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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セレズニア・トークン:僻境で生きる野うさぎの実力!(スタンダード)

岩SHOW

 呪いによる眠り、森に潜む者たち……マジック最新セット『エルドレインの森』がついに9月6日にMTGアリーナでリリース、そして9月8日に発売日を迎えた。待ちに待った……待ちに待ち続けていたスタンダードの新セット!新たなカードが加わることで、マジックの定番の構築フォーマットであるスタンダードがより一層広がる!この時を望みながら夏を乗り越えた、同士たちよ!秋はエルドレインを遊びつくそうではないか!

 というわけで早速新環境のデッキを紹介&簡単なプレイ・レポートを添えさせていただこう。まずはエルドレインの闇に挑むその前に、ファンシーな領域から触れていくということで……

MTG_Joe - 「セレズニア・トークン」
スタンダード (2023年9月2日)[MO] [ARENA]
4 《低木林地
4 《剃刀境の茂み
4 《草茂る農地
2 《ミレックス
1 《皇国の地、永岩城
1 《耐え抜くもの、母聖樹
5 《平地
4 《
-土地(25)-

4 《祝祭の出迎え
4 《花粉盾の兎
4 《威厳あるバニコーン
2 《国王ダリアン四十八世
1 《夜明けの空、猗旺
-クリーチャー(15)-
2 《スクレルヴの巣
4 《婚礼の発表
4 《狩人の贖罪
2 《大衆蜂起
4 《忠義の徳目
4 《収穫祭の襲撃
-呪文(20)-

-サイドボード(0)-
Twitter より引用)

 

回転

 SNS上で見つけたデッキ案「セレズニア(白緑)・トークン」をご紹介。白と緑の2色にはお馴染み、伝統的なトークン戦法。カード1枚から複数体のトークンを展開できるものを用いて戦場を構成し、攻めていく。この戦術の強みは、単体除去への強み。カード1枚から2体3体とトークンが展開されているところに単一の対象のみを破壊する《喉首狙い》などを撃ち込んで対処しても、カードの枚数でみると損をしていることになる。単体除去では捌き切れない数のトークンで押すことでそれらにコントロール要素を頼ったデッキを数で圧殺。

 また《太陽降下》のような戦場をまとめて薙ぎ払う全体除去を受けたとしても、トークン生成カードで立て直すことができるのも強みである。《スクレルヴの巣》《婚礼の発表》といった根元を処理しなければうじゃうじゃとトークンが湧いてくるカード、構造上これらに対処できないデッキというものはあるものだ。

 それらのトークンと相性の良い緑のカードにも注目!《祝祭の出迎え》、これの能力をポコポコ生成されるトークンで一気に、そして継続的に誘発させることでマナでもライフでも盤面でも、あらゆる面で有利になゲーム展開に持ち込める。また《国王ダリアン四十八世》はテキストを読んで即理解できる、トークンデッキのお供となるべく作られた1枚。トークンらをまとめて強化して制圧力を後押ししつつ、それらのトークンが《兄弟仲の終焉》などで流されることを防いでくれる保険にもなる。ダリアン1人でもトークン生成より戦場を立て直せる、ロングゲームにおいても頼もしい国王陛下だ。

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 さて、このトークンデッキの主力となるのがエルドレインのかわいい要素の中核、兎たちだ。おいおい、かわいいだけじゃマジックの厳しい戦場じゃ生き残れないぜ……と気安く撫でようとしようものなら、この兎たちは噛みつき蹴とばしを喰らわせてくる!エルドレインの僻境の厳しい自然を生き抜く力を持ったパワフルな野生動物なのだ。

 バニコーンはトークンをばら撒くデッキであれば勝手にガンガン大きくなる。簡単なことだよな。花粉盾はトークンを強化するし、出来事もトークンを並べれば大ダメージに繋がる。これまた簡単なことだよな。というわけで毎ターンマナを効率よく使って可能な限りトークンを並べ(全体除去はケアしつつ)、対戦相手を攻める。非常に分かりやすく、シンプルにしてストロングなデッキなので初心者にもオススメできるものになっているッ!

