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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:《時間の伸長》はスタンダードに存在する!チャンドラコピーコンボ!(スタンダード)

岩SHOW

 皆の周りにクールな人はいるかい?唐突な質問だが、今日はそう!クールなデッキについて語る金曜日。今週のCool Deckのお時間だ。クールとは何かを日々追及している当コラムだが、今日はまず人の話から。

 クールな人、僕が思うのは……自信がある人かな。自らの確固たる新年に基づいて行動・発言する人は、カッコよく見えることがあるよね。小学校の頃に読んだ伝記で、ある昆虫学者が過去の学説が間違っていることを自身の目で確認し、他の学者に否定されながらも公の場で自身の主張が正しいことを証明してみせた……そんな生き方はカッコいいなと、僕も何か自信を持てる人間になりたいと思ったりしながら今日までふんわり生きている。他者が否定しようと、○○はある!と声高に叫ぶような生き方はクールだよね。

 もちろん、それが正しいことを自身で証明しなければならない。では、今日はそのハードルに挑んでみよう。

『機械兵団の進軍』環境のスタンダードには《時間の伸長》が存在する!

 ……いや、もちろんないよ。カード自体はしばらくスタンダードで使用可能なセットには再録されていない。つまり《時間の伸長》はスタンダードでは使えない。でも、確かに現環境にはあるのだ、《時間の伸長》がッッ。この呪文は10マナと爆裂重いコストを誇るが、同時に2ターンの追加ターンが得られるという桁違いのバリューももたらすとんでもなくクールな逸品だ。つまり、今回の主張はこうだ。現スタンダードでは2ターンの追加ターンを得る手段が存在する、と。

 追加ターンを得る《錬金術師の計略》。3マナで唱えた場合はその追加ターンの終了時に敗北してしまうという重いペナルティが設けられている。計7マナで唱えれば切除によりその敗北の部分がテキストより消え去る。しかしこれでは《時間の伸長》とは呼べない。そこで……これを《希望の標、チャンドラ》の能力でコピーするのだ。チャンドラはただ戦場に居るだけでインスタントやソーサリーをコピーする。各ターンに一度しか誘発しないが、それで十分だ。自ターンで最初に唱えた呪文を《錬金術師の計略》にすれば、追加ターンを2ターンも得られるというのだ。クール!

 このコンボの何がクールかって、他のインスタントやソーサリーをコピーするコンボと比較した時に、損失が非常に少ないことだ。《双業火》のような呪文でコピーする場合、それと《錬金術師の計略》と2枚のカードを消費することになる。ただチャンドラはプレインズウォーカーとして戦場に立ち続け、追加ターン内でも忠誠度能力で恩恵をもたらす。実質的に計略1枚のみで2ターンを追加で得ていることになるという、省エネクールコンボというわけだ。さあ、今回紹介するデッキはこのコンボを備えた……

fireonice91 - 「グリクシス・ターン」
スタンダード (2023年4月18日)[MO] [ARENA]
4 《ザンダーの居室
3 《闇滑りの岸
3 《黒割れの崖
4 《嵐削りの海岸
3 《憑依された峰
3 《シヴの浅瀬
1 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《
1 《
-土地(25)-

3 《さまよう心
-クリーチャー(3)-
3 《切り崩し
2 《消えゆく希望
4 《喉首狙い
3 《兄弟仲の終焉
2 《家の焼き払い
4 《衝動
4 《大勝ち
2 《錬金術師の計略
4 《鏡割りの寓話
4 《希望の標、チャンドラ
-呪文(32)-
4 《強迫
4 《くすぶる卵
2 《軽蔑的な一撃
2 《未認可霊柩車
2 《溺神の信奉者、リーア
1 《家の焼き払い
-サイドボード(15)-
AetherHub より引用)

 

チャンドラ×計略=《時間の伸長

 必殺コンボを搭載したグリクシス(青黒赤)カラーのデッキで、『機械兵団の進軍』リリース直後に組まれたものだ。《希望の標、チャンドラ》を4枚、主役にドーンと据えた意欲的なリストとなる。チャンドラという魅力的な新カードを絶対に使う!そんな強い決意。信念を感じるね。計着以外にもこの新チャンドラと相性の良い、インスタントやソーサリーを多数採用したクリーチャーがごく少数という構成が特徴的。ビジュアル自体がたまらなくクール!こういうプレイする気に火をつけてくれるリストって、良いよなぁ。

 基本はコントロールデッキである。除去もドローもマナ加速もできる赤を軸に、青と黒でより小回りが利くように調整されている。チャンドラが好きなマナ2色を加える能力を持っているため、実質的に赤単色でコンボは完結しているのだが、より安定感を求めた結果3色に落ち着いたのだろう。このあたりの妥協のなさからは制作者のセンスを感じる。

 どんなインスタントやソーサリーでもコピーすることができればクールなものであるが、《家の焼き払い》は特に強烈。普段は盤面を掃除する全体火力のモードを選び、ゲームを掌握しきったらデビル生成モードを選んでこれをコピー!計6体の速攻持ちで一気に勝ちにいこう。もちろん対戦相手が無茶苦茶デカいクリーチャーをコントロールしている時に5点ダメージ×2という形で運用しても良いが、チャンドラも一緒に退場してしまうのを忘れずに。これは《兄弟仲の終焉》を運用する際にも気を付けよう。

 《大勝ち》をコピーすればその名の通り気分は勝ったようなもの。手札を捨てるのは1枚だけ、そこから4枚ドローと4つの宝物でフィニッシュへと持っていこう。個人的に特段クールに感じたのは、サイドボードの《強迫》。チャンドラを出しながらこの《強迫》に繋げて、対戦相手の手札からチャンドラを除去し得るカードをまとめて抜き去ろう。これらのようなドロー、手札破壊、トークン生成系の呪文はチャンドラの登場によりワンランク上の存在へと上昇しそうだ。カードプールを要再チェック。

 ファイレクシアに屈さずに多元宇宙の勝利へと繋げた《希望の標、チャンドラ》。チャンドラの本気が垣間見えるこのカード、クールな性能だと自信をもって保証するので是非皆もこのカードで色んなものをコピーして楽しんでほしい。《時間の伸長》はスタンダードにある!追加ターンを得て、その追加ターン中にも呪文をコピーして、対戦相手がもう勝てないと投了せざるを得ないような状況を作り上げてクールに勝ち星を重ねよう。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Be confident!

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