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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:リマスターで始まる新環境!パルヘリオンに乗っていこう(パイオニア&エクスプローラー)
マジックがあればそこにクールもある。さあ、週末に向けてクールな気持ちを高めるコーナーの始まりだ。皆さんは気持ちがもう『機械兵団の進軍』に向いているのかもしれない。確かにバトルだったり共闘するレジェンドたちだったり、気になるカードが盛りだくさんで毎日のようにクールなカードが公開されている。
でもそんな4月半ばの新セットに先駆けて、新たにカードを迎えたフォーマットがあることをご存じだろうか?答えは……エクスプローラー!MTGアリーナでのみプレイされているフォーマットであり、これはパイオニアというフォーマットの前身として制定された。パイオニアと言えば競技トーナメントも度々開かれ、プレイヤーらにとっても馴染みのある人気の高い環境だ。スタンダードよりも使用可能セットが大きく拡がっているが、モダン程の広大さではないという絶妙なカードプールが人気の秘訣かな。このクールなパイオニアを目指して、MTGアリーナに旧カードが追加されるのが終わるその時まで、代わりを務めるのがエクスプローラーである。
というわけで実質パイオニアでありながら、足りないカードがあることで一部組めない主要デッキがあるという現状が続いているのだが……そんなところに『イニストラードを覆う影・リマスター』がやってきた!『イニストラードを覆う影』『異界月』の2セットから厳選されたカードが収録されているパックで、一気に300種近いカードが追加されることに。こりゃあエクスプローラー、さすがに変わるぜってなもんだ。というわけで今回は装いも新たに春を迎えたエクスプローラーより、既存のデッキがブラッシュアップされたクールなリストをご覧いただこう!
3 《神無き祭殿》 3 《草むした墓》 4 《寺院の庭》 4 《花盛りの湿地》 2 《秘密の中庭》 1 《砕かれた聖域》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《沼》 -土地(21)- 4 《ラフィーンの密通者》 4 《大牙勢団の総長、脂牙》 -クリーチャー(8)- |
4 《思考囲い》 1 《強迫》 4 《忌まわしい回収》 4 《ウィザーブルームの命令》 3 《発生の器》 3 《ウルヴェンワルド横断》 2 《未練残り》 4 《エシカの戦車》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 4 《パルヘリオンⅡ》 -呪文(31)- |
2 《強迫》 2 《致命的な一押し》 2 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》 2 《羅利骨灰》 1 《秋の騎士》 2 《未認可霊柩車》 4 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
新生エクスプローラーより「アブザン(白黒緑)脂牙」をご紹介!かねてからエクスプローラーにおいて主要デッキとして君臨していたが、この春のアップデートでパイオニアの完成形と違わぬリストが組めるようになった。いよいよパイオニアがやってきたという実感、これぞ求めていたクール。
アブザン脂牙の主要戦力は《パルヘリオンⅡ》。5/5飛行・先制攻撃・警戒とハイスペックに加えて、攻撃すれば本体に加えて4/4の天使2体もかけつけて計13点という極太のクロック(ダメージ源)として機能する、デンジャラスな機体。唱えるには8マナも必要で、これはかなりしんどい。だったらズルしてイタダキ、というクールな発想でこれを《大牙勢団の総長、脂牙》でリアニメイト。ターン終了時に手札に戻ってしまうという期限付きではあるものの、特にマナなどの追加コストもなく墓地から機体を戦場に戻し、速攻を与えて即座に攻撃できるという破格の性能を誇るネズミである。
パルヘリオンはトークンが残るので、それ自身が手札に戻っても問題なし。脂牙のパワーでばっちりパルヘリオンの搭乗コストも支払えて、一緒に使えと言わんばかりの運命的なコンボ!13点叩き込んでから、残った天使が8点クロックで20点を瞬く間に溶かしてくれるというのも美しい。パイオニアでも大定番のコンボ、手に入れた新戦力は……
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:何より大事な“掘る”カード
