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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Wild Deck 野生大発見‼象だ、トロールだ、再活性だ!(レガシー)

岩SHOW

 毎週金曜日はクールなデッキをお届けする「今週のCool Deck」をお届けしておりますが、今週は番組を変更して「Wild Deck 野生大発見‼」をお楽しみください。

 こんにちは!多元宇宙の様々なワイルドを探すお時間がまたやってきました。お相手は多元宇宙の探検家、ショーイワです。マジックの部隊である多元宇宙は、2023年夏にまた新たな次元とのクロスオーバーが実現しました。その世界は中つ国。『指輪物語:中つ国の伝承』は世界で最も知られたファンタジー作品とマジックを繋いだのです。サウロンやガンダルフなど広く知られるキャラクターが、マジックのキャラクターと同じ戦場に立つ……これは単なるコラボの域を超えた、歴史的な出来事なのです。

 中つ国の生物や魔法が多元宇宙と混じりあうことでどうなったか?今回はこれを追いかけて新たなワイルドを発見したいと思います!それじゃあこの丘に陣取りましょう。撮影班はキャンプを組んで、ある動物がやってくるのを待っています。かれこれ一週間。ようやくチャンスが巡ってきました。(小声で)向こうの丘を見てください。大きな背中が見えてきました。

 そう、象です。それもただの象ではありません。我々が良く知るアフリカゾウよりも更に巨大で、まるで動く要塞のような……あの象にはいくつか呼び名があります。中つ国に住む人間たちはあの象をムマーク(ムマキル)と呼びます。また、彼の地のホビット達に伝わる歌では《オリファント》と呼ばれています。この言葉は指輪物語の作者であり、古い言語に精通しているJ・R・R・トールキン氏が現在は使われなくなった古英語の象を意味する言葉が由来とされています。また古代ギリシャ語やオランダ語などにも同じようなスペル、響きの言葉が残っており、今日もオリファントという姓の方が欧州にはいらっしゃるそうです。

 我々が待っていた《オリファント》の群れをカメラに収めることができました。あの群れは中つ国からやってきて、モダン環境へと向かっていくようです。いやぁ巨大な象の大群はまさしく壮観です。プロツアー会場を中心に、モダンを遊ぶプレイヤーの元へと辿り着くのでしょう。おや、一部の群れが別の咆哮へと進んでいきますね。そして……。

 さらにオリファントを追いかけて、《カザド=ドゥームのトロール》も群れを成してやってきました!このワイルドな光景をカメラに収めることが今回の目標でした。あのトロールもまた巨体の持ち主で……そして粗暴で食欲旺盛、飢えた危険な生物です。オリファントとトロール、彼らが向かう先は……レガシーです。

koichi oda - 「グリクシス・テンポ」
第81回 マッサンのなんでも放送局 おうちでレガシー 3-0 / レガシー (2023年7月29日)[MO] [ARENA]
2 《沸騰する小湖
4 《Volcanic Island
3 《Underground Sea
1 《Badlands
4 《不毛の大地
-土地(14)-

4 《ドラゴンの怒りの媒介者
4 《オークの弓使い
1 《厚かましい借り手
4 《カザド=ドゥームのトロール
3 《オリファント
3 《濁浪の執政
-クリーチャー(19)-
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《ロリアンの発見
4 《目くらまし
4 《意志の力
4 《邪悪な熱気
1 《稲妻
4 《再活性
-呪文(27)-
3 《紅蓮破
2 《外科的摘出
2 《思考囲い
2 《無のロッド
2 《狂乱の呪詛
2 《激情
1 《火の中へ投げ捨てる
1 《最後の望み、リリアナ
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 中つ国から伝わったカードはモダンだけでなくエターナル環境でも使用可能です。《オークの弓使い》はレガシーでも脅威となっています。何せ《渦まく知識》や《思案》などでカードを引き込んでいく青いデッキが多数を占めている世界ですから。このシンプルな強カードだけでなく、《カザド=ドゥームのトロール》や《オリファント》などの土地サイクリング能力を持った面々も、無視できない影響をこのフォーマットに与えています。

 その影響はどこに出るか?答えはリストを見れば一目瞭然、衝撃の土地総数14枚!元々はレガシーのデッキは土地の枚数は少ないものです。低コストに強く、ゲームを決定づけるカードが多くあるためどの色も土地の総数は他のフォーマットのデッキよりもかなり少ないもの。中でも青いデッキは先にも触れた軽量ドローで土地を引き込めるため、土地1枚の初手でのキープもしやすい。なので、18枚くらいのリストが常識であったりするのですが……14枚という少なさにはレガシーに慣れた人間も驚かされます。それだけトロールやオリファント、そして《ロリアンの発見》ら土地サイクリングが強いという証拠ですね。1マナという軽さで確実に土地を手札に加えられ、そしてレガシーであれば2種類の土地タイプを持つデュアルランドをそのサーチの選択肢に加えられるのですから。

 どちらか片方のタイプがあっていればOKなので、《オリファント》から《Volcanic Island》を、《カザド=ドゥームのトロール》から《Underground Sea》を、という具合に強力な土地を手札に加えることが可能となっています。これで2ターン目に土地が詰まる、という可能性はかなり少ないのではないでしょうか。う~ん、ワイルド!

 土地の総数を減らして土地サイクリングを入れることにどのような意味があるのか?素直に土地を入れても良いんじゃないの?そう感じる方もいることでしょう。しっかりとこれらのカードを用いることには意味があります。

 ライブラリーを微量ではあるものの枚数を減らして圧縮する、《渦まく知識》でライブラリーの上に置いた不要なカードをサイクリングのシャッフルによりライブラリーの中に送り込む、そして墓地にカードが貯まる、これが大きいのです。《ドラゴンの怒りの媒介者》は墓地のカードタイプを参照するので、能動的に墓地に送れるクリーチャーによって狙って昂揚を達成することが可能です。また《濁浪の執政》は墓地を追放する探査能力でマナの支払いの代わりにできます。土地サイクリングはさながらカード1枚で2マナ分の働きをするということですね!

 そしてレガシーならではのワイルドなムーブ、それが土地サイクリングしたクリーチャーを《再活性》で釣り上げる!このリアニメイト、2ターン目に狙えるのでオリファントなりトロールなり釣り上げて、2ターン目に高打点を確保できます。特にトロール、クリーチャー3体によってしかブロックされないこれは実質アンブロッカブルのようなもの。ワイルドすぎるイージーコンボで、一気に勝負を決めましょう!

 いかがでしたか?中つ国は我々の知らないワイルドで満ち溢れています。コモンカードにしてこれだけの影響力!集めるのも簡単なこれらのカードで、あなたのデッキにワイルドさをプラスしましょう。それでは、また多元宇宙のどこかでお会いしましょう!

(夕日をバックにオリファントがいななき、月に向かってトロールが咆哮するカットが流れて終了)

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