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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:マーフォークで涼しく快適な夏(スタンダード)

岩SHOW

 心頭滅却すれば火もまたクール、なんて昔の人は言ったけど……そんな簡単なことじゃないって!どうも、金曜日はクールなデッキを追い求めることに全神経を注いでいる、岩SHOWですわ。一気に夏、到来したね。毎年こんなもんだったかな?今年は特に一気に気温が上昇した感が強く、おかげで我が家のリクガメの活性も今まで見たことないくらい高いという良いこともある。ただまあ変温動物は良いけど、我々恒温動物には過ごしにくいのも事実。こんな時はあまり身体には良くないとわかってはいても、詰めたい飲料をグッと流し込みたくなる。キンキンにクールなヤツをね。スポドリ、あるいはビール?麦茶最強!アイスコーヒーも良いな。

 個人的にはあっつい日には……メロンソーダをいただきたいな。カラーリングも涼しげで、あの子どもっぽい味わいも郷愁的で良いんだよな。身も心もクールにしてくれるメロンソーダ、マジックに例えるならば……青と緑の組み合わせ、シミックか。メロンソーダを飲むとなんとなく《ヤヴィマヤの沿岸》も思い出すもんな。

 爽やかなカラーリングであるシミック。この2色で組まれたデッキは他のカラーリングと異なるクセというか、一筋縄ではいかないものが多い。テクニックを備えていたり、圧倒的なサイズや物量で押したり、あらゆるものを鹿に変えたり……一言でまとめるならばまさしくクールが相応しい。シミックカラーのデッキでクールなもの、ちょうど見つかったところだよ。熱気や湿気にやられているなら、このクールなデッキで脳髄しゃっきりさせていかないか?よく冷えてるよ。

「シミック・マーフォーク」
スタンダード (2023年7月13日)[MO] [ARENA]
4 《閑静な中庭
4 《ヤヴィマヤの沿岸
2 《夢根の滝
1 《天上都市、大田原
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《ミシュラの鋳造所
6 《
4 《
-土地(24)-

4 《ヴォーデイリアの呪詛抑え
4 《深根の道探し
4 《スカイクレイブの曲芸士
4 《ヴォーデイリアの精神詠い
3 《潮に仕えるもの、タトヨヴァ
3 《深海の君主、キオーラ
-クリーチャー(22)-
3 《かき消し
2 《消えゆく希望
3 《精霊信者の力
3 《渦巻く霧の行進
3 《タイヴァーの抵抗
-呪文(14)-
3 《機能不全ダニ
2 《方程式の改変
2 《呪文貫き
1 《軽蔑的な一撃
3 《達人の咎め
1 《青の太陽の黄昏
1 《船砕きの怪物
2 《完成化した賢者、タミヨウ
-サイドボード(15)-
Aetherhub より引用)

 

 スタンダード、シミックカラーのマーフォークデッキ!そう、まさかのスタンダードでマーフォークデッキ!モダンを中心に、この部族を用いたデッキは愛好家が一定数おり、目にする機会も少なくないアーキタイプではある。でもスタンダードではめちゃ珍しい!なかなかその姿を拝むことはなかったが、この爽やかメロンソーダカラーは良いね、スッキリと綺麗なリストにまとまっていて、ルックスからも涼感が得られるよ。

 マーフォークが何よりも重んじるのはロードだ。かつて存在したクリーチャータイプのことで、《アトランティスの王》などがこれを持っていた。ロードのタイプ自体は廃止されたものの、特定のタイプを持つクリーチャーに+1/+1修正を与えるもののことをこう呼ぶ風習は残っている。《アトランティスの王》はまさしくロードの中のロードだ。2マナと軽くて全体強化、更に回避能力まで与えてくれる。

 このマーフォークの導き手の遺伝子を受け継ぐスタンダードのロードは《ヴォーデイリアの呪詛抑え》!2マナで全体強化、ロードに求める最低限のスペックを持ちつつ、瞬速持ちなのでブロック指定後や対戦相手のターン終了時などにスルッと滑り込ませてクールに強化。そして、マーフォークらにさらなる価値を付随させる!マーフォーク生け贄で、非クリーチャー呪文に{1}の追加コストを要求する打ち消し!《太陽降下》などの全体除去や《多元宇宙の突破》といったキーカードに対する強烈なアンチテーゼとして、睨みを利かせてくれるクールなロードだぜ。これぞ文武両道!

