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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!偽装と新除去を取り入れたコントロール(スタンダード)
来たのか?来たとも!カルロフ邸環境!
やあやあやってるかね!スタンダード、やってるかね!?今回の原稿を書いているのは2月7日深夜。オンライン上での『カルロフ邸殺人事件』リリースから24時間経過したところだ。いや~やっぱりスタンダー道とか言ってスタン推進運動をここでさせてもらってる身としては、開幕からガッツリやらないとね。今回は新セットリリースからすぐにMagic Onlinのリーグ全勝リストに新カード採用デッキが掲載されていて、いや~ネタ提供有難い限りだ!というわけで今回から世界のどこかで誰かが使った新環境スタンダードのデッキを取り上げていく!その前に……まずは道場生の皆に座学タイム!
とことん!裏向きクリーチャー!
カルロフ邸では素性を隠すラヴニカの住人がカード化されている。変装と偽装という能力でこれらの怪しい隣人を表現している。変装を持つクリーチャーは通常のコストで普通に唱えるのとは別に、{3}で名前を持たないクリーチャーとしても唱えられる。これは裏向きであり、護法{2}を持つ以外はクリーチャータイプも持たない、正体不明のもの。表面に書いてある変装コストを支払うことで表向きになって正体を現すのだ。
《窓外放出の幻影》がわかりやすい。本来は6マナと重いクリーチャーだが、3マナで唱えるモードもあると。そのまま2/2として使い切っても良いし、変装コスト5マナを支払って表にすれば4/3飛行に。重いカードに序盤の使い道を与え、対戦相手に深読みさせたり裏をかいたりと駆け引きの要素も持つ。6マナ持っている状況で引いてきたら素出ししていきなり航空戦力に使っても良いしと、1枚のクリーチャーカードにできることの幅を与えられたものなのだ。
《不撓の門番》のように変装させる方がコストがかさばるカードもある。そういった連中は表向きになった時に何か誘発する能力を持っている。ターンやマナをかけられるのであれば裏面から入って表に向けて能力でアドバンテージ獲得。緊急事態であれば軽く唱えてとりあえずはクリーチャーとして運用する、というニュアンスだね。門番も極力パーマネントを追放する能力で用いたい、対戦相手のものを追放して除去しても良いし、自分のパーマネントを出し直して能力を使いまわしたり除去から守って良し。そして切羽詰まった時には2マナのパワー3でブロックに回すという具合に、非常に器用なカードとしてデザインされている。
偽装はこの変装のアレンジ版で、他のカードによってカードを裏面の名もなきクリーチャーとして戦場に出すことを意味する。この裏面に出されたカードがクリーチャーであったなら、そのマナコストを支払って表にすることができる。そうでなかったら表になることはないが、本来クリーチャーでないものが2/2の護法持ちとして戦力として使えるのは面白い。もしかしたらクリーチャーかもしれない、という見えないことでのプレッシャーは偽装ならではだ。
この裏向きのクリーチャーは過去に変異という能力が扱っており、それを現在のスタンダードでも戦えるものへと調整したのが変装と偽装になる。変異の時に触れているプレイヤーなら良いが、そうでなければこの初見のメカニズムには戸惑うかもしれない。裏向きのクリーチャーを表にするのは、いつでもOK。対戦相手のターンに正体を現したり、アップキープや戦闘中に動いたり……インスタントを唱えられるタイミングであれば表にできる。そしてこの表にするというアクションには、スタックを用いない。これはつまり起動型能力のように「コストを払って○○します」という動きに対して「それを解決する前に△△します」と割り込むようなことが不可能、ということを意味する。コストを払ったら有無を言わさず即表になる。その後に誘発した能力を解決する前には割り込めるが、表になること自体は止められないということはしっかり覚えておかないとね。
いざ!新要素ディミーア!
では今回のデッキを紹介しよう。ここまで裏向きのクリーチャーについて解説してきたということは、このメカニズムを内包したデッキであることはバレバレだね。もったいぶらずにいこう、「ディミーア(青黒)コントロール」!
4《地底の大河》 4《闇滑りの岸》 4《難破船の湿地》 2《不穏な浅瀬》 1《天上都市、大田原》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 3《廃墟の地》 2《ミレックス》 3《島》 2《沼》 -土地(26)- 4《金属の徒党の種子鮫》 -クリーチャー(4)- |
3《切り崩し》 4《喉首狙い》 3《長い別れ》 3《死人に口無し》 2《かき消し》 2《否認》 3《困惑の謎掛け》 3《眼識の収集》 4《記憶の氾濫》 1《セレスタス》 2《謎めいた外套》 -呪文(30)- |
1《切り崩し》 4《寄生性掌握》 2《危難の道》 1《否認》 2《軽蔑的な一撃》 1《黙示録、シェオルドレッド》 1《眼識の収集》 3《完成化した精神、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
青黒のコントロールに採用された新カードは……《謎めいた外套》!ライブラリーの一番上のカードを偽装する装備品だ。偽装したクリーチャーにこの装備品が付けられ、それはブロックされないという大きなオプションがついてくる。3マナでパワー3のブロックされないクリーチャーを得られるというのはなかなかにコスパに優れている。しかもこの装備品は手札に戻すこともできる。戻して出し直せばさらに偽装できるということで、繰り返しクリーチャーを展開できるという強力なカードとして、リリース前から一部の注目を集めていた。《謎めいた外套》はブロックされないことを活かして攻める手段と捉えても良いし、マナさえあればいくらでもクリーチャーが用意できるのでブロック役に用いて防御的に扱っても良い働きを見せるだろう。
デッキ内にクリーチャーをほとんど採用していないので、偽装クリーチャーを表にするという狙いはこのリストには全くないのだが、非クリーチャー呪文と土地で占められたデッキからクリーチャーを複数体展開するオプションが加わったのは非常に大きなプラス要素だ。青と黒、コントロールを得意とするカラーで除去と打ち消しで捌いて、対戦相手が疲弊したら外套から繰り出される名もなき軍団で制圧すべし!
カルロフ邸にはクリーチャー除去も質の高いものが収録されている。打ち消されない《長い別れ》は使い勝手がよく、青系のクリーチャーデッキとのマッチアップも以前よりも随分楽になる。そして黒単色での全体除去として《死人に口無し》が加わったのも見逃せない。これまでは白に全体除去を頼ることが多くなり、スタンダードのコントロール=白青になりがちだったが、これからは青黒というのも白青に競り負けない強さを得たと言っても良いんじゃないのかな。とりあえず5マナで問答無用で全クリーチャー破壊という分かりやすさ、そして証拠収集を行えば対戦相手の手札・墓地・ライブラリーから特定のクリーチャーをすべて追放できるという強力なオプション!これで《偉大なる統一者、アトラクサ》のような何度も出てきてキリがないというクリーチャーも根絶やしに出来るのは、コントロール側からすると最高に頼もしいね。スタンダードの除去の新定番となるか?
変装と偽装、そして新除去……スタンダードにもたらされる変革。何が起ころうとも変わらないのは、当コラムではこのフォーマットを猛プッシュしていくということ!スタンダードという険しくも楽しい道、皆で駆け上っていこうぜ。それじゃあ、練習始めますか!ダイスの出目大きい方が先攻で……よろしくゥ!
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