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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:変身に対する膿(レガシー)
クールでミステリアスな『カルロフ邸殺人事件』のシーズンが終わり、『サンダー・ジャンクションの無法者』のシーズンが幕を開ける!この荒野と開拓者と無法者、そして宝物庫に秘められたお宝で満ちたセット……どんなマジック体験を味わえるのか、ニヤニヤとワクワクが止まらない。そんなクールな新セットに彩られた春を迎える、その前に……カルロフ邸シーズンの最後を飾るデッキを当コーナーで紹介させていただこう。
カルロフ邸のカードたちは……一見どのように働くのか、わからないカードも多く、そして実際に使ってみるとなるほど納得&楽しい、そんなクールな味わいに満ちたシーズンだったように思う。このセットを語る上で外せないカード、あれかな?これだろ!色々あるだろうが、クールさを何よりも重視する当コーナーで取り上げるものは……
《人道に対する膿》。なんというカード名だ。これは「人道に対する罪」という犯罪概念の捩りであり、英名も「Crime Against Humanity」に対して《Slime Against Humanity》と見事なダジャレになっている。殺人事件がテーマのセットにはうってつけなファンタジー感溢れるクールな名前に拍手。
このソーサリーはルール破壊カードである。マジックの構築戦はデッキ内に基本土地以外の同一カードを4枚までしか採用出来ない。そのルールを無視して、この膿はデッキに何枚でも採用可能だ。そしてこれは墓地の同名カードを参照する。ウーズ・トークンを生成し、それの上に墓地のウーズと《人道に対する膿》の数だけの+1/+1カウンターを乗せる。唱えれば唱えるほど、人に危害を加える危険なスライム状の怪物が誕生するわけだ。
このソーサリーを投入した構築フォーマットのデッキをシーズン終盤に目にすることとなったので、たまらずここで紹介させていただく次第だ。さあ、カルロフ邸のクールなラストを見届けよう。
4《霧深い雨林》 1《沸騰する小湖》 1《樹木茂る山麓》 3《Tropical Island》 1《Volcanic Island》 1《Taiga》 4《古えの墳墓》 1《島》 1《森》 -土地(17)- 1《陰謀の解明者》 1《偉大なる統一者、アトラクサ》 1《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(3)- |
4《水蓮の花びら》 4《虚空の杯》 4《意志の力》 4《ロリアンの発見》 2《海門修復》 3《変身》 8《人道に対する膿》 4《アミナトゥの占い》 4《鏡割りの寓話》 3《呪文織りのらせん》 -呪文(40)- |
4《花の絨毯》 4《活性の力》 4《虚空の力線》 3《時を超えた英雄、ミンスクとブー》 -サイドボード(15)- |
こちらはレガシーの膿を8枚搭載したデッキ……え、レガシーで?広大なカードプールで最新のルール破壊カードを使う気概……クールとしか表現できないぜ。
このデッキはメインのコンボは《変身》だ。クリーチャーを破壊し、代わりにライブラリーから別のクリーチャーが公開されるまで捲っていって……それを戦場に出す。カード名通り、クリーチャーが別物に《変身》する古き良きソーサリー。これとクリーチャー・トークンを生成する非クリーチャー呪文、そしてほんのわずかの当たりクリーチャーでデッキを構築し、トークンを大物に変身させる。《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出して次のターンの攻撃で大損害、《偉大なる統一者、アトラクサ》で手札を大量補充、そして《陰謀の解明者》でこれらのクリーチャーのコストを踏み倒して唱える……などなど、強烈過ぎるムーブを備えている。これを《鏡割りの寓話》と《人道に対する膿》で成立させる、3色のコンボデッキというわけだな。
しかしこの懐かしさを感じるクールな《変身》コンボ、そのためにわざわざ膿を使うのか?というのはある。それならもっとマナ効率の良いトークン生成呪文があるだろう……と。もちろんこれだけで終わらないからこその膿というチョイスなのだ。もったいぶらずに答え合わせ、この膿を活かすカードは《呪文織りのらせん》。墓地から2枚のソーサリーを追放し、刻印する。いずれかのプレイヤーがどちらかの呪文を唱えた場合、もう一方の呪文をコピーして唱えられる。これに膿を刻印し、複数回のらせん誘発を狙うというわけである。
膿とセットで刻印されるのは……《アミナトゥの占い》。ライブラリーの上から8枚追放し、その中のカードタイプ1つにつきそれぞれ1枚のカードをマナ不要でプレイできる。デッキにらせんにこの2種類を刻印してから膿を唱えて、らせんが誘発しアミナトゥがコピーされる。このアミナトゥで、膿が捲れる確率は高い。公開されたならそのまま膿を唱えて、またアミナトゥをコピー……この肯定を繰り返すことで、ライブラリーの中からエムラクールを唱えて追加ターンを迎える。ウーズの群れとエムラクールや大型飛行クリーチャーの軍団で攻撃して圧殺……すげぇなこのコンボ。よっぽど《呪文織りのらせん》と向き合わないとこんな使い方思い浮かばないぞ。これに対する最大限の賛辞、それこそが「クール!」。
というわけでカルロフ邸シーズンの締めくくりには個性の塊、目を見開かんばかりにクールなコンボを紹介させていただいた。さあ、サンダー・ジャンクションへと舞台を移そう。荒野の果てに、さらなるクールが待っている。
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! New season has just begun!!
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