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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ターボ・ダイナソー:レックスとエターリ、2大恐竜王(スタンダード)
『イクサラン:失われし洞窟』のリリースがいつの間にか迫っている。中南米がモチーフとなっており、マヤ、アステカ、インカといった文明の雰囲気を漂わせた世界観は多元宇宙でも唯一無二のもの。
そしてこの次元の最大の特徴は……何といっても恐竜!この次元では太古のままの自然が大陸を覆っており、大小様々な恐竜が闊歩している。エルダー(古老)とも呼ばれるような悠久の時を生きた個体もおり、太陽帝国の人類は恐竜たちと共に生きている。胸が躍る設定ではないか!前回イクサランを舞台としたブロックの際にも多数の魅力的な恐竜カードが登場し、恐竜好きな少年少女の心を忘れないプレイヤーの心を鷲掴みにしてくれたものだ。次期セットにも雄叫びしたくなるような恐竜が含まれているはず!未だそれらを手に取ることは出来ないが、現行スタンダードにおいてこれぞ「恐竜デッキ」と呼ぶにふさわしいリストを作り上げていた猛者の姿を目にしたので、皆にも太古のロマンを味わっていただこう。
3 《ジアトラの試練場》 3 《銅線の地溝》 3 《憑依された峰》 3 《落石の谷間》 2 《眠らずの小屋》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 3 《沼》 1 《山》 3 《森》 -土地(24)- 4 《木苺の使い魔》 4 《魅力的な悪漢》 2 《苔森の戦慄騎士》 3 《装飾庭園を踏み歩くもの》 2 《ガイアの眼、グウェナ》 2 《グリッサ・サンスレイヤー》 3 《開花の亀》 2 《ウィンドグレイスの魂》 3 《ティラナックス・レックス》 3 《原初の征服者、エターリ》 -クリーチャー(28)- |
2 《喉首狙い》 2 《執念の徳目》 2 《多元宇宙の突破》 2 《ゼンディカーへの侵攻》 -呪文(8)- |
1 《裏切りの棘、ヴラスカ》 2 《沈黙を破る者、スラーン》 2 《切り崩し》 2 《魔女跡追いの激情》 2 《石術の連射》 2 《羅利骨灰》 1 《豪火を放て》 -サイドボード(12)- |
このリストを単にランプと呼ぶか恐竜!ダイナソー!と形容するかは人それぞれ。主義主張はさておき、目指すところはランプのそれである。土地をライブラリーなどから戦場に出す呪文や能力を用いて、対戦相手とマナの格差を作りだす。2マナ以上引き離せれば、毎ターンのアクションには大きな差が生じる。6マナ以上のパワーカードを叩きつけ、その力でねじ伏せる!重いカードをより強く確実に運用する、重戦車のようなアーキタイプだ。
現スタンダードのランプは《ゼンディカーへの侵攻》《開花の亀》などのカードを用いる。最も一般的なマナ加速は《装飾庭園を踏み歩くもの》!これも立派な恐竜だな。3マナ4/4警戒とパワフルなスペック、土地を1枚増やす堅実なマナ加速っぷり。土地が7枚以上出ていないと戦闘に参加できないが、《ゼンディカーへの侵攻》と流れるように動くことで早くから戦闘面でも頼りになる存在に。
この土地を戦場に出すための手段として《ウィンドグレイスの魂》も採用されている。久しぶりにその姿を目にする1枚だ。戦場に出るか攻撃すると墓地から戦場に土地を出す、《開花の亀》と同様の方法でランプデッキを高マナ域へと後押しする。その亀との組み合わせも見事なもので、亀で切削して墓地に土地を満たし、それらをまとめて回収してバンバンとマナ生産地を拡大していく。この2枚目で攻めていく動き、一度は真似してみたくなる魅力があるなぁ……《耐え抜くもの、母聖樹》《ジアトラの試練場》など能動的に墓地に落とせる土地も組み合わせて、恐竜らが闊歩するフィールドを作り上げよう。
さて、マナを伸ばしてやること…それが恐竜!いずれも7マナの超絶パワーカードだ。《ティラナックス・レックス》は緑のトリプルシンボルの7マナと重いコストながら、これでもかと強い能力を詰め込んだ、とにかく黙って使えばその強さがわかる!という感じの大砲だ。パワー8のトランプル、単純なダメージもさることながら毒性4というのが凄まじく、レックスを2ターン連続で叩きつけて攻撃するだけで簡単に10個以上の毒を与えて勝利することができてしまう。5ターン目などにこのレックスを走らせられれば、護法も相まって限りなく確実に近い形で攻撃を通せる。レックスとはティラノサウルス・レックスのそれと同じで王の意味。まさしくこれぞ恐竜の王様という性能だ。
そして《原初の征服者、エターリ》7マナ7/7トランプル、こちらもヘビーなボディにさらに2つの呪文がおまけでついてくる。対戦相手と自分のライブラリー、何が追放されるか次第だが……7マナが合計20マナくらいに化けることもあり、理論上なんでもできる大逆転カードだ。また変身すれば《原初の病、エターリ》に。これも大量の毒を一気に与えられて、しかも破壊不能。対戦相手の戦場を気にせずにつっこませれば、豪快なワンパンKOも狙える。1枚で勝ててしまう、強さと気持ちよさを併せ持ったレックスとエターリ、これら恐竜王たちがこのデッキの主役だ!
ここまで緑と赤のカードしか紹介していないが、このリストには黒も含まれている。その理由はクリーチャー除去で重い恐竜らを唱えるまでの時間を稼ぐこと、3マナ以下にも優秀なクリーチャーを備えてデッキに柔軟性を持たせることなど含まれているが、この黒だってしっかりと重いカードを備えたランプらしさを体現しているのも事実。《多元宇宙の突破》はレックスやエターリらをライブラリーから墓地に落としてリアニメイトする。打ち消されたり除去されたりしたものを拾う手段としても優秀だ。何せこれ1枚で対戦相手のクリーチャーやプレインズウォーカーもいただけるのだから。
この突破ほどの瞬発力はないが《執念の徳目》も毎ターンのリアニメイトで恐竜らを墓地で眠らせない。こちらは《ロークスワインの嘲笑》としても唱えられるため、最序盤を支える1枚としてもカウントできる。マナ加速としての緑は外せないとして、赤以外に黒も選択肢として考慮すべきものであることは間違いないようだ。
以前にイクサラン次元を訪れた際、そこにいた恐竜らは白・赤・緑の3色が中心だった。既に公開されている《暴走暴君、ガルタ》を見る限り、次のセットにも緑や赤に超巨大な恐竜がいることを期待して問題ないようだね。マナを伸ばして恐竜を降臨させる、わかりやすい戦い方で頂点を目指す。そんなランプと呼ぶかどうかは自由だが、個人的には恐竜愛をこめて「ターボ・ダイナソー」という具合に呼びたいね!良いデッキ名が思いついたら共有してね!
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