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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今こそ!熱きバーンの魂を見よ!(モダン&スタンダード)

岩SHOW

 今日もモダンのデッキ、行くぞッ!灼熱の夏に相応しい、血沸き肉躍る大激闘がバルセロナで繰り広げられる!「プロツアー・指輪物語」へ向けて、モダンのデッキを紹介だ~ッッ!というわけで今回は猛暑の中でのトーナメントでプレイするにはもってこい?激熱で爆裂なデッキを紹介しよう!

AvocadoToast - 「ボロス・バーン」
Magic Online Modern Preliminary 3-1 / モダン (2023年7月26日)[MO] [ARENA]
2 《血染めのぬかるみ
2 《樹木茂る山麓
2 《乾燥台地
2 《聖なる鋳造所
1 《沸騰する小湖
4 《感動的な眺望所
4 《灼陽大峡谷
1 《焦熱島嶼域
2 《
-土地(20)-

4 《ゴブリンの先達
4 《僧院の速槍
-クリーチャー(8)-
4 《稲妻
4 《裂け目の稲妻
4 《批判家刺殺
4 《焼尽の猛火
4 《溶岩の撃ち込み
4 《ボロスの魔除け
4 《頭蓋割り
4 《乱動する渦
-呪文(32)-
3 《虚空の杯
3 《ヴェクの聖別者
3 《コーの火歩き
2 《流刑への道
2 《極上の炎技
2 《粉々
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 バーンデッキ!これぞマジックの長い歴史の中で燃え続ける、業火の如き超高温アーキタイプだ。赤が得意とする《稲妻》などのダメージ呪文。これを対戦相手に撃ち込み続けて、速やかにライフをゼロにする。誰から見てもわかりやすいデッキだ。

 わかりやすい、即ちマジック初心者が使用するケースも多く、そのため「簡単なデッキ」と思われがちというのもバーンの宿命かもしれない。実際のところ、バーンで1ゲームを勝つのは簡単でも、継続して勝利してトーナメントで結果を残すことは他のデッキと同様簡単ではない。確かに相性でサクッと勝つこともあるが、その印象だけでバーンをイージーと断じてはいけない。そもそも楽勝で勝てるデッキだったら全員が全員バーンを使っているよね。そうでないということは明確な弱点があると言うこと……。

 もうきっぱり言ってしまえば、「ライフ回復をされるとキツい!」シンプルにこれ。《稲妻》は1マナで3点ダメージ、マナ効率に滅茶苦茶優れている。しかしその3点のダメージを与えるためだけに手札を1枚消費していることを忘れてはならない。ライフを回復されるということは、即ち手札の浪費が無駄になってしまうということ。《創造の座、オムナス》のような複数回ライフを得るようなカードはマジ勘弁。それから《神聖の力線》のようにプレイヤーを対象に取れなくなると、バーン呪文でライフを詰められなくなってこれまたシンドイ。最近だと《一つの指輪》によるプロテクションで延命されることもあり、こういった難敵を押し退けてライフを削り切るのは努力と計算なしでは起こりえない。幸運にも恵まれないとね。

 上記のような天敵に対するアンサーになり得るのがクリーチャーだ。手札を消費するバーン呪文程の爆発力はないにしても、低コストの速攻持ちクリーチャーも十分にダメージに貢献する。何より複数回攻撃出来れば、手札の消費が抑えられる。スタンダードの赤いデッキでもお馴染みの《僧院の速槍》、そしてモダンのバーンと言えばやっぱり《ゴブリンの先達》!こやつをデッキリストに見つけると、かつてのエースがまだまだ現役でやっていることにちょっと嬉しい気持ちになれる。1マナ2/2速攻、文句のない最高のスペック!デメリットとして付与されている攻撃時誘発能力も、場合によっては相手に恩恵をもたらさず、対戦相手のデッキや次に引くカードが何なのかという情報をもたらしてくれる、こちらにとってのプラスにも働いてくれる。これら1マナ速攻持ちで攻撃しつつ、バーン呪文を消費していくのが理想の展開。

