あのコンボはどうなった？『サンダー・ジャンクションの無法者』プレビュー時に騒がれたあれだよ。そう、《戦慄の奔出》を使ったコンボだ。放題呪文である奔出は、マナを払ってモードを選ぶ。クリーチャー・手札・ライフのいずれかを半分にさせる……全部選んでもOKだ。特殊なコントロール手段として作られた奔出だが、注目されたのは対戦相手のライフを半分失わせるモード。20点のライフの相手であれば10点のライフを失わせることになる。そしてこのライフの損失と組み合わせるのが……《アクロゾズの放血者》。対戦相手がライフを失うならその値は倍になる。つまり、20点のライフの半分の10点失う→倍になって20点のライフを失う→一撃KO、というわけである。

　このコンボの凄いところは、対戦相手のライフが100点あろうが1000点あろうが、億や兆あろうとも問題なく一瞬でライフを0にしてしまうところ。2枚で勝てるコンボ、これは流石に強い！……と注目はされたのだが。奔出が放題込みで計5マナ、放血者が4マナでトータル9マナと必要なコストがたっぷり重い。これが当然と言えば当然のことなんだけども、最大の弱点なんだよなぁ。放血者はクリーチャーなので先に出しておく、という手段もある。そうすれば5ターン目にコンボが決まる。しかし放血者は呪禁や護法などの除去耐性を何も持たず、タフネスも特別高いというわけではない。相手も4マナないしそれ以上のマナを使える状況であれば、これを見逃さずに除去してくることだろう。隙を見つけた瞬間に2枚畳みかけてコンボを決めるのがベストだが、マナが必要。そのためになかなか活躍できていないのが現状だ。

　この問題点をクリアしよう、そんなコンボ好きの思いが込められたリストをこの度発見！ここで紹介するしかないでしょうよ！

　黒に青を足して用いるのは、《精神接合器》！このアーティファクトは毎ターン、油カウンターを得ていく。そして油の数だけインスタントやソーサリーを唱えるコストを{1}軽減してくれる。このコスト軽減は放題のために払うマナにも適応されるので、油の数が多ければそれだけコンボに必要なマナが少なくなる。この接合器のサポートを得て、ミニマムで計6マナ用意出来ればコンボを決められるように。あるいは除去で崩壊するコンボプランを護るため、打ち消しなども構えつつ動く……ということも無理が無くなる。コンボパーツは《銀の精査》などのドローで集める、これのコストも接合器で軽減だ。噛み合っているッ！

　この接合器と組み合わせることで、さらにその威力を増すのが《三歩先》！打ち消し・2枚引いて1枚捨てるというモードを持つこれまた放題呪文。そして最もマナを要求するモードは、クリーチャーorアーティファクトのコピー。このモードで接合器を量産！接合器のコスト軽減は重複するので、複数個の接合器と精神を繋ぎ、様々なアクションを格安で狙っていこう。この組み合わせ、今後青いコントロールの一流派として定着することになるかも？このリストであれば《アクロゾズの放血者》をコピーしても良いね。これが並べば失うライフが倍の倍に。2体で攻撃するだけで16点！奔出抜きでも十分にフィニッシュできるというものだ。

　このリストにはもう一つ気になるカードが。《脅迫の工作》だ。対戦相手のライフ1点を失わせ、自分は1点回復してカードを1枚引く。そしてエンチャントとして戦場に残り、悪事を働くと手札に戻ってくる。つまり、対戦相手のクリーチャーやプレインズウォーカーに除去を撃ったり、奔出で手札を捨てさせるなどしている横でこの工作が戻ってきて、再度出てきてドローをもたらす。じわじわと1点回復するのもコンボまでの時間稼ぎになるし、状況によってはこれの1点を重ねて勝利を目指すというルートも。ライフを失わせるってことは、もうわざわざ言わなくても……放血者でね。2点失うことになれば決して無視できないボディブローに。これを重ねてジワジワ追い込み、相手が状況打破を狙って大きく動いて隙が見えたら、そこにコンボを叩き込もう。

　《戦慄の奔出》のコストを《精神接合器》で軽減させるというアプローチ。これで奔出と《アクロゾズの放血者》とのコンボデッキが、完成を見せることになるのか……更なる進化が求められるのか。スタンダードのコンボデッキが増えることはかんきょうをのワクワク度を上げてくれるので、今後の動向には期待したいね！接合器と他の放題呪文との組み合わせもどんどん試していこう！