じく可食クリーチャーであり、同時にこれは速攻クリーチャーにしかブロックされないという回避能力もちでもある。1/1と侮るなかれ、鉄壁のブロック陣をすり抜けるぜ。これに象形を貼るシーンも少なくない。またこれらクッキーズが墓地に置かれたら、《アガサの魂の大釜》で追放し、その起動型能力を他のクリーチャーに与えよう。

 このデッキはサイドボードにも注目すべきカードが。《排撃の変異》!このインスタント、使った・あるいは使われたことがある方はご存知、スタンダードの隠れためちゃ強カードだ。クリーチャーのサイズを一気に強化する手段であり、そして相手のアクションに対する打ち消しでもある。マナに余裕がなく、Xの値が1や0でもクリーチャーさえいれば打ち消しとして十分に機能する。あるいは相手が土地をフルタップ、隙を見せているタイミングなら回避能力持ちにこれをありったけのマナ注いでぶちこみ、そのターン中にライフを0にする…X火力のような使い方もできる。臨機応変、変幻自在。シミックらしいこのカード、今のところ有効に使っているデッキはこの象形デッキ位なものだが……もっとこれを搭載したデッキが現れても良いような気がするな。

とことん!技のディミーア
Jesus Ramos - 「ディミーア毒性」
DH DAL Su 9:30 Standard $10k Open 8-slot RCQ 8-1 / スタンダード (2024年6月2日)[MO] [ARENA]
3《地底の大河
4《闇滑りの岸
4《難破船の湿地
1《天上都市、大田原
3《ミレックス
1《解体爆破場
1《廃墟の地
3《
2《
-土地(22)-

4《多汁質の頭蓋住まい
2《死体傀儡、ヴェンセール
2《虚空翼の混種
-クリーチャー(8)-
4《苦痛ある選定
3《胆液まみれ
4《ヴラスカの堕落
4《終焉よ来たれ
1《不完全を拒絶せよ
4《ファイレクシア病の前触れ
4《実験的占い
4《伝染性尋問
2《裏切りの棘、ヴラスカ
-呪文(30)-
3《ドロスの囁き
1《胆液まみれ
3《血清の罠
2《強迫
2《否認
2《不完全を拒絶せよ
1《三歩先
1《死体傀儡、ヴェンセール
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 こちらはうってかわって技のデッキ。クリーチャーでゴリゴリ攻めるというタイプではないが、テクニカルに確実に、じわりじわりと攻めていく……「ディミーア(青黒)毒性」!対戦相手に《伝染性尋問》や《ヴラスカの堕落》で毒を与えたら、それを増殖能力で増やしていく。現スタンダードではライフ回復手段は豊富にあっても、毒をなくすようなカードはない。そのため、一度受けた毒はプレイヤーの体内に残り続ける。10個という致死量まで、毎ターン様々な方法で相手の動きを躱しつつ、一歩ずつ一手ずつ勝利へと向かっていくのだ。

 《死体傀儡、ヴェンセール》はまさしく増殖デッキ専用カード。増殖を行うとアーティファクト・クリーチャーに飛行と絆魂を与えるか、あるいは《虚ろな歩哨》を生成するかを選べる。この歩哨、ヴェンセールが命を捧げて救ったカーンによく似ているのがなんとも悪趣味でイイネ。歩哨にこれらのキーワード能力を与えて戦闘しつつ回復する動きができれば僥倖。あるいは《ミレックス》の生成したダニに飛行を与えて強引に毒を増やすという動きも面白い。毒デッキならではの増殖というキーワード、味わい尽くすなら技のディミーアだ!

 今週は青いデッキの中でも力のデッキと技のデッキをそれぞれ紹介させてもらった。どちらも青らしくサイド後は打ち消し呪文を増量し、相手のやりたいことをさせずに戦うことが可能。翻弄しつつ緑の腕力で叩き伏せるか、黒の猛毒で蝕むかは……プレイヤーの好みに委ねる!スタンダードはこの夏にローテーションを控えている。さあ、サンダー・ジャンクションシーズンの残り1ヶ月を楽しむとしよう!うーん今週末、どっちのデッキで遊ぼうかな……。

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