 では、ここからはプレイしてのレポートを。エルドレインがアリーナでリリースされたと同時にログイン、夜更かししながらパックを剥いてカードを確認し、デッキ構築。至福のひと時だ。実際のところ今回紹介した新カードである兎達は……幸運なことにパックから飛び出してきてくれたもので概ね揃った形に。ただ上記のリストを完全再現はできなかったので、自分の手持ちと相談でそれっぽいリストを組んでみた。こういったカードが十分にない中での構築というのも、何かの参考になるかもしれないということで。

岩SHOW - 「セレズニア・トークン(岩SHOW ver.)」
スタンダード (2023年9月7日)[MO] [ARENA]
4 《剃刀境の茂み
4 《低木林地
4 《草茂る農地
1 《舞台座一家の中庭
1 《スパーラの本部
1 《皇国の地、永岩城
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《ミレックス
3 《平地
3 《
-土地(24)-

4 《祝祭の出迎え
4 《威厳あるバニコーン
3 《花粉盾の兎
2 《やんちゃなアウフ
2 《国王ダリアン四十八世
1 《ルアダッハの女王オーリナル
1 《ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ
1 《エリシュ・ノーン
1 《信仰を穢すもの
2 《荒々しい三つ子
-クリーチャー(21)-
4 《スクレルヴの巣
4 《婚礼の発表
2 《狩人の贖罪
1 《大衆蜂起
3 《放浪皇
1 《大天使エルズペス
-呪文(15)-

-サイドボード(0)-

 手持ちの既存カードと合わせて組んだ「セレズニア・トークン」のサンプルだ。実際に使ってみて……兎2種、どっちも使いやすくてメチャ強い!わかりやすくてプレイに迷うことがない。やっぱり2マナで高打点に繋がるクリーチャーってのは偉大だね。《スクレルヴの巣》《ルアダッハの女王オーリナル》《ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ》《大天使エルズペス》などなど……トークンを繰り出しそれとシナジーを形成するカードの強さを見直す良い機会にもなった。巣から出てくる犬猫はかなりやりよる。

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 新カードで実際に使ってみて、イメージしていたよりもずっと使いやすかったのは《狩人の贖罪》だ。以前のエルドレインの物語で呪われた身体でやって来たガラクのことを記した英雄譚、これはトークンを生成してパーマネントの頭数を増やすという最低限の役割を果たしつつ、Ⅱ章能力に捧げるクリーチャーはダニや兵士、人間などいくらでも選択肢があるのでビーストを温存することが可能で、その上でクリーチャーや基本土地を持ってこられる便利さ。特に土地が詰まって展開が滞って負け、という事態を防げるのは現代マジックにおいては重要視すべき点。

 そしてⅢ章能力でのクリーチャー2体にトランプル、これが偉すぎる!バニコーンや強化されたトークンなどに貫通力を与えることで、相手側もトークンを使って粘ってくるデッキだった場合でも安心して大ダメージを叩き込める。これがあるとないとでは大違い。最終的にはこれも4枚欲しいなと、そう思わせるだけの実力は感じる1枚だったなぁ。

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 それから、カードが揃ってないなりに何らかの新カードを使いたいなと投入した《やんちゃなアウフ》。見た目以上の働きという点ならこいつもなかなかだ。協約能力でトークンを生け贄に捧げるのはイメージしていたよりもずっと楽なことで、2マナでサクッと対戦相手のエンチャントorアーティファクトを追放してしまえるお手軽さがナイス。こういうカードがあるとデッキの引き出しが拡がるね。それこそ《狩人の贖罪》を採用するのであれば、潜ませておきたい。見た目もインパクトがあって、プレイしていての楽しさもある。コモンで手に入りやすいので、ワイルドカードが足りない時期には超助かる!

 イメージしていた通り、シンプルで分かりやすく、それでいて強いエルドレインの兎達。どんなデッキを作ればそのポテンシャルを引き出せるのか、初心者が見てもわかりやすく、マジックに慣れたプレイヤーでも考えながらデッキを組む楽しさがある、素晴らしい白と緑の森の住人。さあ、戦場をもふもふ&トークンで埋め尽くそう!

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