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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス召集:都市が燃えている!ファイヤー!(スタンダード)

岩SHOW

オレたちはセオリーにとらわれない邪道、デッキ構築を縛られるものは何もないんじゃ!

 オォイ!オレは岩仁田じゃ!マジックには王道デッキっちゅうもんがあるな。トーナメントで活躍し、上位入賞リストに名を連ねる、誰にでも扱いやすいクセがなく強いデッキ。そういうもんが王道デッキだとするなら……邪道なデッキもあるっちゅうことだ。王道側から見れば真っ当じゃないデッキにだってなぁ、オイ!意地があるんじゃ、美学があるんじゃ!……今回はそんなオレの心に響いたデッキを紹介するからな、見ていってくれ。

Francesco Di Gregorio - 「ラクドス召集」
The Pizza Box Open: Standard 112位 / スタンダード (2023年6月11日)[MO] [ARENA]
4 《硫黄泉
4 《黒割れの崖
4 《憑依された峰
2 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《マイコシンスの庭
7 《
1 《
-土地(24)-

4 《ヴォルダーレンの美食家
4 《税血の収穫者
-クリーチャー(8)-
2 《火遊び
2 《祭典壊し
4 《かき立てる炎
4 《ミシュラの研究机
4 《実験統合機
4 《上機嫌の解体
4 《鬼流の金床
4 《燃える都市
-呪文(28)-
3 《強迫
2 《鋼と油の夢
2 《真実の抽出
2 《火遊び
2 《祭典壊し
2 《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス
1 《墓地の侵入者
1 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 色はラクドス(黒赤)、スタンダードでは王道寄りのカラーリング。しかしよく見てくれ、採用されているカードはそれらに反発するようなクセの強いヤツらが揃っとる。このデッキのことが知りたければ!こいつを見ろッ!

 《燃える都市》じゃ~ッ!テキストにはとんでもないことが書いてあるぞ!3倍じゃ、3倍!ダメージがすべて3倍になる!《火遊び》が遊びじゃ済まん大爆発にランクアップ。このエンチャントが出てきて、生き延びることが出来るやつはほとんどいねぇ……どんなちっぽけなクリーチャーも、王道を粉砕するパワーを得るんじゃ!

 しかしな、しかし!こんな強力なエンチャントが、何故王道のデッキには入っとらんのだ。答えは簡単、コストが重い……マナ総量が重すぎる。8マナを支払えるデッキは限られる。ランプと言われるようなマナ加速を大量に投入したデッキなら問題ないが、そういったデッキではダメージ3倍の恩恵はゲームの勝敗にあまり関係ない。ただ幸運にも、この《燃える都市》には召集の能力が書かれとる。つまり!クリーチャーを一気に横並べにするデッキで使えとということじゃ。無法者が集まっての大乱闘、リング(テーブル)だけでなく会場(ショップ)、いや都市が燃える!日本全土、いや世界中に!この熱気を拡げろ!

 低コストで一気にクリーチャーを展開するカードが求められる《燃える都市》、そのためにおあつらえ向きの赤いカードは……《上機嫌の解体》、こいつを使え!1マナでアーティファクト破壊、その対象が自身のアーティファクトならゴブリンが3体加勢してくれる。良いぞ、これで王道と戦う兵隊は揃う!

 さらにアーティファクトとトークンと言えば《鬼流の金床》、これもアーティファクトが戦場を離れればトークンを生成。そのためには金床自身の能力で生け贄に捧げても良いし、解体で破壊しても良いときた。しかも複数枚金床が並べば、1枚のアーティファクトから複数のトークンが得られる。さらに!この金床でアーティファクトを生け贄に捧げれば、対戦相手にダメージを与えられる。ダメージってことは、これも《燃える都市》で3倍じゃ!

 解体と金床のために、壊しても構わんアーティファクトを用意しておく、そういう抜け目のなさが王道と戦うためには必須じゃ。《ヴォルダーレンの美食家》らの血・トークン、蘇生で墓地から戻して再利用可能な《ミシュラの研究机》、そしてこの手のデッキでは外せないアドバンテージ源の《実験統合機》!これだけ揃えば困ることはないだろ。

 これらのアーティファクトとそこからのトークン生成、どのように行えば最短で《燃える都市》を出せるか。手札と、次のドローの確率なんかを相談しながら計画を練っている時……それこそがこのデッキをプレイする醍醐味だ。どんなに楽しいからって、燃え上がるその時まではニヤニヤするんじゃないぞ。決着のその時まで、気を緩めない。邪道デッキを使うのであれば、そこを心がけてくれ。約束じゃ。

 ダメージが3倍になったなら、そのまま一気に勝ちに行くぞ。今こそ笑え!《かき立てる炎》、ファイヤ~ッ!!12点、叩き込んでやれ。《燃える都市》とあわせて「ラクドス召集」と名乗っても良いだろうな。気分が良いぞ、こういう勝ち方がしたいからマジックをやってるプレイヤー、少なくないよな……。1マナで都市設置してすぐに唱えやすい《祭典壊し》、3倍効果で対戦相手の本体及び盤面を3点ダメージで横薙ぎじゃ!バーンデッキとしての特性も持った熱いデッキなんじゃ。都市がなくてもトークンで殴り、バーン呪文で削り切る。どんな手を使っても勝つ、泥臭さが良いんじゃ。

 どうだ、「ラクドス召集」。熱いデッキだったか?心に響いたか?じゃあまた、“邪道”が欲しくなったら呼んでくれ。また会おうぜ!1.2.3ファイヤー!

※当コラムにおける邪道とは流行から少し外れたという意味合いであり、デッキやプレイヤーがズルい・悪であるというような意味ではありません。筆者はデッキやプレイヤーに貴賤などないというスタンスであります。

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