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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
鏡ストーム:最強カード《ヨーグモスの意志》に願いを……(ヴィンテージ)
なに?この回が掲載されるのは10月23日予定?だったらもうすぐあのイベントまで……1ヶ月ってところじゃないか!あのイベント、そう、「プレイヤーズコンベンション愛知2023」!昨年11月より再開された日本国内のマジックのお祭り。もうあの日から1年か……早いものだ。
今回の会場は初回開催と同じ愛知スカイエキスポ。そこで開催されるトーナメントの1つが……完全招待制、日韓各地の予選を勝ち抜いたプレイヤーのみが参加できるチャンピオンズカップファイナル。こちらはパイオニアにて開催される。生放送でプロツアー参加権利を巡る熱戦を見届けよう。それから日曜日にはオープンイベントが開催される。こちらは誰でも参加可能で、フォーマットはスタンダード。『イクサラン:失われし洞窟』リリースから1週間後というスケジュールで、エキサイティングなトーナメントとなること間違いなし!
そして……お祭りらしさを感じられるのは2023 Asia Eternal Weekend!エターナルの名の通り、アジアの地におけるエターナル環境のチャンピオンを決めるトーナメントだ。エターナル、即ちレガシーとヴィンテージ。僕もこの大会の運営に携わるスタッフとして会場に赴き、フィーチャーマッチの熱戦を見届ける立会人を務めさせていただくことになっている。今から楽しみだ!
というわけで今回はエターナル環境の中でも、ヴィンテージのデッキを紹介させていただこう。使用可能なカードはマジック30年の歴史の中のほぼすべてという、デッキ構築のハードルが高いフォーマットではあるが……自分で参加せずとも、古のヤバいカードと最新鋭のスマートな能力が共演するデッキ同士の対戦は、胸が躍るものだ。そんな激熱なヴィンテージより、今回紹介するデッキはこちら!
2 《汚染された三角州》 4 《Underground Sea》 1 《トレイリアのアカデミー》 4 《ウルザの物語》 -土地(11)- -クリーチャー(0)- |
3 《狼狽の嵐》 4 《意志の力》 3 《激しい叱責》 1 《ブラック・ロータス》 1 《Mox Pearl》 1 《Mox Sapphire》 1 《Mox Jet》 1 《Mox Ruby》 1 《Mox Emerald》 1 《水蓮の花びら》 1 《魔力の墓所》 1 《魔力の櫃》 1 《太陽の指輪》 4 《暗黒の儀式》 1 《Ancestral Recall》 1 《渦まく知識》 1 《思案》 1 《ギタクシア派の調査》 1 《嘘か真か》 4 《ロリアンの発見》 1 《ネクロポーテンス》 1 《悪魔の教示者》 1 《吸血の教示者》 1 《神秘の教示者》 1 《師範の占い独楽》 3 《鏡に願いを》 1 《ヨーグモスの意志》 1 《苦悶の触手》 1 《修繕》 1 《精神の願望》 1 《ボーラスの城塞》 1 《Time Walk》 1 《多用途の鍵》 1 《Time Vault》 -呪文(49)- |
3 《ダウスィーの虚空歩き》 2 《蒸気の連鎖》 2 《ハーキルの召還術》 1 《切り崩し》 1 《四肢切断》 1 《真髄の針》 1 《思考囲い》 1 《トーモッドの墓所》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 1 《島》 1 《沼》 -サイドボード(15)- |
ヴィンテージには一部の例外的な存在を除いて、禁止カードというものがない。その分、制限カードというものが設けられており、これが他のフォーマットとヴィンテージの一線を画している。超強力なパワーバランスを崩しかねないカードは、デッキに1枚のみしか採用出来ないという制限カードに指定される。逆に言えばどんなデンジャラスなカードも、1枚のみならプレイすることを許してもらえる。古の《ブラック・ロータス》や《Ancestral Recall》など、パワーバランスも何もない、黎明期ならではのぶっ壊れカード……通称パワー9も使用できるため、特にオールドファンからの支持を集めているフォーマットだ。
