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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!緑単アグロ、新緑の大進撃(スタンダード)

岩SHOW


新緑が深まってキタァ!

 5月は草木が太陽光を受けて生い茂る、素晴らしい季節だ。草花がグングンと育つので、植木の世話をするのが楽しい。そして野草を採取してリクガメに美味しいごはんをたっぷりと食べさせられる……5月、最高。新緑という言葉は中学生の時にマジックで学びました。まいど岩SHOWでおま。スタンダードについて熱く語り情報を共有、皆で盛り上がりたいこの「とことん!スタンダー道!」のコーナー。緑が茂るこのシーズンに、まさしくピッタリなデッキを紹介しよう!
 

とことん!緑単アグロ!

 ゴールデンウィークにさしかかろうというタイミングで、日本のスタンダード界隈がちょっとざわついた。常滑で開催されるチャンピオンズカップ、そのエリア予選で権利を獲得したデッキの中に……なんと緑単色のデッキがあったという。しかもアグロだ。何故ざわついたのか?それはスタンダードの表舞台で緑単アグロが活躍するのは実に久しぶりだからだ。『カルドハイム』がスタンダード現役だったあの頃以来……かも?とにもかくにも朗報中の朗報だ。なかなか出てこない緑単を待ちに待っていたプレイヤーも少なくない。時は来た!『サンダー・ジャンクションの無法者』環境で緑が躍動する!

Igarashi Junpei - 「緑単アグロ」
チャンピオンズカップ シーズン2ラウンド3 エリア予選 6位 / スタンダード (2024年4月28日)[MO] [ARENA]
1《耐え抜くもの、母聖樹
22《
-土地(23)-

4《陥没穴の偵察
4《進化する適応体
4《花ざかりの開花族
4《目ざとい新人
4《アロエの錬金術師
4《クウィリーオンの獣呼び
4《名もなき都市の歩哨
2《ポルクラノスの再誕
4《逆棘芽の農家
-クリーチャー(34)-
3《痛烈な質問
-呪文(3)-
2《用心棒の荒事
2《毒を選べ
3《未認可霊柩車
2《砂追いのモロク
3《好戦的な槌頭
1《向上した精霊信者、ニッサ
2《レンと次元壊し
-サイドボード(15)-
bigweb より引用)

 

 さあ、これが全世界待望の緑単の姿だ。緑一色、目に優しい。心も癒される……使用者にとってはやすらぐビジュアルだが、対戦相手には森林に潜む野獣のごとく牙をむく。最大で4マナ、中心となるのは1~3マナのクリーチャー達。これらはただ軽いだけでなく、コスト比で見たパワー/タフネスに優れた選りすぐりのラインナップ。

 中でもエース格は《花ざかりの開花族》!これはコントロールしている森の数だけのサイズになるため、緑単色にして《》で固めたデッキで使ってこそ真価を発揮する。2ターン目は2/2でも、ターンを重ねれば3/3、4/4……どんどん2マナに見合わない巨体に成長。《クウィリーオンの獣呼び》など他にも高打点を弾き出すクリーチャーらと共に、毎ターン効率よくマナを使って怒涛のラッシュ!

 攻撃を通すためには《痛烈な質問》。1マナという軽さでクリーチャー除去、ブロックすることは許さない!この開花族と質問、両方ともに『カルロフ邸殺人事件』のカードであり、前環境から存在していたものである。これらがあっても緑単がなかなか出てこられなかったのは……タイミングなどもあったのかもしれない。そしてもちろん、『サンダー・ジャンクションの無法者』の新戦力が大きかった!

 緑単アグロの背中を大きく押してくれたのは……サンダー・ジャンクションの荒野に住むサボテン人間、カクタスフォーク達だ。まずは強力&個性的なカードが並ぶビッグスコアより、《逆棘芽の農家》!4マナ5/5トランプル、やる気を感じるスペックだ。そしてこの農家は戦場に出ると食物を2つ提供してくれる。その職業に偽りなし、美味しい農産物でプレイヤーを回復……させてくれるのだが、ただ食物を消費せずにその後の調理も農家に任せてみよう。攻撃時に食物を生け贄に捧げれば、ライブラリーを切削。落ちたカードの中からパーマネントを1つ選んで手札にIN。マナを支払ったりせずに、攻撃しながら後続を補充。アグロデッキの課題であるガス欠に対して、かなり頼もしいアンサーだ。農家から農家に繋げられれば、ちょっとゲームが長引いてもなんとかなる!

