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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

スタンダードを振り返る&考える:緑単ランプ(スタンダード)

岩SHOW

 『エルドレインの森』リリースまでもうあとわずか。今週にはプレリリースも始まり……いやぁ待ちに待ったこの瞬間が遂にやってくる!スタンダード、新環境!夏の間は他のフォーマットをプレイしていたという面々も、新セットのリリースでスタンダードのモチベーションが再燃しているんじゃないかな?新セットに皆の注目カードはあっただろうか。それを取り入れた新環境のデッキ案、これを考えている時こそがマジックの醍醐味!

 今週のデイリー・デッキも現スタンダードのデッキを振り返りつつ、新スタンダード環境のデッキを考えることを中心にやっていくので、どうぞヨロシク!それじゃあ早速いってみよう!

Cludd26 - 「緑単ランプ」
Powimbleton XI トップ4 / スタンダード (2023年8月5日)[MO] [ARENA]
2 《自然の聖域、アルゴス
22 《
-土地(24)-

4 《硬化した屑鉄喰らい
3 《ラノワールの壌土語り
4 《ふくれた汚染者
1 《ガイアの声、ティタニア
2 《進化したスパイノダーム
3 《活力を穢すもの
2 《ヴォリンクレックス
1 《沈黙を破る者、スラーン
2 《ティラナックス・レックス
1 《古の放漫トカゲ
-クリーチャー(23)-
3 《森林の目覚め
2 《緑の太陽の黄昏
3 《イクサランへの侵攻
3 《ゼンディカーへの侵攻
2 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(13)-
2 《尾の強打
2 《精霊信者の力
2 《星界の飢餓
2 《機能不全ダニ
1 《温厚な襞背
2 《進化する適応体
2 《クウィリーオンの獣呼び
2 《タイヴァーの抵抗
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

回転

 こちらは現スタンダードの緑単色デッキ。使用者数は多くはないが、緑好きのハートをしっかりつかむ要素が現スタンダードにはあり、一部の愛好家が一時期トーナメントの表舞台に出てきて、狭い界隈ではあるが盛り上がったものだ。カッコよくて強い《ヴォリンクレックス》を抱える緑。その単色デッキの中でも、このリストはアグレッシブに攻める要素も備えつつ、ランプと呼ばれる大振りの構成になっている。

回転

 ランプという戦術及びアーキタイプ名の由来には諸説あるが、英語の動詞「ramp up」が「○○を増やす」などの意味があり、緑の土地をライブラリーや手札から出すカードを用いてマナを増やし、マナ総量の大きい呪文を叩きつけてカードパワーで戦うデッキのことをランプと呼ぶ。ビッグマナとかそういう風にも呼ばれるね。

 スタンダードであれば《ゼンディカーへの侵攻》を備えたデッキはまさしくランプ!4ターン目に土地を6枚に増やし、続くターンで手札から土地を出せれば計7マナ。相当な強さの呪文を唱えられることになる。また緑単のランプでは《森林の目覚め》も併用するリストがある。森であり1/1のドライアドであるトークンをX体戦場へ。クリーチャーなので除去される危険はあるが、それでも強力なマナ加速。ドライアドらが生きて次のターンを迎えれば、リスクに見合ったリターンが得られる。

 こうして増やしたマナから唱えるのは……《ティラナックス・レックス》のようなパワーカード達!1枚でゲームに勝てるパワフルな実力の持ち主をガンガン展開し、圧倒するのが理想の流れ。特に《向上した精霊信者、ニッサ》は緑単でこそその真価を発揮する強烈な1枚。トークンを生成したり、エンチャントorアーティファクトを破壊したり……これも強いが、緑単だと森の数だけ全クリーチャーを強化する[-7]はメチャ強!《森林の目覚め》から森をばら撒きつつ、それらを強化して薙ぎ倒す。この2枚コンボが好きでたまらない、そんな緑単ユーザーも少なくないはずだ。

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 さて、『エルドレインの森』。森というタイトルからどうしても期待が高まってしまうのは緑愛好家の性だろうか?このセットの緑のカードの中で、当原稿作成時点で公開されているものの中でも注目となると……《雷落としの幕開け》。このド派手な大砲、ランプデッキで使えと言わんばかり!

 8マナと高コストながら、参照範囲はライブラリーの上から20枚と広大。この中からクリーチャーカードを2枚戦場に出せるのだが……それには条件が。協約という追加コストを要求する能力に応えねばならない。アーティファクト、エンチャント、あるいはトークンを生け贄に捧げるという協約。一体使い勝手はどのようなものになるか?これは現時点では妄想でしか話せないな……でもまあ、パッと思いつくのは先ほどから触れている《森林の目覚め》。これで8マナと生け贄用のトークンをまとめて用意するのはなかなかスマートなやり方に思えるね。ティラナックス2体をまとめて出して、二撃毒殺を決めたいものだ。

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 またランプデッキにとって重要なマナ加速カードしては《木苺の使い魔》が気になる!2マナ2/2とマナクリーチャーにしては戦闘も出来るスペックで、扱いやすさに期待が持てる。

 この使い魔は出来事能力で《初めてのお使い》としても唱えられる。7マナでこれまたライブラリーからクリーチャーやエンチャントを出せるチャンスがあるソーサリーだ。確実性はそれほど高くなく、空振りする可能性もある。そもそもマナ効率が良いわけでもない。でもランプデッキのあるある「ゲーム終盤にマナ加速を引いて使い道がない」という状況を少しでも回避できるカードというのは、それだけでグッとくる。

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 ランプデッキでよく使われる3マナ圏に《装飾庭園を踏み歩くもの》がある。このスロットに置き換わるかはわからないが、《僻強からの帰還》も良い選択肢になるかもしれない。土地を戦場に出しつつ、人間か食物のトークンを得られる。協約のコストでもあり、ブロックしたりライフ回復で時間を稼ぐことができるこれらのトークン、活かしきる構築を目指して運用したいところだ。いざとなれば人間と食物の両方を得ても良いし、面白いカードになるんじゃないかな。

岩SHOW - 「緑単ランプ(仮)」
スタンダード (2023年8月24日)[MO] [ARENA]
2 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《ミレックス
22 《
-土地(26)-

4 《木苺の使い魔
2 《硬化した屑鉄喰らい
3 《装飾庭園を踏み歩くもの
1 《ポルクラノスの再誕
2 《ヴォリンクレックス
4 《ティラナックス・レックス
3 《産業のタイタン
-クリーチャー(19)-
2 《僻境からの帰還
4 《森林の目覚め
2 《雷落としの幕開け
4 《ゼンディカーへの侵攻
3 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(15)-

-サイドボード(0)-

 というわけで新セットリリース前のお約束、新カード入りのリストをザックリ構築。《ティラナックス・レックス》と《産業のタイタン》というゴールを目指すランプ、わかりやすさを重視した。とにかくマナ加速を駆使して、7マナ以上を加えられるようにしたら、あとはお楽しみの時間。《雷落としの幕開け》で一瞬で勝ったり絶望的な状況から逆転したりと、いつでもゲームをひっくり返せるパワフルさを追求。

 新環境、皆もランプで大暴れしてみないか?ドカンと一発決めてみよう!

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