 そしてここが重要で、攻撃を通すために対戦相手のクリーチャーにダメージを与えて除去するべきか?あるいは攻撃は控えて対戦相手本体に直にダメージを与えるか?次のターン、その次のターンの相手のアクションまで読んで、どう手札を消費していくのが最も効率が良く勝利へと近づけるのか?こういったことを考えながらプレイしなくては、バーンで勝ちを重ねられないのである。バーンが一番考えるデッキだとするプレイヤーも少なくない。カードをたっぷり引き込めるデッキならミスはカバーできるが、減る一方のバーンじゃそうもいかないからな。《焼尽の猛火》のようなクリーチャー除去と本体ダメージを兼ねるカードはバーンにとっては非常に有難いもの。これらで突破口を開き、最高率のダメージ応酬を目指そう。

 最近のモダンは、先に述べたようなカードらの使用率が高いのでバーンにとっては向かい風。このリストは久しぶりに目にしたバーンになるのだが、そこには流行りのバーン殺しなカードらに対する必死の抵抗が見て取れて、なんだかそれもグッとくる。《頭蓋割り》はそのターンのライフ回復を禁止しつつ本体にダメージを与える。狙いすまして唱えることで、一種の打ち消しのように機能して対戦相手の生存プランを狂わせる!また回復禁止と同じく、そのターン中のダメージの軽減も許さない。これ、《一つの指輪》へのバーン流のアンサーだ。指輪が戦場に出たことで対戦相手はプロテクション(すべて)を得る。これはそのプレイヤーに与えられるダメージが全て軽減されることを意味する。なので、この《頭蓋割り》を……自分に撃ち込む!対戦相手は対象に取れないので苦肉の策だ。自分はダメージを受けるが、ダメージが軽減されなくなるのはプロテクションなど関係なく全てのものに対して適用される!クリーチャーらで攻撃しつつ、捨て身のアクションで戦闘ダメージを無理やり叩き込む……なんて涙ぐましい努力。これぞバーンって感じで、たまらなく好きだな。

 《乱動する渦》はクリーチャーのように継続してダメージを与えられるパーマネントであり、手札切れに強い。そしてこれもライフを得られなくする能力を持っているので、相手のそれに合わせて起動するべし。また、マナを支払わずに呪文を唱えたプレイヤーには5点ダメージという厳しい罰則も与えてくれる。モダンでは《死せる生》や《衝撃の足音》を無理やり唱えるコンボや、《ミシュラのガラクタ》や《悲嘆》といった想起呪文など、マナを支払わずに唱えるのが当たり前のカードなどなど、この罰則が適用されるデッキが溢れている。こっちは真面目にバーンやってんだ!マナを支払わない連中には熱~いお仕置きしてやらないとな。

 バーンは主力がコモンやアンコモン、カードが集めやすいので僕も一時期はお世話になったアーキタイプであり、思い入れがある。熱い思いが伝わっていたら嬉しいし、プロツアーでバーンが上位にきたら、それはもうこの上ない真夏の大花火になるね!

 最後にスタンダードの赤単のリストもオマケで置いて、終わりにしよう。スタンダードではバーンと言い切るほどにライフを直接攻める呪文のバリエーションは多くなく、どっちかというとアグロではあるが……《タルキールへの侵攻》を攻撃して変身させ、次のターンの大ダメージを狙うか?それとも堅実に本体を殴ってダメージを刻んでおくか?というバーン的な選択を迫られるので、頭を捻って最高率を目指して欲しいね。

Kore - 「赤単アグロ」
Magic Online Standard Challenge トップ8 / スタンダード (2023年7月16日)[MO] [ARENA]
17 《
4 《ミシュラの鋳造所
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(22)-

4 《僧院の速槍
4 《血羽根のフェニックス
4 《ロノムの発掘家、フェルドン
2 《血に飢えた敵対者
4 《轟く雷獣
-クリーチャー(18)-
4 《火遊び
4 《稲妻の一撃
4 《ナヒリの戦争術
4 《熊野と渇苛斬の対峙
4 《タルキールへの侵攻
-呪文(20)-
3 《石術の連射
4 《引き裂く炎
2 《兄弟仲の終焉
2 《家の焼き払い
2 《未認可霊柩車
1 《巨大焦がし大口
1 《焦熱の交渉人、ヤヤ
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

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