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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ミッドレンジorアグロ?ゴルガリのバリエーション(スタンダード)

岩SHOW

 2023年のスタンダードにおいては、ゴルガリ、即ち黒緑の2色が息を吹き返した印象が残っている。《苔森の戦慄騎士》が参入したことがきっかけで、とにかくしぶといこの2マナクリーチャーが、黒のパートナーとしての緑の地位を大きく向上させた。追放されない限り何度でも使えるドローとパワー3トランプルという絶妙さ。3・4マナのより強力なカードにつなぐ役割をさせるにはこの騎士はもってこい。2024年もさらなる進化が期待されるゴルガリだが……現時点で、似たようなリストでありながらカードチョイスの微差で特性が異なるデッキがいくつか見られる。今回はこのゴルガリのバリエーションを紹介しよう!

熊谷 陸 - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
MTGアリーナ ランク戦 / スタンダード (2023年12月27日)[MO] [ARENA]
6 《
4 《
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《眠らずの小屋
4 《ラノワールの荒原
4 《死天狗茸の林間地
2 《魂の洞窟
-土地(26)-

4 《苔森の戦慄騎士
4 《大洞窟のコウモリ
4 《名もなき都市の歩哨
3 《グリッサ・サンスレイヤー
2 《分派の説教者
4 《黙示録、シェオルドレッド
2 《最深の裏切り、アクロゾズ
-クリーチャー(23)-
2 《強迫
2 《切り崩し
4 《喉首狙い
1 《苦痛ある選定
1 《ギックスの命令
1 《ギックスの残虐
-呪文(11)-
2 《切り崩し
1 《苦痛ある選定
2 《危難の道
1 《窃取
2 《強迫
1 《羅利骨灰
1 《未認可霊柩車
1 《温厚な襞背
2 《ギックスの残虐
1 《ヴェールのリリアナ
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-
X より引用)

 

回転

 こちらのリストはミッドレンジ……要するに中速デッキ。高速でも低速でもないというわけだが、中途半端な速度感のデッキ、というわけではない。遅い相手にはギアを上げてクリーチャーで攻めるアグロ寄りの立ち回りが出来て、速いデッキ相手には除去とクリーチャーの壁で攻撃を防いで受け切るというプランが選択可能……そんな器用なデッキということだ。ミッドレンジの特徴は《黙示録、シェオルドレッド》をフル投入、他にも3マナの攻めも守りもできるクリーチャーを厚めに採用しているところで見極められる。このリストは《最深の裏切り、アクロゾズ》まで採用されているので、どっしり戦う横綱相撲スタイルがより伝わってくるTHEミッドレンジ。戦慄騎士で序盤を戦い、3マナ圏でさらに固めて、シェオルドレッドやアクロゾズでフィニッシュ。こういったストーリー性がリストから見て取れるのがミッドレンジらしさを強く感じるポイントだね。

 分厚い3マナ圏に注目してみよう。最多の4枚とられたのは《名もなき都市の歩哨》。このマーフォークはタフネスが4と硬く、警戒を持っているためまさしく攻防一体。カッチカチな鉄壁でありながら、地図・トークンでさらなる手札の獲得とクリーチャーの強化を狙える。特に《大洞窟のコウモリ》を探検させて強化する組み合わせはまさしく鉄板ッ!《グリッサ・サンスレイヤー》も強烈な戦闘のエキスパート。先制攻撃と接死、問答無用で一方的に死亡させるキーワードの組み合わせで他のクリーチャーを全否定。攻撃を通せばドローしたり、エンチャントを破壊したりとやれることも多い器用さが売り。そして《分派の説教者》、これまた硬くて接死持ち。攻撃時のライフによって2種類の恩恵を受けられるが、自分と対戦相手のライフが同点ならドローもトークンも両方得られることを忘れずに。絆魂持ちの吸血鬼を並べて、アグロ相手に受けながら攻めろ!

unagieel - 「ゴルガリ・アグロ」
Magic Online Standard Challenge 9位 / スタンダード (2023年12月22日)[MO] [ARENA]
4 《死天狗茸の林間地
4 《ラノワールの荒原
4 《眠らずの小屋
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
7 《
5 《
-土地(26)-

4 《苔森の戦慄騎士
4 《大洞窟のコウモリ
2 《しつこい負け犬
3 《グリッサ・サンスレイヤー
2 《分派の説教者
1 《名もなき都市の歩哨
1 《ヨーグモスの法務官、ギックス
4 《ドロスの魔神
3 《黙示録、シェオルドレッド
-クリーチャー(24)-
2 《切り崩し
3 《喉首狙い
1 《苦痛ある選定
1 《ギックスの命令
2 《執念の徳目
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(10)-
4 《強迫
1 《苦痛ある選定
1 《切り崩し
2 《危難の道
2 《羅利骨灰
1 《温厚な襞背
1 《ギックスの命令
1 《ファイレクシアの闘技場
2 《執念の徳目
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 こちらはアグロな構成。上記のリストと全く違う、ということはないのだが、ちょっとした差がデッキの印象を大きく変える。2マナ圏に《しつこい負け犬》も加えた10枚体制でより確実に序盤のクリーチャーを出せるように設計。さらに《ドロスの魔神》4枚!良いねぇ、個人的にもこの魔神型のゴルガリはスタンダードで使い込んでいた時期があるので、リストを見るとグッとくる。6/6飛行という破格の性能に加えて、対戦相手のクリーチャーが死亡するとライフも削れる前のめりっぷりが頼もしい。この性能で4マナは破格だ。ゲームに敗北するというデメリットは嫌がられるかもしれないが、実はそれほど気にするようなことではない。この魔神が除去されずに生き続けているということは、それだけ攻めることが出来ているということ。油が切れる前に勝ってしまうので、何も恐れなくて良いのだ……疑っているのかい?使えばわかるさ!魔神の強さにハマると、なかなかあの味が忘れられなくなるよ……。

 カードチョイスで戦い方が変化する、柔軟さも強みであるゴルガリ。このカラーリングといえばラヴニカ次元。2月にやってくる『カルロフ邸殺人事件』はラヴニカが舞台!今回のセットはギルドをテーマにはしていないとのことだが、黒緑の多色カードの存在には否が応でも期待が高まる。優秀なパーマネント除去やクリーチャー、アドバンテージ源が見込めるが……一体どんな新戦力が加入するのか、今からホクホク状態で待機!スタンダードのゴルガリ、今年も遊びつくそう!

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