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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!グルール・ダイナソーへの挑戦(スタンダード)

岩SHOW

恐竜が……来る……ッッ!

 スタンダードという構築フォーマット。マジックの定番として最も歴史の長いこのフォーマットのデッキを取り上げ、魅力を伝えるとともにスタンダードという道を歩む人々を応援する当コーナー「とことん!スタンダー道!」。

 いよいよこの道場にもヤツらがやってきた……恐竜だ。『イクサラン:失われた洞窟』は明日(2023年11月17日)、発売日を迎える。中南米の文明の雰囲気、太陽帝国・海賊・マーフォーク・吸血鬼らによる地下洞窟の探検……そして、恐竜!イクサランといえばやっぱりダイナソー、太古から生き続ける巨大で屈強な生物たち。ロマンあふれるこの種族、最近は他の次元を舞台にしたセットでもちらほら見られるようになったが、今回のイクサランでドカンと大量に襲来!その巨大な足でスタンダードを闊歩することが期待される。そんなわけで今回は、新セット発売を目前に控え、恐竜デッキを組んでみよう!

とことん!恐竜道!

 まずは現スタンダード環境の既存の恐竜を振り返ってみよう。意外にもそれなりの数が揃っている中、注目すべきものとなると……

 恐竜を主に担当するカラーの一つ、赤。獰猛な肉食恐竜、血気盛んな角竜などデンジャラスなダイナソーが揃っている。その攻撃性を体現しているのが《巨大焦がし大口》。3マナ4/3トランプル、プレイヤーのライフ回復を無効化すると、前のめりなデッキで使えといわんばかりのハイスペック。改めてみると、現スタンダードで活躍の機会が少ないのが不思議なくらいの強力クリーチャーだな……これでアンコモンってすごいぜ。

 そして《猛り狂う猛竜》は同じくパワー4のトランプル持ち、さらに速攻でライフを一気に詰める。またダメージが通ればプレインズウォーカーやバトルにもダメージが与えられる、「猛」という字を2つも冠しているのも納得の攻撃性!

 恐竜のメインカラーといえば緑も忘れちゃいけない。中でも《温厚な襞背》は現スタンダードのミッドレンジ系のデッキでよく使われている便利屋だ。カード1枚でアーティファクトorエンチャント破壊・墓地対策・ライフ回復と様々なデッキに対抗する術を備えており、しかも各モードをまとめて用いることもできるとあって、メインデッキから採用しやすい柔軟さが支持を集めている。

 これら優秀な既存の恐竜と、イクサランからやってくる新恐竜を組み合わせたクリーチャー主体デッキ。これが今回の狙いだ。ではニューフェイスらの姿を拝ませてもらおうか。

 早速恐竜デッキにとって最も嬉しいゾーン、2マナ域から!クリーチャーで攻めるデッキにおいて、2マナ以下で展開できるクリーチャーは何よりも重要。今回はこの要望にバッチリ応える2枚が登場。《好戦的な一年仔》は3/2トランプルと十分な性能に加えて、後続の急流と同じパワーになる能力まで持っている。間違いなく恐竜デッキのエースアタッカーとして機能してくれる1枚!

 そしてもう1種は《ギシャスの初子、イツキンス》。あの太陽の化身と呼ばれるギシャスの子どもとは、なんだかグッとくるじゃないか。このイツキンスは2マナ2/3、追加で2マナ払うと最もパワーの高い恐竜が対戦相手のクリーチャーに向かってダメージを飛ばす。最低でも4マナ2/3+2点除去、他に頼りになる恐竜の先輩がいれば除去性能は上昇。とりあえず入れておけば柔軟な働きを見せてくれそうだな。

 そしてこいつが要注目、大本命!恐竜界にニュースター誕生か?《好戦的な槌頭》の登場だッ!3マナにして6/6、尋常ならざるボディの持ち主!こいつには勿論でメリットが与えられているのだが、それはクリアしやすい低めのハードル。これ以外に恐竜をコントロールしていれば問題なく攻撃可能で、いなければ麻痺カウンターを得て1ターンのアンタップ飛ばし。恐竜でデッキを埋め尽くしてやれば何の問題もなくガンガンとブン殴っていけるというわけだ。バリバリに武闘派なこの恐竜、好き放題暴れさせてやるデッキを作るのは我々の義務かもしれないな。もちろん先に紹介した《好戦的な一年仔》との相性は抜群なことこの上なし。

 超強力な3マナ域が増えたことで、手数をいかに稼ぐかが重要になってくる。《イクサーリの伝承守り》はそんなニーズに完璧に応える1枚。1ターン目伝承守り→2ターン目槌頭という動きは今後の恐竜デッキの鉄板ムーブとなるだろう。他にも4マナ以上に強力なものがひしめく恐竜らを、1ターンでも早く展開できる。恐竜主体のデッキにマナクリーチャーを採用するならまずはこの伝承守りからスタートってことだな。

