時は来た！今週末は千葉で熱戦だ！「プレイヤーズコンベンション千葉2023」に行こう！土日（24・25日）、会場で皆が楽しそうに過ごしているのを目にするのが僕の楽しみだ。

　会場にて行われるイベントで、生放送および動画形式でフィーチャーマッチの模様をお届けする予定のチャンピオンズカップファイナル、そしてオープン。これらのイベントで用いられるフォーマットはパイオニアだ。デッキが多種多様、ガチガチの流行強デッキからマニアが練り上げた専用機まで、一体どんなデッキがフィーチャーのテーブルで火花を散らすのか？参加者はもちろん観戦勢も色々とイメージを膨らませながら週末まで過ごしてくれたら嬉しいね。

　そんな観戦時の予備知識にもなればなと、ここしばらくパイオニアのデッキを紹介し続けているシリーズを今回もお届けしよう。では、早速リストを……

　こちらはギリシャの首都アテネで開催された地域チャンピオンシップにて、初日を堂々の9勝0敗で駆け抜け、最終成績もトップ8まであと一歩の10勝4敗1分というスコアで終えたデッキである。《鏡割りの寓話》や《サテュロスの道探し》など他のデッキでも目にするカードもあれば「一体何だこれは？」となってしまう、存在自体があまり知られていないカードまで、色々たっぷり濃いメンツが詰め合わせだ。このデッキを読み解くには、まず上記の2枚や《帳簿裂き》《屑鉄造りの雑種犬》などなど、手札を捨てたりライブラリーから墓地にカードを置く手段が多くとられていることを把握するところからスタートだ。つまり、墓地に特定のカードがある状態で何かをすることを狙っているデッキってわけだ。

　それじゃあ種明かし、このデッキの主役は《嵐の伝令》ッ！戦場に出た時に墓地からエンチャントをまとめて戦場に戻す、リアニメイト系カードの変化球・異端児だ。エンチャントなら何でもOKというわけではなく、オーラ、それもクリーチャーに貼り付けるもの限定である。《嵐の伝令》やその他のクリーチャーに、墓地にあるオーラを好きなだけ貼り付けて強化する！ターン終了時にはそれらのオーラは追放されてしまうが、ガチガチに強化されたクリーチャーでぶん殴るなどして、そのターンに勝ってしまえば良いのだ。

　伝令自身は速攻を持っているので、最悪ほかにクリーチャーがいなくてもコンボが成立するというのが素晴らしい。大量に墓地にオーラを落として、オーラの嵐を発生させる！それがこの「嵐の伝令コンボ」の狙いである。

　重いコストに加えて、それが付けられたクリーチャーをタップするというデメリット持ちの《著大化》。それだけ厳しいハードルが設けられているとあって、これが付けられたクリーチャーは＋20/＋20というとてつもない修正を受ける。初期ライフ丸ごとそのまんま持っていく超重量級モンスターの誕生だ。

　7マナと重いコストを《嵐の伝令》で踏み倒す！わかりやすいコンボではあるのだが……これだけだと、何にもならなくないか？先述のように《著大化》を付けられたクリーチャーはタップされてしまい、どんな強化を受けても攻撃ができない状態になってしまう。ターンを跨いで攻撃させようにも、伝令のリアニメイトはターン終了時に切れてしまう制限時間付き……。

　なので、オーラの欠点はオーラでカバーする！《燃え盛る怒り》で万事解決だッッ！このオーラを付けられたクリーチャーは、タップすると自身のパワー分のダメージを与えられるようになる。《著大化》の能力が誘発してタップさせられる前に、この怒りでのタップ能力を起動してしまえば、デメリットを無視して対戦相手をノックアウト可能だ。伝令の速攻がこのタップ能力の即座起動を可能にしている点が素晴らしく噛み合っている。

　これらのオーラをまとめて落として、一撃必殺をぶちかまそう。最速で3ターン目に23点、あるいは40点以上の可能性も？ブン回ればもう手が付けられない、幸運に恵まれればこのリストを使用したプレイヤーのように勝ちを重ねられるかもしれないぜ。

　イベントに参加し、トーナメントで勝つ。エネルギーと勢いが必要なことだが、《嵐の伝令》デッキのような豪快なコンボを手にすれば、自分自身も嵐の如き活力が湧いてくるかもしれない。くれぐれもこの季節の風物詩である、リアルな嵐には気を付けながら、良きマジックライフを。カード、雨で塗らすなよ～ッ！