制限カードは数あれど、その中でも激ヤバと呼ぶにふさわしいモースト・デンジャラスな1枚……《ヨーグモスの意志》、という意見に賛同してくれるプレイヤーは少なくないはずだ。およそ25年前のこのソーサリー、それがもたらすのは……ターン終了時まで、墓地のカードをプレイ可能というとんでもない恩恵だ。プレイということで、墓地にある土地を戦場に出したり呪文を唱えたりすることができる。たった3マナでカードタイプを問わずに再利用できるというのは、今でも桁違いのカードパワーだ。
先にも挙げたようにヴィンテージでは形で過去のとんでもないカードや、あるいは《思案》のような軽いドロー及びサーチ呪文が制限カードとなっている。1枚、つまり1回こっきり。《ブラック・ロータス》は生け贄に捧げて3マナ加え、《Ancestral Recall》を使い捨てることで3枚ドローできる。《ヨーグモスの意志》はこの前提を崩壊させる。一度使ったロータスを拾ってまた3マナ、Recallで3ドローおかわり、こんなのなんでもありすぎるだろと。強いものは1回で満足するな!ヨーグモスの強い意志がうったえかけてくる。これが唱えたくてヴィンテージを続けている方もいらっしゃるに違いない。
さて、当たり前だが《ヨーグモスの意志》自身も制限カードである。この至高の1枚を唱えるために、《悪魔の教示者》などのサーチを用いるのが実にヴィンテージらしいリストなわけだが、そのサーチのスロットにこの秋より新たに加わっているのが《鏡に願いを》だ。黒マナ3つに4マナと重いコストが目立つが、協約込みで唱えられればライブラリーから引っ張ってきたカードをそのまま唱えられる。ヴィンテージであればこの協約のための生け贄は《Mox Jet》など各種Moxや《魔力の墓所》といったアーティファクトがズラリとあるので困らない。唱えるためのマナもこれらから得られるし、生け贄に捧げるということは墓地に落ちるということなので、意志から再度唱えられるのでむしろ喜んで捧げたいところだ。不思議なものだ、手放した方が結果的に得をする……マジックには人生の哲学が感じられるよね。
この手のデッキのフィニッシュは数あれど、やはり手っ取り早いのは《苦悶の触手》だ。そのターンに唱えられた呪文の数だけコピーされるストームという超強力能力!墓地を拾って唱えなおして、グルグルしていればあっという間にストームを9つ以上稼ぐことが可能で、チュルッと20点以上のライフを吸い取ってフィニッシュも難しいことではないのだ。《鏡に願いを》からこの触手に繋げる動きも超強い!このデッキはまさしく「鏡ストーム」なのだ。
他には2枚のスロットを割くだけで成立する無限ターンコンボ、《多用途の鍵》《Time Vault》の組み合わせも。《Time Vault》はタップ状態で戦場に出て、通常の形でアンタップはされない。自身の次のターンを飛ばすことでのみアンタップできるという重いコストを払って、Vaultをタップして追加ターンを得るという大きな報酬を得られる。《多用途の鍵》などのアーティファクトを継続的にアンタップできるカードと組み合わせれば、毎ターン何の労力もナシにガシャガシャやってるだけで無限ターンだ。強すぎる故に打ち消されたりすることは当然というこれらのコンボパーツ、まとめて《ヨーグモスの意志》から揃えるという荒業だってあるぞ。
25年前の超強力カード《ヨーグモスの意志》と、最新の面白カード《鏡に願いを》の組み合わせ。これを体験できるフォーマット、ヴィンテージ。歴史が混ざり合う、時間の概念が取っ払われたこの環境。興味が出てきたんじゃないのかい?いつか君もエターナルな週末に遊びにおいでよ!
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