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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
犯行現場リアニメイト:証拠を集めて陰謀を暴け!(スタンダード)
証拠収集という新しいキーワード。これは「証拠収集Xを行う」といった具合に指定され、マナ総量の合計値が指定された数字になるように墓地からカードを追放することを意味する。墓地のカードが現場に散乱した証拠というわけで、それをかき集めて真実に辿り着くというニュアンスだね。この証拠収集自体には意味がないといえばない。謎の解決のために証拠を集めることができたらボーナス!という能力として作られている。
実際にゲームで証拠収集をしたことがあるだろうか?まだインスタントやソーサリーを唱えていない、クリーチャーでの戦闘なども行っていない……そういうゲーム最序盤であれば、証拠を収集するのは無理だ。証拠収集と書かれたカードのポテンシャルを実感するには、ある程度カードのやり取りが進んだゲーム中盤以降、あるいは切削や諜報を行って意図的に墓地を増やすといった工夫が必要になる。当たり前だが証拠収集の値が大きいカードはそう簡単には真価を発揮させられない。ハードルが高く感じられ、証拠収集系のカードを未プレイという方もいるのではないかな。
証拠収集の最大値は10。それだけ大量の証拠を求めるのは《陰謀の解明者》。このスフィンクスの探偵は、収集の値が高い代わりに、もたらすリターンも大きい。呪文を唱える際に、そのマナコストではなく証拠収集10で支払っても良いという……この能力、とんでもないことじゃないか?そりゃあ1マナの呪文を唱えるために証拠を10集めるのは労力に見合わないが……6・7マナとかの超強力呪文でさえもマナの支払いが不要になったら?こりゃヤバいぜ。《陰謀の解明者》が真実にいきつくには……こんなデッキがうってつけだ!
4《地底の大河》 4《闇滑りの岸》 4《難破船の湿地》 4《地底街の下水道》 2《不穏な浅瀬》 1《天上都市、大田原》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 3《島》 1《沼》 -土地(24)- 4《侵攻の伝令、ローナ》 2《似姿の物あさり》 2《ヴォーデイリアの冒涜者、ヴォハー》 2《陰謀の解明者》 1《原初の征服者、エターリ》 3《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(14)- |
2《恐怖の潮流》 1《セレスタス》 1《大いなる扉、マツァラントリ》 4《犯行現場の再現》 3《ギックスの残虐》 3《多元宇宙の突破》 3《執念の徳目》 3《漆月魁渡》 2《ヴェールのリリアナ》 -呪文(22)- |
3《切り崩し》 2《ぎらつく氾濫》 1《死人に口無し》 1《復活したアーテイ》 1《真髄の針》 3《強迫》 2《否認》 2《完成化した精神、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
これはまさしくスタンダードのリアニメイト!墓地からクリーチャーを戦場に戻す呪文や能力を用いて、クリーチャーを再利用してアドバンテージを得たり、本来払えないようなコストの超大型クリーチャーを踏み倒しながら戦場に出すことを狙うコンボだ。
このデッキは青黒の2色ながら《原初の征服者、エターリ》や《偉大なる統一者、アトラクサ》を搭載。これらのクリーチャーを《ギックスの残虐》《多元宇宙の突破》《執念の徳目》といったリアニメイト系カードで戦場へ、というのが勝利の方程式。エターリもアトラクサも、戦場に出るとそれだけで莫大なアドバンテージを生みだすため、クリーチャーを墓地に送ってから釣り上げるというひと手間を賭けるのに十分すぎるほど見合っている。そしてここに紹介したカードらは……いずれも5マナ以上の高コストだ。
それらの高コストカードを墓地に送るために、このリストでは伝統的なルーターらを用いる。ルーターとはかつての名カード《マーフォークの物あさり》などに見られる「物あさり」の英語表記が由来のマジック用語。カードを1枚引き、その後1枚捨てる。手札の枚数が増えるわけではないが内容が変更され、質的なアドバンテージが取れるとともに墓地利用系コンボのアシストもできる……そんな能力を持ったクリーチャーらをルーターと呼ぶわけだ。
このリストでは《侵攻の伝令、ローナ》を筆頭に、《ヴォーデイリアの冒涜者、ヴォハー》やこれぞルーターな《似姿の物あさり》など多様なルーターで手札を入れ替え、リアニメイトの準備を行う。これらで高コストのカードを墓地に落とせるということは、《陰謀の解明者》の証拠収集もスムーズに行えるということである。ルーターや《多元宇宙の突破》などで大量に高コストカードが墓地に貯まっている状況を作れれば、証拠収集10を1ターンの間に複数回狙うのも夢ではない!
そしてこのリアニメイトの最大の武器が《犯行現場の再現》!リアニメイト系の呪文の中でも最新の超変化球タイプである。このターンに墓地に置かれたカードを追放し、それのコピーがマナ不要で唱えられる。つまりルーターでアトラクサや解明者を捨てて、そのまま流れるように《犯行現場の再現》で追放してやれば、これらのヘビー級を4マナで唱えられるということになる。そのターンに墓地に置かれていることが前提であるため、これだけをトップデッキして大逆転……ということは難しいが、準備さえ整えられれば4ターン目に対戦相手の心をへし折るようなとんでもない盤面を作ることも可能。またルーター経由したもの以外にも打ち消された呪文、破壊されたクリーチャーなどをこの《犯行現場の再現》で拾い上げる動きも狙えたり、かなりトリッキーなカードなので、この癖のある1枚をなんとか使いこなしてみたいところだ。
証拠収集10、とんでもない数字に思えるが、集められない値ではない!さあ、君も《陰謀の解明者》と共に、真実を見つけ出せ!勝利への道筋を解明しようではないか。
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