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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!速攻重視のグルールと人を繋いだ黒単(スタンダード)

岩SHOW

さて夕飯も食ったし……風呂までの時間、スタンダードでもやるか!

 マジックを遊ぶ上での定番であるフォーマット、それ即ちスタンダード!限られたカードプールではあるものの、多種多様なデッキを組める可能性に満ちた世界。突き詰めるためにはとことん!プレイし続けるのみ。というわけで今週もこのどこまでも続くスタンダードという道を突き進む旅の友となるかもしれない、素敵なデッキを紹介するとことん!スタンダー道!のお時間だ。それじゃあ早速今週もいってみようッ!

とことん!グルール道!
Davidone - 「グルール・アグロ」
MTGアリーナ ランク戦 ミシック・ランク帯 / スタンダード (2023年6月14日)[MO] [ARENA]
4 《カープルーザンの森
4 《銅線の地溝
4 《落石の谷間
2 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《
4 《
-土地(23)-

3 《進化する適応体
4 《ヤヴィマヤの偶像破壊者
3 《クウィリーオンの獣呼び
2 《忠実な護衛、ハジャール
1 《腐れ花
3 《無謀な嵐探し
3 《ナクタムンの侍臣、サムト
3 《迷宮壊し、ミグロズ
3 《ヴォルダーレンの興奮探し
3 《轟く雷獣
1 《ドゥームスカールの戦士
-クリーチャー(29)-
2 《神の火炎
1 《ナヒリの戦争術
1 《薮打ち
4 《熊野と渇苛斬の対峙
-呪文(8)-
4 《石術の連射
3 《ナヒリの戦争術
2 《吸血鬼の復讐
2 《アトラクサの討死
2 《タイヴァーの抵抗
1 《怪しげな統治者、スクイー
1 《群れの希望、アーリン
-サイドボード(15)-
Twitter より引用)

 

 速攻という能力はいつだって最強。クリーチャーというカードに裏目があるとすれば、戦場に出して何かする前に――往々にして攻撃する前に除去されてしまい、与えられた任務を全うできずに戦場を離れてしまうということ。速攻はそんな悩みを解消してくれる、素晴らしい能力であるなぁと……マジックをはじめて25年、改めてしみじみ思うよ。このデッキはそんな速攻関係のクリーチャーの中でも、現スタンダードであれば《無謀な嵐探し》はやはり別格だ。

回転

 3マナ2/3、戦闘開始時にクリーチャー1体に速攻と+1/+0。自分を対象にすることで実質3マナ3/3の速攻であり、生きてターンが帰ってくれば後続のクリーチャーも速攻持ちに。しばらく姿を見ていなかったが、久しぶりにこのカードパワーを拝むと……こいつめちゃ強いなとビビるね!コストで見たパワーに優れたクリーチャーの中でも4マナ以下で構成し、嵐探しで後続を次々に対戦相手本体へと突撃させる……スタンダード組めるアグロデッキの、ちょっと懐かしさも覚える一つの形。

 このようなリストが再び出てきたその決め手は、《ナクタムンの侍臣、サムト》!プレインズウォーカーでなくなったサムトは、以前クリーチャーであった時と同様に速攻持ち!他にも先制攻撃と警戒を併せて持っており、3マナクリーチャーにしてはかなりのハイスペックっぷり。さらにクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、それがこのターンに戦場に出たものであればドローを提供してくれる。

 この能力はつまり、速攻持ちで攻撃を通せばカードが引けるということ。バシバシ殴っても手札が減らない、アグロの夢を大変した1枚ってわけだ。最高じゃねぇか!最近スタンダードではこのサムトを軸の一つとした、グルール(赤緑)カラーのアグロデッキの利用者が増えてきているのだ。

回転

 スタンダードのグルールと言えば、改善。装備やオーラなどで強化されているクリーチャーがいればボーナスを得られるカード、《神の火炎》などを用いた戦術をデッキのメインテーマにしているのはグルールのお約束だな。改善されていると見なされる条件にはもう一つ、カウンターが乗っているというのも含まれる。《熊野と渇苛斬の対峙》や《進化する適応体》《クウィリーオンの獣呼び》といったカードを展開してそれらにカウンターを乗せ、相手のクリーチャーを《神の火炎》で除去しつつ効率よく対戦相手のライフを減らす。トドメは《轟く雷獣》からの改善分ダメージ!カウンターが乗ったクリーチャーに嵐探しで速攻を持たせ、最高率でライフを攻めつつサムトでドロー。綺麗に回ったグルールには鋤などない、欠片程も!

今週のラダーチャレンジ!

