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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アーティファクト・コントロール:兄弟げんかに要注意?(スタンダード)
マジックで知った言葉は沢山あるが、その中でも最も大きな存在は「アーティファクト/Artifact」かな。武器や防具、建物や魔法のアイテム、そして戦車やロボットなどなど……機械、人工物の類はアーティファクトというタイプを与えられている。当時単語の意味まではわからなかったが、アーティファクト・カードに描かれているようなもの全般をそういう風に呼ぶんだろうなぁと……ぼんやりと概念が理解できたものである。いま改めて調べてみると加工品・工芸品・芸術品などなど……「技能(art)で作られたもの」とのこと。
多元宇宙の様々な技能をもとに作られたアーティファクト。マジックというゲームにおいて欠かせないものだ。アーティファクトには機械工作らしい能力が与えられており、様々なデッキにアクセントを与えている。そしてアーティファクトには、それで固めたデッキを推奨するデザインが度々見られる。
《加工鋳造所》はまさにそれで、2マナにしてアンタップ状態で戦場に出せて色マナを加える能力を持っていると、マナ加速のパーマネントとしてはかなり優秀。かわりにこのマナはアーティファクトを唱えるか能力の起動のためにしか使えない。(アーティ)ファクトデッキを組め!と言わんばかりだ。起動型能力もまたファクトデッキを推し進めるもので、戦場のファクトと墓地のファクトを入れ替えるという楽しい内容となっている。破壊されたり打ち消されたファクトを、線上にあるちっぽけなファクトをまとめて追放することで戦場に戻す……ロマンに溢れているものでありながら、この能力に頼らずに堅実なマナ加速として運用できるというのが良いね。
今回はこの鋳造所を強く使えるデッキを紹介させていただこう!スタンダードのファクトデッキの一例だ!
4 《さびれた浜》 4 《不穏な投錨地》 2 《アダーカー荒原》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 4 《解体爆破場》 1 《ミレックス》 6 《平地》 2 《島》 -土地(25)- 4 《市場のノーム》 4 《スランの蜘蛛》 -クリーチャー(8)- |
4 《加工鋳造所》 1 《アイレンクラッグ》 4 《バネ仕掛けの鋸刃》 1 《ガラスの棺》 2 《集団失踪》 4 《不安定な象形橋》 2 《千の月の鍛冶場》 4 《編まれた網》 4 《マイトストーンとウィークストーン》 1 《内なる太陽、チミル》 -呪文(27)- |
3 《ガラスの棺》 2 《痛烈な一撃》 3 《否認》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《護国卿、ウルザ》 2 《最初の平等者、アカル・パカル》 -サイドボード(15)- |
考古学、古き時代のものを発掘して修繕するような技術を担当している白。そして機械の知識や魔法の道具の改良などを得意とする青。この2色は様々なセットでファクトデッキを推奨するカードを抱える色となっている。現スタンダードのそういったカードを集めたのが上記のリスト。これはどっしりと戦うコントロールだ。対戦相手の構成を凌ぐためにはマナが必要なので、《加工鋳造所》《アイレンクラッグ》や《マイトストーンとウィークストーン》でマナ加速して盤面を作っていく。盤面に自分の研究室や工場を作っていくような感覚でプレイできるので、そういったゲームが好きな人には強くオススメできるものだ。
ファクト主体のコントロール、ということで肝心かなめのクリーチャー除去も大半はファクトで行うようになっている。中でも注目は作製能力を持ったもの。《バネ仕掛けの鋸刃》は瞬速で唱えられ、タップ状態のクリーチャーに5点ダメージ。そうやって除去を行った後には作製して機体に変身。ファクト2個のタップでクリーチャー化するので相手の攻撃に睨みを利かせるブロック役も、ライフやプレインズウォーカーを詰めていく攻撃役としても、5/5というサイズがとても頼もしい。《不安定な象形橋》も作製でクリーチャー化すれば対戦相手にとっては厄介すぎる妨害能力持ち兼フィニッシャーとなってくれる。
そしてこのデッキが青を含んでいる理由である《編まれた網》!これもコントロール要素として類まれなる性能を誇っている。土地以外のパーマネントをタップし、それの起動型能力を使えなくするという能力の持ち主である。クリーチャーをタップして攻撃を防ぐ、無理やりタップして《バネ仕掛けの鋸刃》でダメージを与えるというのが基本的な動きになるが、アップキープにプレインズウォーカーなどのソーサリー・タイミングでしか起動できない能力持ちを寝かせて計画を崩すという動きにお世話になることも。このタップ能力は回数制限付きではあるが、カウンターをすべて取り除いてしまった後も作製で《編まれた結縄》に変身させれば、ドローをした後にライブラリーに戻って再利用が可能だ。これをグルグル回すことが出来ればもうニヤニヤが止まらない。ねちっこく時間稼ぎして大量ドローに繋げて、対戦相手に「なんということをするのだ」と思わせる。それがこのデッキの勝利への道筋なのである。しつこくいこうぜ。
《千の月の鍛冶場》を変身させるのも勝ち筋であり、こちらはガシャガシャとノームを生産して対戦相手を圧倒する、これまた満足度の高い勝利シーンを堪能させてくれる。中盤などはこれが生成するノームを思い切ってブロック役に回すなど、ライフを保つことを優先してとにかく生き延びよう。生きてさえいれば鍛冶場か網から逆転できる、そう信じることがこのデッキをプレイする上での重要ポイント。《千の兵舎》に変身させる場合、この変身は他のファクトの作製と違って戦場から離れずに行われることに注意。鍛冶場自信をタップして条件を満たすと、変身した兵舎もタップ状態なのだ。逆に言えば作製で変身するファクトはタップ状態になっていても変身後はアンタップで戦場に出る。これらの特性をしっかり把握して、計算違いを起こさないように。
最後に一つ……このデッキの天敵は《兄弟仲の終焉》!これはもうどうしようもない。何もかもまとめて吹き飛び、後に残るのは廃工場のようになった戦場だ。《否認》などで可能な限り対策し、手札に常にアーティファクトを残しておくことも考慮しよう。他所の兄弟喧嘩で盤面崩壊するとは、たまったものではない。ウルザとミシュラには深く反省して、兄弟同士お互いを思いやって仲良くいてほしいものである。これ、ファクトデッキ大好き人間の心からのお願い。皆の大事なアーティファクトが粉みじんにならないことを願うよ……ファクト好きは覚悟を決めた上で、その技能を思う存分に振るってみてね!
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