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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
まだまだいけるぜ!スタンの黒単!(スタンダード)
いよっす!今回はスタンダードのお話。3種のカードが指定された禁止制限告知から1ヶ月以上が経過し、変化がもたらされたスタンダードにも多くのプレイヤーが慣れてきたのではないだろうか。以前とガラリと変わったデッキ、以前と引き続き変わりないデッキ、各々がマイデッキを使い込んでいるのではないかな。
まだそういったデッキが見つかっていない人には……黒単色のデッキなんてどうかな。「黒単は前環境より弱くなったんじゃ……」という声もあるかもしれない。実際に選択肢は減少してしまったわけだが、それでもなお黒単は魅力的なデッキを組むことができる選択であるとして、世界中のプレイヤーが理想のリスト作成に取り組んでいる。今日はそんな2023年夏に活躍しそうな黒単のサンプルリストを取り上げよう!
23 《沼》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 -土地(24)- 4 《進化した潜伏工作員》 4 《しつこい負け犬》 3 《墓地の侵入者》 3 《ヨーグモスの法務官、ギックス》 3 《黙示録、シェオルドレッド》 2 《ファイレクシアの抹消者》 -クリーチャー(19)- |
2 《強迫》 2 《切り崩し》 2 《冥府の掌握》 1 《喉首狙い》 2 《シェオルドレッドの勅令》 2 《ギックスの命令》 1 《堕落》 1 《大牙勢団の襲撃》 2 《梅澤俊郎の生涯》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(17)- |
-サイドボード(0)- |
まずは御覧の通りBO1(サイドボードなしメイン1本勝負)、アリーナのイベントで7勝0敗のこちらのリストから。1マナ《進化した潜伏工作員》《大牙勢団の襲撃》、2マナに《しつこい負け犬》《梅澤俊郎の生涯》と最序盤からパーマネントを展開する、ちょっとアグロ寄りの黒単だ。クリーチャーを展開し、積極的に攻撃を仕掛ける。
工作員も負け犬も、この手の前のめりなデッキの苦手なマナフラッドに強いカードなのが最大のセールスポイントかな。マナフラッドとは、直訳するとマナ洪水。土地ばかり引いてマナだけはうなるほどあるが、マナ総量が重いカードが入っていない・そもそも手札に呪文がない、マジックの負け筋になり得る状況のことである。フラッドに陥っても勝利を狙えるデッキを目指すのであれば、マナの使い道を用意するべし。
工作員は起動型能力を3段階で備えており、マナを注げば注ぐほど強化されて対戦相手に与えるダメージを上昇させる。3つ目の能力が起動できるようになればカードも引けるので、溢れたマナを他のリソース(資源)に置き換えられる可能性が高い、頼もし過ぎる1マナクリーチャーだ。負け犬は2マナでパワー3と効率の良い打点を誇り、墓地に落ちても4マナで奇襲能力を起動すれば再び舞い戻り、速攻を持って攻撃!攻めの手をゆるめず、ターン終了時には再び墓地に戻ってしまうが死亡時にカードを1枚引かせてくれるという抜かりなさ。どちらもマナが打点と手札に変換されるフラッド回避カードの典型のようなカードなので、低マナ域重視の攻めるデッキを組むときにこそ重要視したいクリーチャーだ。これら2種はライフも要求してくるが、こちらが攻めて先に対戦相手のライフを減らしておけば、この損失はそれほど気になるものにはならないはずだ。つまり、積極的に攻撃あるのみッ!
そんな攻撃を阻むブロック役が出てきたら、クリーチャー除去を投げつけて攻撃を続行。アグロの基本中の基本ムーブをこのデッキも狙うわけだが、そのチョイスには早いデッキならではの理由がうかがえる。ライフ2点を失うが、対象の制限はない《冥府の掌握》。これを現行スタンダードのド定番な《喉首狙い》よりも優先している。喉首はアーティファクト・クリーチャーが対象に取れない。《ファイレクシアの肉体喰らい》や《鋼の熾天使》などライフを回復するアーティファクト・クリーチャーを意識してのチョイスかな。BO1ならではの選択とも言える。
また、ライフのやりとり重視のBO1を意識した《堕落》もたまらない。クリーチャーやプレインズウォーカーへの除去でありつつ、対戦相手本体にも撃ち込める。6点以上のダメージを与えつつその分こちらのライフが回復するので、とどめの一撃だったり返しの相手の攻撃に耐える延命手段だったりと、臨機応変に使い分けるべし。
21 《沼》 2 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《ミシュラの鋳造所》 1 《ミレックス》 -土地(26)- 3 《進化した潜伏工作員》 3 《しつこい負け犬》 4 《墓地の侵入者》 4 《黙示録、シェオルドレッド》 2 《シェオルドレッド》 2 《ファイレクシアの肉体喰らい》 -クリーチャー(18)- |
4 《切り崩し》 4 《喉首狙い》 1 《ギックスの命令》 2 《ファイレクシアの闘技場》 3 《ヴェールのリリアナ》 2 《裏切りの棘、ヴラスカ》 -呪文(16)- |
4 《強迫》 1 《窃取》 1 《石の脳》 2 《ぎらつく氾濫》 1 《寄生性掌握》 1 《シェオルドレッドの勅令》 1 《不笑のソリン》 1 《ギックスの命令》 1 《ギックスの残虐》 2 《多元宇宙の突破》 -サイドボード(15)- |
一方こちらは先ほどのリストよりはギアを後ろ目に設定している、THE中速、これぞミッドレンジというBO3(サイドボード有り2本先取)のリストだ。先のリストとこちらと、共通のカードも多いのだが、その枚数の差からデッキの速度差が読み取れる。アグロにとってのアンチテーゼとなる《ファイレクシアの肉体喰らい》を搭載していたり、消耗戦にすこぶる強い《シェオルドレッド》の採用など、アグロの攻めを捌き、中速同士の決戦をカードパワーで制するという構築思想が伝わるはずだ。
アグロのライフ攻めから回復して耐え、ブロック役としてもすこぶる優秀。遅いデッキ相手にはのそのそもたもたしているうちにライフを危険域まで削り取る《黙示録、シェオルドレッド》はこのリストにおいても最も信頼される必須パーツである!問答無用で4枚!
そしてこのシェオルドレッドと組み合わせることで輝きを放つ《ファイレクシアの闘技場》がシブい!スタンダードに加わってからしばらくは影が薄かったが、ここにきていよいよスポットを浴びる時が来たか。毎ターン1点のライフと引き換えにカードを1枚提供してくれる、非常に効率の良いアドバンテージ獲得装置。このライフと手札の交換は強制であるため、ライフが残り数点になると自爆を招きかねない、やや危険性をはらんだエンチャント。ただカードを引くってことは、シェオルドレッドで2点回復できるということ。1点失って2点回復、差し引き1点ライフが増える。残ライフが1の時はこれでも敗北してしまうが、そこまで追い込まれなければジワジワとライフを増やし手札を溜め込んで、押されている状況からひっくり返すだけの力がこの2枚にはある!
黒単はスタンダードでまだまだ戦える。やっぱり単色デッキに元気があるっていうのは、スタンダードにおいてとても大事なことだと思うんだよね。2色以上を供給できる多色土地がたっぷりと存在している今のスタンダードだが、それらの土地を集めるというのは新規プレイヤーには大変だ。単色デッキという選択肢は、マジックの基礎や色ごとの特性を学ぶのにも良い選択肢。黒単は初心者からマニアまで、幅広い層にプレイしてほしいね。少しの調整で似て非なるデッキが組める黒単、今こそオススメですッ。
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