岩SHOW - 「グルール・ダイナソー(仮)」
スタンダード (2023年11月9日)[MO] [ARENA]
4 《銅線の地溝
4 《カープルーザンの森
4 《落石の谷間
4 《不穏な尾根
2 《魂の洞窟
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《
2 《
-土地(23)-

4 《イクサーリの伝承守り
2 《剛胆な古生物学者
4 《好戦的な一年仔
2 《ギシャスの初子、イツキンス
4 《好戦的な槌頭
2 《温厚な襞背
2 《巨大焦がし大口
1 《統一の詩人、ファートリ
4 《猛り狂う猛竜
1 《骨集めのドラコサウルス
1 《パラ二の孵化者
4 《嘶くカルノサウルス
1 《コグラとイダーロ
1 《地鳴りのモンストロサウルス
-クリーチャー(33)-
2 《イクサランへの侵攻
2 《髑髏胞子の結節点
-呪文(4)-

-サイドボード(0)-

 ここまで紹介してきた注目の恐竜らを中心に、赤緑の2色にまとめた「グルール(赤緑)ダイナソー」のサンプルリストだ。槌頭でデメリットなく攻撃することを狙って、クリーチャーをズラリと33枚!(そのうち恐竜は26枚)かなり偏った形だが、これぐらいの開き直りが環境初期には効果的ではないかなと。それにほぼクリーチャーデッキではあるが、イツキンスや《嘶くカルノサウルス》の能力でクリーチャーやプレインズウォーカーの除去も行える。これ自身も7/6トランプルとマナが伸びた終盤には戦力になってくれるし、頼れるヘビー級の恐竜が増えたものだ。

 槌頭やカルノサウルスなど高パワーの恐竜と相性の良い《髑髏胞子の結節点》。クリーチャーのパワーを倍にする攻めのカードであり、同時に強烈な除去耐性もデッキにもたらしてくれる。死亡したクリーチャーらのパワー/タフネスの合計値を持ったトークンを生成するが、これは恐竜のタイプを持っている。各種恐竜カードとのシナジー(相互作用)も見込めるこのアーティファクトが、早ければ伝承守り→槌頭と動いて3ターン目には繰り出せる。このブン回り、狙うしかないって!

岩SHOW - 「グルール・ダイナソー2(仮)」
スタンダード (2023年11月9日)[MO] [ARENA]
4 《銅線の地溝
4 《カープルーザンの森
4 《不穏な尾根
5 《
6 《
-土地(23)-

4 《イクサーリの伝承守り
4 《好戦的な一年仔
3 《ギシャスの初子、イツキンス
4 《巨大焦がし大口
4 《鎌爪の猛竜
2 《打ち壊すブロントドン
4 《猛り狂うジオダーム
1 《パラ二の孵化者
4 《地揺すりの戦慄大口
1 《地鳴りのモンストロサウルス
1 《養育する鋸背
-クリーチャー(32)-
2 《イクサランへの侵攻
3 《稲妻の一撃
-呪文(5)-

-サイドボード(0)-

 今回はオマケでもう一つのリストを。新セットが出たばかりでまだカードもそろい切っていないタイミング。恐竜はアンコモンにも強力なものが沢山いるので、それらを中心にレアと神話レアを可能な限り抑えたリストを紹介だ。これからスタンダードを始める人の参考にもなればこれ幸い。《巨大焦がし大口》に加えて新たな3マナ4/3+妨害能力持ちの《鎌爪の猛竜》、そして帰ってきた《打ち壊すブロントドン》とレアでなくとも強力な布陣で早いターンからプレッシャーをかける。《地揺すりの戦慄大口》のドローで息切れを防ぐ作戦も、中速デッキなどを相手にした時に功を奏するかも。

 これからスタンダードをはじめるにあたって、やはり多色土地を集めることが一つのハードルになってくるだろう。新規プレイヤーには、なるべく新しいセットに収録されている土地から集めることをオススメしよう。スタンダードで使える期間が長いものを持っていた方が後々お得だからね。恐竜デッキのため2色以上を得られる土地を集めるなら、ちょうど最新セットに含まれている《不穏な尾根》からスタートするのがベターかな(あくまで個人的な意見として)。逆に使用可能期間が最も短いのは《落石の谷間》。他Ⅱ種も含め、それぞれにメリット・デメリットが異なるので、自分が組みたいデッキにとってどの土地が適しているかを見定めて、楽しいスタンダードライフを送ってほしいね。

 本日のスタンダー道、基礎稽古は以上だ。イクサランを目前にして、身も心も温まってきたところだろう。さてここから応用稽古といこうか、体力がもつ限りとことん付き合うぜ!じゃあ、ひといきついたらまた稽古場(デュエルスペース)で!

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