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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のHorror Deck:恐怖の心霊巨大ガエル!ケイヤ・コンボ(スタンダード)

岩SHOW

 今週もやってきました、クールな金曜日!クールなデッキを取り上げる「今週のCool Deck」、さあ早速……ん?背後から視線を感じる……

「今週のHorror Deck」

 そう、今週はクールでありつつも恐怖に満ちたデッキを紹介しよう。主役は……ヤー=クール。ドミナリア次元で悪魔を信奉する集団、陰謀団。悪しき行いを続けドミナリアを恐怖に陥れたこの連中はベルゼンロックという悪魔の王を崇拝し、彼の命令に従い行動する。そんなベルゼンロックの副官がヤーである。しかし彼は、この悪魔王の信者としての領分を越えた野心を抱いてしまった。これがベルゼンロックに見破られ、罰としてヤーは人間から蛆虫に変えられてしまった。想像するだけでも恐ろしい、身の毛もよだつ悪魔の力だ。蛆虫となった人間がどのような思考や自我を持っているのかはわからない。ヤーはそのままカエルに食べられてしまった。

 この話はこれで終わり……なら良かったが、ベルゼンロックの魔力が化学反応を起こしたのか、ヤーの野心や怨念が強すぎたのか、カエルは異常な食欲に支配され、手当たり次第に動くものを喰らうようになった。遂にはその身体が破裂したが、生物を捕食するという魂だけが巨大な霊体として残り、沼地を徘徊するようになった……その恐ろしき存在はヤーグルと呼ばれるようになった。

 今宵のデッキはこの恐怖の精霊ヤーグルを主役としている。クールでありホラーなデッキ、覚悟を持ってご覧いただきたい。

MTG Creative Combos - 「ケイヤ・コンボ」
スタンダード (2024年2月22日)[MO] [ARENA]
4《コイロスの洞窟
4《砕かれた聖域
1《皇国の地、永岩城
1《見捨てられたぬかるみ、竹沼
4《平地
9《
-土地(23)-

4《ひよっこ捜査員
2《強欲な掠め盗り
4《ラフィーンの密通者
2《ヴォルダーレンの投血士
1《ネファリアのグール呼び、ジャダー
3《下水王、駆け抜け侯
4《ヤーグルとムルタニ
2《ガルタとマーブレン
1《戦慄宴の悪魔
-クリーチャー(23)-
2《苦々しい勝利
4《吸血鬼の口づけ
3《鏡に願いを
1《ヴェールのリリアナ
4《幽霊の裁き、ケイヤ
-呪文(14)-
X より引用)

 

 ファイレクシアンの侵攻が始まった時、ドミナリアではそれをヤーグルがバリバリと食いまくっていた。最強の食欲もファイレクシアの油にはかなわないのか、徐々にヤーグルの身体はそれに蝕まれ始めた。ヤーグルと一度戦ったムルドローサは、このカエルを救いたいと思い父であるムルタニに懇願。結果、ムルタニはヤーグルと結合することでその侵蝕を食い止め、同時に彼の力を倍増させた。これが《ヤーグルとムルタニ》である。何の能力も持っていないが、18点という恐怖そのもののパワーを持っている。ほぼ一激で相手のライフを0に持っていけるだけのスペックは持っているが、7マナとコストは重く、使いにくい。このカードをしっかりと対戦相手に恐怖を与える存在として用いようというのがこのスタンダードのデッキだ。

 ヤーグルを戦場に降臨させるには、何もそれを唱えるだけが全てじゃない。ヤーグルが霊であることを活かして、降霊術で顕現させるというクールな手段もあるのだ。その役を担うのが《幽霊の裁き、ケイヤ》。彼女は常在型能力として、クリーチャーないし墓地のクリーチャー・カードが追放された時、トークン一つを追放されているクリーチャーのコピーにすることができる。つまりトークンがある状況でヤーグルを墓地から追放すれば、これを唱えずして戦場にパワー18の恐怖を顕現させられるのだ。しかもケイヤはそのトークンに飛行を与えた上でコピーにするので、何も能力を持たないヤーグルの攻撃が対戦相手に通りやすくなるのも魅力的だ。ケイヤは[+2]能力で墓地からカード追放、[+1]能力でトークン生成と、自身単独でコンボに必要なアクションを備えている。

 ヤーグルを墓地から追放するのはケイヤに任せられるとして、彼女の諜報で確実にそれが墓地に落とせるとは限らない。手札に来たヤーグルや《ガルタとマーブレン》《戦慄宴の悪魔》といった巨大クリーチャーを捨てる手段もデッキ内には豊富に揃えられている。《苦々しい勝利》や《ラフィーンの密通者》にはじまり……

 血・トークンを使うのがこのデッキのまさにオリジナル。《吸血鬼の口づけ》では血を2つ生成する。これがまたケイヤ・コンボと噛み合っている。1つの血はクリーチャーを捨てるために用い、もう一つの血は……ケイヤで追放したクリーチャーのコピーにする。そう、ケイヤはトークンをコピーにする……クリーチャーではないトークンでも構わないのだ。このため《吸血鬼の口づけ》は1枚でケイヤ・コンボを決めるための資源を確保してくれるのである。その他にも手掛かりや宝物など、トークンを生成する手段も複数搭載し、それらを《鏡に願いを》のコストに充てることでケイヤを実質的に水増しすることに成功している。恐怖とクールの演出にはこういったスマートさが不可欠だ。

 ただの血液やちょっとした手掛かりが突然人食いの巨大ガエルに変貌する!ケイヤのもたらす混沌としたコンボ、楽しんでいただけただろうか。身も凍る恐怖のデッキが見つかったらまたその時に。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! And stay with fear!!

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