パルヘリオンコンボは墓地を利用する。パルヘリオンや《領事の旗艦、スカイソブリン》などの機体を墓地に送る手段というのが、デッキを成立させる上では非常に重要になってくる。《縫い師への供給者》や《サテュロスの道探し》などなど、ライブラリーから墓地にカードを置くことのできるカードはこのコンボにとって欠かせないバディである。特に強力なのは、ただ墓地の枚数を増やすだけではないもの。
《忌まわしい回収》はクリーチャーか土地を手に入れつつ墓地を肥やせる、つまり脂牙を手札に加えながら機体を墓地置けるという理想の1枚だ。《ウィザーブルームの命令》も土地が手に入り、同時に対戦相手の低コストのパーマネントに対する除去としても機能するので、使い勝手が良いクールな小技。そしてこれらの「何かを手札に加えつつ墓地を肥やせる」カード群にこの度加わったのが……
《発生の器》!懐かしいなぁ~シブいカードがアリーナにやってきたもんだ。ライブラリーの上から4枚見て、パーマネントタイプを持つカードを1枚手札に加えられる。脂牙でも機体でも土地でもなんでもござれだ。そして残りは墓地に置かれるので、これ1枚でコンボ成立も狙える。
エンチャントとして戦場に出しつつ、起動コストを支払ってようやく機能するカードなので……合計のマナはちょいと高めではある。戦場に出して置けば対戦相手の動きを見てから起動できるというのは、墓地対策などをケアして動くサイド後などに活きてくる要素だろう。そして……
クールポイントその2:横断せよウルヴェンワルド
エンチャントである《発生の器》。これがこのデッキに採用される理由は……もう一つ、リマスターによってやってきたカードとの関係による。《ウルヴェンワルド横断》!これも懐かしの激シブカードで、今でもパイオニアやモダンで使われているのを見ることもあるね。このソーサリーはライブラリーから基本土地を探して手札に加えるものであるが、墓地に4種類以上のパーマネントタイプが揃っている状況、昂揚と呼ばれる条件を達成すれば、なんと基本でない土地も選択肢に加わる!さらに……土地だけでなくクリーチャーも!1マナで得ライブラリーからクリーチャーを何でもサーチできるとはクールすぎるマナ効率。
これで脂牙を持ってくるのはもちろんのこと、手札に機体があって脂牙は既にあるというのであれば《ラフィーンの密通者》を持ってくるという手もある。サイド後は《秋の騎士》をもってきて回復なりパーマネント破壊するなりしても良し。兎に角テクニカルで、プレイングの幅が拡がるこの横断のために、昂揚の条件を後押しできる《発生の器》を採用してるってことなんだな。
脂牙の白黒に加えて緑を選ぶ理由は、最も扱いやすく強力な機体カードによるところも大きい。《エシカの戦車》だ。脂牙で墓地から戻して速攻で殴っても良いし、4マナと普通に唱えるのも難しくないというところがただのコンボパーツではなく純粋な戦闘要員として信頼に足るもの。
実際問題、僕はこのデッキを使うと大抵コンボが決まらずに、脂牙や戦車のパワー4という純粋な暴力で勝つことが大半を占めていたり(笑)。墓地肥やしと《エシカの戦車》、これらを備えた緑はいつだってクールな選択肢だ。
さらなるクールのために
《ラフィーンの密通者》以外にも手札に来た機体を捨てる手段は欲しいところ。僕なんかがこのデッキをプレイすると、切削系のカードでは全然墓地に落ちてくれずに、しっかりドローしてしまうというすれ違いが起きてしまうからね……クールじゃないぜ(笑)。
手札を捨てる系のカードとして、リマスターからやってきた《集団的蛮行》!こいつは手札に貯まったお荷物をさっぱり捨て去る手段としては最適だ。追加コストで手札を捨てることで、このカードが選ぶことができるモードを1つ追加することが可能。だいたいその手のカードは損をするものなのだが、この蛮行は手札破壊とクリーチャー除去の2つのモードを組み合わせることで、カード2枚で相手のカード2枚に対処。数字の上での損はしない形で、コンボを妨げたりライフを脅かすものを排除してしまえるのだ。
これをメインから採用しているリストも見られるので、手札にヘビーな機体が貯まりがちな皆さんはクールな対処法を検討してみては?
クールなまとめ
エクスプローラーはよりクールなフォーマットとしての一歩を踏み出した。『イニストラードを覆う影・リマスター』はアリーナで体験できるゲームの幅を確かに拡げるシブいセットだ。気になるカード、懐かしさを覚える1枚があったら、皆もエクスプローラーに挑戦してみよう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Master the remaster!!
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