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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アゾリウス・スピリット:呪文を捕らえる悪霊!(パイオニア&エクスプローラー)
『イニストラードを覆う影・リマスター』、MTGアリーナにこれがやって来たことで、エクスプローラーにてパイオニアの完全再現が一部可能になった。パイオニアで使用可能なセットで、まだアリーナ上に存在しないものは残すところ……6ブロックに基本セットがいくつかと、改めて確認すればまだまだ多い。
とはいえ、パイオニアで用いるデッキに、使用可能なセットすべてからカードを採用しなければならないなんてルールはないのである。現行のパイオニアにおいて活躍しているデッキの中でも、MTGアリーナ上に存在するカードのみで完全に再現できるリストだっていっぱいあるのだ。そういったリストをエクスプローラーに持ち込むということは、イコール強さが約束されているデッキを使うということ。遠慮なく完成されているデッキを用いて、ランク戦上位やトーナメントでの栄冠を目指すべし!
というわけで今回は前回に続けて、リマスターの恩恵を受けたデッキを紹介しよう。今回はあるカードが主役だ。それは……
『異界月』より再録の《呪文捕らえ》!白青2色のスピリットが満を持してアリーナに降臨だ。アリーナの画面でクッキリ表示されるイラストを改めて見ると、これがなかなかカッコいいではないか。イラストと名前が示す通り、このスピリットは呪文をキャッチする。4マナ以下の呪文を対象として追放する。パーマネントじゃないぞ、手札や墓地のカードでもない。呪文を追放する、ということは……唱えられて解決される前の状態にある呪文を追放するということ。追放された呪文はどうなるか?これは解決されずにそのまま追放領域に移動することになる。つまり実質的な打ち消しとなる、というわけだ。
この《呪文捕らえ》が戦場を離れると、追放されている呪文は再び唱えられることになる。そのため、確実性が保証されていない打ち消しではあるのだが……とはいえ、3マナ2/3飛行・瞬速についてくるオマケとしてはこの上ないものだ。相手の思い通りのゲーム展開を許さず、ライフを攻めるクリーチャーを展開する。これよりも嬉しいこと、そうそうないぜ。というわけで《呪文捕らえ》が中核を担うパイオニアのデッキをご覧あれ!
4 《神聖なる泉》 4 《連門の小道》 4 《金属海の沿岸》 3 《アダーカー荒原》 1 《天上都市、大田原》 2 《変わり谷》 4 《島》 -土地(22)- 4 《霊廟の放浪者》 4 《幽体の船乗り》 4 《至高の幻影》 4 《鎖鳴らし》 4 《鎖霊》 1 《幽体の敵対者》 4 《呪文捕らえ》 2 《天穹の鷲》 -クリーチャー(27)- |
4 《執着的探訪》 3 《高尚な否定》 4 《霊灯の罠》 -呪文(11)- |
4 《ポータブル・ホール》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《軽蔑的な一撃》 2 《安らかなる眠り》 2 《霊気の疾風》 2 《とんずら》 3 《トカシアの歓待》 -サイドボード(15)- |
パイオニアの「アゾリウス(白青)スピリット」だ。クリーチャーのタイプをスピリットで揃えることで、そのタイプとシナジー(相互作用)を形成するカードで固めてガッツリと恩恵を得る、パイオニアでも定番の部族デッキの一大派閥だ。その要素を一つ一つ解き明かしていこう。
まずは何といっても、部族デッキとして重要な打点。同じタイプを持ったクリーチャーを強化する、ロードと呼ばれる役目を担うカードは絶対必須と言えよう。
このロードの中でももっともわかりやすく、最も軽い《至高の幻影》はパイオニアのスピリットからは外せない1枚。2マナで他のすべてのスピリットを+1/+1!小柄が多いスピリットにはこの上ないボーナスだ。このリストのスピリットはすべて飛行持ちなので、ブロックを回避しつつ本体へズシッと来るダメージを刻んでいける。そして追加のロード役は《天穹の鷲》にお任せ。飛行クリーチャー=《変わり谷》以外の全スピリットなので、鷲と幻影でガッチリマッチョなスピリット部隊を編成しよう。
またロードではないが《霊廟の放浪者》もスピリットデッキの打点の立役者である。1マナ1/1ではあるが、スピリットを戦場に出せばターン終了時までサイズアップ!バカにできないパンチ力で、最序盤からプレッシャーをかけるぞ。
スピリットは単にガタイで押していく部族デッキにあらず、その本懐は《呪文捕らえ》を見ればわかる通りのトリッキーな戦術にこそある。《鎖鳴らし》はスピリット1体に呪禁を与えるので、これは除去への打ち消しとして機能する。《呪文捕らえ》と共にクリーチャーを出しながら《至高の幻影》らを守り、有利な状況を維持しよう。打ち消し呪文といえば《霊灯の罠》もこのデッキで使えと言わんばかりな1枚。ドロー要員として《執着的探訪》を用いているので、この呪文を1マナで唱えることが可能になっている。1マナで3マナ要求する打ち消しを構えられるのは他のデッキにはなかなか真似できないな。
妨害のベクトルが若干異なるが《鎖霊》もこのデッキの象徴の一つ。スピリットを2体タップして相手のクリーチャーを1体タップ、効率が悪く見えるがこれが実際に相対すると滅茶苦茶いやらしい。真っ先に《鎖霊》を潰さなければまともな戦闘が行えなくなるデンジャラスさ。そしてその除去は《呪文捕らえ》らが弾いていく……こういうゲーム展開に持っていけば、スピリットが勝利をかすめ取っていくのは時間の問題だ。
《集合した中隊》を用いる3色タイプのスピリットでも《呪文捕らえ》は大活躍。《ドラグスコルの隊長》という懐かしのスピリットも「過去の影」枠で帰ってきたので、ヒストリックでもスピリットデッキが使いたくなる。
《呪文捕らえ》がもたらすアリーナの新たなゲーム体験。もちろん、MTGアリーナから興味を持ったなら、紙のカードでも《呪文捕らえ》をはじめとするスピリットたちに触れてみてくれよな!
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