 モダンのマーフォークなんかはロード以外にも《マーフォークのペテン師》などのようにクールな能力を持ったスタッフが揃っており、トリッキーに立ち回れるのがセールスポイント。スタンダードでもなかなか面白いマーフォークがおり、アドバンテージの獲得が狙えそうだ。《深根の道探し》は攻撃を通すことが出来たら諜報からの墓地の土地をリアニメイトという変則的なマナ加速能力持ち。諜報で土地が落ちずとも、現段階で不要と判断したカードを墓地に送ることでより良いドローへの可能性を高める。素でタフネス3あるので他のアグロデッキの2マナ圏とぶつかり合っても落ちにくく、ロードの加護があればかなり殴りやすくなる。

 《スカイクレイブの曲芸士》は飛行持ちで、この時点でロードとの相性〇。変身させればライブラリーの一番上のカードを手札に加えるか、土地なら戦場に出すかという実にシミックっぽいアドバンテージをもたらす。

 このリストである意味ロードよりも重要なパーツであり、最もクールな1枚は《ヴォーデイリアの精神詠い》。戦場に出た際にクリーチャーのコントロールを奪う、強烈な妨害能力持ちだ。ただの除去よりもコントロール奪取は効果が高い。何せ対戦相手の盤面からクリーチャーがいなくなり、こちらの戦場に新戦力が加入するのだから。自身のパワーより低いパワーの持ち主を奪うので、素のコストである3マナで2/2として唱えても《離反ダニ、スクレルヴ》のコントロールが奪えれば上出来も良いところ。《策謀の予見者、ラフィーン》を取れたら勝負アリだろ。そしてキッカーコストを支払ったり、ロードで強化すればより大きな獲物を狙える。ここはいっちょ《黙示録。シェオルドレッド》の捕獲任務をクールに遂行してしまいたい。

 スタンダードにはそれなりにマーフォークがいるが、正直なところもう少し部族デッキ向けのバリエーションがあれば……と贅沢を言ってしまう。他に選択肢がないと言うのもあるが、伝説のマーフォークも採用されている。《潮に仕えるもの、タトヨヴァ》は7枚目以降の土地をクリーチャー化させる。クリーチャー化した土地は飛行を持つので《ミシュラの鋳造所》も宙を舞うのはクールだな。本来は《ゼンディカーへの侵攻》など土地を戦場に出すカードを中心としたデッキで用いたいものだが、いざとなれば《深根の道探し》《スカイクレイブの曲芸士》と組み合わせて本領を発揮させることもできる。3マナ3/3で戦闘に繰り出すのも安心なので、戦力として採用されている。

 一方《深海の君主、キオーラ》の海産物に関する能力は機能することがない……これは仕方がない。でも素のサイズがデカくて警戒と護法持ち、何よりビジュアルもクールなので採用されているのだろう。いつかスタンダードで彼女の能力がフルに発揮される、海の巨大生物詰め合わせデッキが組めることを願っているよ。これらの伝説のマーフォークは《天上都市、大田原》《耐え抜くもの、母聖樹》の魂力コストの軽減にも役立つ。こういう地味ながらゲームに確実に影響を及ぼす要素、無視しちゃいけないぜ。

 そんなわけでメロンソーダの鮮やかさにも負けじと爽快感を与えるクールデッキ、スタンダードのマーフォークの一例を紹介させていただいた。皆も爽やかなビジュアルを重視しつつデッキを構築し、ゲームをプレイすることから涼感を得てはいかがかな。クールなデッキは夏バテ知らず。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Enjoy the summer!!

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