 筆者岩SHOWが実際にラダー(MTGアリーナのランク戦)に挑んだデッキを紹介する、需要があるんだかないんだかわからないシリーズ。(原稿を書いている)今週は……「プレイヤーズコンベンション千葉2023」が開催された週なので、移動もあってラダーに時間をほとんど割けず……やむなし。それでも空いた時間に配信しつつ、スタンダードをまったり楽しむ寄りのテンションでラダーをプレイ。

 デッキ案もネタ切れになったので、デッキリスト掲載サイトを漁ってみる。かなりユニークなリストが見つかり、しかもデッキ制作者のプロフィールには「二人の子を持つ父親で、歴史と英語の教師をしている。そしてゲームへの情熱を持っているよ」(ザックリ訳)と自己紹介文が。絶対ええ人やん!素敵なプロフィールにグッと来たのでそのリストをコピーさせてもらってプレイだ。

Risendragon - 「黒単精神壊し」
スタンダード (2023年6月21日)[MO] [ARENA]
15 《
2 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《ドロス窟
2 《ミレックス
2 《ミシュラの鋳造所
2 《マイコシンスの庭
-土地(24)-

4 《アシュノッドの収穫者
4 《剃刀鞭の人体改造機
4 《ファイレクシアの肉体喰らい
2 《テリシアの精神壊し
-クリーチャー(14)-
3 《切り崩し
3 《喉首狙い
2 《神への債務
2 《魂転移
3 《多元宇宙の突破
4 《梅澤俊郎の生涯
3 《ファイレクシアの闘技場
2 《裏切りの棘、ヴラスカ
-呪文(22)-
3 《危難の道
1 《切り崩し
1 《喉首狙い
2 《魂転移
3 《鋼と油の夢
2 《強迫
3 《死の偽装
-サイドボード(15)-
AetherHub より引用)

 

 アーティファクト・クリーチャーを主体とした黒単。《剃刀鞭の人体改造機》《ファイレクシアの肉体喰らい》らはスタンダードでもお馴染みで目にする機会も多いが、他のカードチョイスにはかなり個性が出ており味わい深い。個性的ではあるが典型的な中速デッキで、クリーチャーを除去しつつ攻撃を通していくというマジックの基本中の基本をなぞるスタイルなので、万人に扱えるものだろう。

 このシンプルなデッキでひときわ異彩を放っているのが《テリシアの精神壊し》!蘇生コストで唱える気はない、と言わんばかりに、この青マナがテキストに並んだ巨大戦車を黒単で用いているのがなんともカッコいい。攻撃すれば対戦相手のライブラリーの半分を切削する、ド派手な能力の持ち主だ。

 黒で切削と言えば《多元宇宙の突破》。10枚という大量の切削をかましてから対戦相手の墓地からリアニメイトを行うこのソーサリー。精神壊しで攻撃しておけば相手の墓地はかなりの枚数が落ちているので、対戦相手の主力をいただける確率はかなり高い。あるいは突破で削って、自身の墓地から精神壊しを釣り上げるという動きができれば、続くターンに攻撃からさらにライブラリーを削って、カードが引けない状況も狙える。突破での削り勝ちをかなり意識した黒単ミッドレンジ、ってところだね。

 このデッキでラダー配信をしていると、イタリア在住の方からコメントが。日本の文化が好きなようで、特にアニメ愛が強いそうで。どんな作品が好きなのか聞いてみると、地獄耳の悪魔が主人公の名作など、昭和~平成のシブい作品名が並ぶ。思わずテンションが上がってしまったぜ。イタリアの方を中心にチャットとの会話が弾みつつ、盤面も良い感じに勝利に向かっていく。良いねぇ、こういう瞬間が最高だよ。

 イタリアの方はスタンダードをプレイするのが好きだ!そのデッキリストを共有してくれないかい?とこれまた熱いメッセージを。世界のどこかのお父さんが作ったデッキを、日本の僕がプレイし、それを見たイタリアのプレイヤーへと橋渡し……デッキリストは人を繋ぐのだなと、心がじんわりと暖かくなったよ。マジック、マジで神ゲーだなぁ。デッキリストだけでなく思い出をシェアさせていただくという形で、今週のラダーは許していただけたら。

 スタンダードをプレイしての素敵な出会い、千葉の会場で実際に体験した方もいるんじゃないかな?マジックは、スタンダードは知らない誰かとカードを通じてコミュニケーションが取れる最高の時間を提供してくれる。皆にプレイを勧めつつ、じゃあ今夜もスタンダード、ガッツリやっちまうか!

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