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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

独創力コンボ:オーコで残虐の限りを尽くす(モダン)

岩SHOW

 『サンダー・ジャンクションの無法者』リリースから早くも1ヶ月半……オーコ率いる悪の軍団がマジックに新たなインパクト与えて、その衝撃が少し落ち着いてきたところか。そういえばオーコ自身、どんなカードだったかを振り返ろう。《首謀者、オーコ》……緑青2色のプレインズウォーカー、マナコストは4。初登場した《王冠泥棒、オーコ》の時より1マナ重くなったが、共通点として鹿に関する能力を持っている。3/3の鹿・トークンを生成。また[+1]能力ではカードを2枚引ける。悪事を働いたターンであれば1枚、そうでなければ2枚カードを捨てる必要があり、使いこなすにはデッキを選ぶが、上手く機能すれば毎ターン手札を増やしてくれる。そして[-5]能力は土地以外のパーマネントをコピーして倍に!金銀財宝を手に入れてリッチにいこうぜと言わんばかり。そして肝心なのが常在型能力!シェイプシフターであるオーコを体現するもので、自身のクリーチャーのコピーになれる。呪禁も持つので除去されにくく、戦場に出したばかりのクリーチャーもこれがコピーになることで即攻撃、速攻を与えるかのように運用できるというわけだ。

 そんなわけで要素は色々てんこ盛り、一体どのようなデッキで使えば上手く使えるのか、一見するとわかりにくいカードにはなっている。初代が食物とクリーチャーを採用していればどんなデッキでもウェルカムだったのに比べると、今回のオーコは使い方を考えねばならない。こんな導入で始まったからにはどうやって《首謀者、オーコ》を輝かせるかの話なんだろうなと、そう思われたでしょう。まあまあ、ハードルは上げずにご覧くださいな。

Reto Sormani - 「5色独創力」
Lotus Monthly 1K 優勝 / モダン (2024年5月26日)[MO] [ARENA]
4《樹木茂る山麓
4《乾燥台地
1《血染めのぬかるみ
3《沸騰する小湖
1《ジェトミアの庭
1《ザンダーの居室
2《聖なる鋳造所
1《踏み鳴らされる地
1《蒸気孔
1《優雅な談話室
1《大音声の劇場
3《ドワーフの鉱山
1《
-土地(24)-

3《残虐の執政官
-クリーチャー(3)-
4《稲妻
4《力線の束縛
2《虹色の終焉
1《失せろ
3《マナの税収
3《一時の猶予
4《不屈の独創力
1《異形化
4《鏡割りの寓話
4《レンと六番
3《時を解す者、テフェリー
1《首謀者、オーコ
-呪文(34)-
2《掘り返し
2《夏の帳
1《高山の月
1《摩耗 // 損耗
1《耐え抜くもの、母聖樹
1《毒を選べ
1《テラストドン
1《兄弟仲の終焉
1《天界の粛清
1《糾弾
1《大修道士、エリシュ・ノーン
1《機械の母、エリシュ・ノーン
1《平地
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 こちらはモダンの独創力コンボ。デッキ内のクリーチャーを超強力な大型のもの数枚に留め、あとはクリーチャーやアーティファクトのトークンを生成するカードで構成。それらのトークンを対象に独創力を撃ち込むことで、ライブラリーから確実に特定のクリーチャーを戦場に出し、そのカードパワーで圧倒することを狙う。モダンでは往々にして《残虐の執政官》が用いられる。除去と回復ができてディフェンス面でも強く、相手の手札とライフも失わせつつこちらはドローするというまさに残虐極まる悪いヤツ。これの能力は戦場に出た時、そして攻撃時にも誘発するので、独創力から出して2回も殴ればゲームエンドだ。その分かりやすさ、コンボ難易度の低さから人気を誇っている。モダンで気分良く勝ちたいならコレとおすすめできるデッキの一つだ。

回転

 独創力は赤マナ3つと非常に赤要素の濃い呪文。なので、土地回りは山タイプを持ったもので固めたものが望ましい。そうなると効力を発揮するのが《ドワーフの鉱山》だ。山がたくさん並ぶので、鉱山がアンタップ状態で戦場に出る条件がスムーズに達成される。そのドワーフを対象に独創力を打てば、ほとんどリソースを割かずにコンボに入ることが可能だ。鉱山の他には定番の《鏡割りの寓話》。ゴブリンを対象に取って良し、それが殴れば出てくる宝物もマナ加速であり独創力の対象だ。手札入れ替えで独創力を引き込み、手札に来た執政官は捨てて別のものを引きに行ける。さらにうっかり《キキジキの鏡像》が生き延びると執政官をコピーして……もうそれ以上言うなと止められるレベル。

 これらのトークン生成カードの枠にオーコが加わっているのがこのリストだ。鹿を執政官に変化させる!手札入れ替えも相まって、まさしく寓話のように運用できる。そして何がすごいかって、執政官を降臨させるのに成功すると……戦闘開始時、オーコもこの残虐の化身に変身する!戦場に出て誘発、オーコが化けて殴って誘発。もう終わりだ!

 オーコならこれぐらい悪くてちょうど良い。モダンの独創力デッキの主役というわけではないが、1枚採用しておくととんでもない展開を演出できる。この《首謀者、オーコ》は大型クリーチャーをスピーディーに展開するデッキと好相性を誇ることがよくわかった。パイオニアの独創力デッキでも使って見たり、あるいはリアニメイトなど他のアプローチでスタンダードで使ってみたり……悪事の数々が思い浮かぶ。さあ、悪のカリスマと共にワルいことしようぜ!

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