 あとは一見地味だがコイツはやる!というカクタスフォークが《アロエの錬金術師》だ。3/2トランプル、アグロデッキの求める打点狙いの2マナ圏。2ターン目など序盤であれば普通に唱えて戦場を作る。そしてターンが進んだ中、アロエを引いたなら……3/2を出してもインパクトがない状況も多々あるだろう。そんな時にはこの錬金術師を計画!そうすると他のクリーチャーに+3/+2とトランプルを付与!こうすることで、さながら速攻持ちかのようにダメージに貢献。元々トランプルを持っていない開花族などにこの修整を与えられれば、相手のブロックなどお構いなしでノックアウトできてしまえるはずだ!
 

とことん!もういっちょ!

 緑の勢いは止まらない!別の店舗の予選でも権利を獲得しているッッ!

Fukutome Masayuki - 「緑単アグロ」
チャンピオンズカップ シーズン2ラウンド3 エリア予選 2位 / スタンダード (2024年5月5日)[MO] [ARENA]
1《耐え抜くもの、母聖樹
23《
-土地(24)-

4《進化する適応体
4《花ざかりの開花族
4《目ざとい新人
3《棘を播く者、逆棘のビル
4《荒野無頼団の先駆者
3《西の樹の木霊
1《ポルクラノスの再誕
4《金脈のハイドラ
-クリーチャー(27)-
1《王のもてなし
1《タイヴァーの抵抗
1《溶岩拍車のブーツ
3《古霊招来
3《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(9)-
4《用心棒の荒事
4《毒を選べ
2《未認可霊柩車
3《強情なベイロス
2《石の脳
-サイドボード(15)-
bigweb より引用)

 

 こちらのリストには農家も錬金術師もいないが、カクタスフォークの新戦力が!《棘を播く者、逆棘のビル》!伝説のサボテン人間は、土地を戦場に出すだけでクリーチャーをサイズアップ。うっかり生き延びれば打点に超絶貢献してくれる。このビルでカウンターをばら撒き、《西の樹の木霊》に繋げられれば勝利は目の前。こちらのリストでは錬金術師ではなく木霊で開花族にトランプルを持たせるというわけだな。《進化する適応体》《目ざとい新人》といったカードとの相性も◎。

 また、このリストでは速攻を重視している。出したクリーチャーですぐ攻撃できる、アグロにとってこれほど有難いこともない。《金脈のハイドラ》は序盤こそは頼りないが、マナがある程度用意出来れば高打点でいきなり殴りかかり、フィニッシュを演出してくれる。これ見よがしの能力の宝庫だ、色んなものを臆せずに叩きつけられる。

 そしてクリーチャーに速攻を与える要素として《溶岩拍車のブーツ》を採用している点にも要注目!パワーも上昇、護法も付けてくれる優れモノ。これで《古霊招来》や《向上した精霊信者、ニッサ》から繰り出したデカいトークンを即攻撃、と動ければ中だるみもなくビートプランを完遂できる。先のリストと、こちらのものと……同じ緑単で括るにはアプローチが異なっていて面白く、奥が深い。共通しているのは開花族らを率いて真っすぐに、全力で突き進むという一点!
 

とことん!まとめ!

 今週のスタンダー道をまとめると……緑単は戦える!主力となるのは《花ざかりの開花族》、《》を並べて多色デッキとぶつかれ!緑単の中でも流派は分かれるので、自分に合った形を見つけよう!ローテーション後も残るカードがデッキの大半を占めているので、今からスタンダードを始める方にも安心!

 こんなところかな。個人的にも緑単アグロはアリーナで多くの勝利を味わった思い出のアーキタイプなので、スタンダードでまた輝きを放ってほしいと切に願っている。それじゃあ、バチバチに火花散らしながら、今日もスタンダードやろうぜ!

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