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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!:セレズニア・エンチャントと、妥協なしな赤単タッチ黒(スタンダード)

岩SHOW

思いっきりやろうぜ!スタンダード!

 さあ今週もとことんスタンダードを追いかけていこう!『機械兵団の行進』新カードも公開されはじめ、次期スタンダードへの期待が高まる中……現行スタンダードをプレイできるのはもう1ヶ月もないぞ!最後の最後まで、『ファイレクシア:完全なる統一』環境を楽しみ抜こうじゃないか。というわけで今回も早速――

救いはエンチャントにあり
Pascal Maynard - 「セレズニア・エンチャント」
F2F Tour Championship - Ottawa Cycle 2 15位(9-4) / スタンダード (2023年3月25日)[MO] [ARENA]
4 《剃刀境の茂み
4 《低木林地
2 《草茂る農地
1 《耐え抜くもの、母聖樹
5 《平地
5 《
-土地(21)-

4 《気前のいい訪問者
4 《樹海の自然主義者
4 《神憑く相棒
2 《樹海の幻想家、しげ樹
4 《ドーンハルトの殉教者、カティルダ
-クリーチャー(18)-
4 《精霊との融和
4 《骨化
1 《精霊界との接触
4 《麒麟の教え
4 《永岩城の修繕
2 《婚礼の発表
2 《神聖なる憑依
-呪文(21)-
3 《仮初めの時間
3 《監禁の円環
2 《静寂の呪い
2 《精霊界との接触
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《調和の儀式
2 《神聖なる憑依
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 日本から遅れること約3週間、カナダでの地域チャンピオンシップが開催された。プロツアー予選を兼ねるこのトーナメントには266名のプレイヤーが参加した。スタンダードで競われ、予選ラウンドは計13回戦。今回紹介するリストは9勝4敗、あと1勝でTOP8 というラインを惜しくも逃したプレイヤーの中から……パスカル・メイナード/Pascal Maynardのものを。懐かしい名前だなぁ~かつてはプロプレイヤーとしてグランプリ優勝、プロツアー準優勝と大活躍した強豪だ。数年前にしばらく学業優先か何かでマジック活動を控えるような発言を目にしたように思うが、またマジックをプレイしてくれているのは何とも嬉しい限りだ。

 そんな強豪が選んだデッキは、まさかのエンチャント!白と緑のエンチャントを主体とし、それとシナジー(相互作用)を形成するカードで構成されたビートダウン(クリーチャーで殴って勝つデッキ)。このアーキタイプも久しぶりに目にしたな。デッキに採用されているカードは主にイニストラード2セットと『神河:輝ける世界』に収録されているものである。

回転

 《樹海の自然主義者》はあらゆるエンチャントのコストを軽減するので、3マナ以上のエンチャントも1ターンに複数枚展開して手数で押していける。《精霊の融和》もエンチャントか土地を手札に加えられるため、エンチャントばかりで構成することでマナ基盤がしっかりしたデッキになる。《永岩城の修繕》も手札に土地を加え、また墓地から2マナ以下のパーマネントを戦場に戻すⅡ章の能力でも、土地を捨ててそのまま出す形でマナ加速が行える。安定したゲーム展開が期待できる構成だ。

 エンチャントでデッキを固めることで得られる最大の恩恵は、打点である。エンチャントを唱えるたびに《気前のいい訪問者》の能力が誘発、+1/+1カウンターをクリーチャーに置くことで対戦相手よりもサイズで勝るクリーチャーを準備して序盤から盤面上での優位を狙える。複数体並べばそれだけのクリーチャーがデカくなるので、これ自身がただの1/1だと甘く見てれば滅茶苦茶にされてしまうことだろう。

 同じくエンチャントを唱えることで《神聖なる憑依》も誘発し、スピリットを生成する。このスピリットは他のスピリットの数だけのパワー/タフネスを持つ。そのため《気前のいい訪問者》や《麒麟の教え》《修繕する建築家》などなどデッキを形成する他のカードとの噛み合いもバッチリ。大量にエンチャントとスピリットを並べてボコボコ殴ってKO勝ち!見かけよりもずっとパワフルなデッキなのだ。

 そしてエンチャントとスピリットが並ぶことで最大限に力を発揮するのが《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》!それらの合計値分のパワー/タフネス、飛行に絆魂と持ちに持った能力の数!プロテクション(吸血鬼)も地味ながら《税血の収穫者》の対象にならないというほんのりとした除去耐性。圧倒的なサイズと絆魂で、他のビートダウンを圧倒してしまうハイスペックな1枚だ。死亡したり捨てさせられても降霊で唱えて、カティルダと同じ能力をクリーチャーに与えるオーラになるという至れり尽くせり仕様。このカードは特に赤いアグロデッキに効果覿面。予選ラウンドでも実際に赤単に2回当たり、1ゲームも落としていないことから相性の良さがうかがえる。そういったアグロが多い流れを読んで使えば、勝ち星をしっかりと重ねられるデッキだろう。

今週のラダーチャレンジ!

 今週はあまり時間がなくてマイデッキを練ることが出来なかった……「ゴイフスペシャル」なる墓地利用デッキを磨き続けてきたが、最近あまりにも墓地対策を備えたデッキとばかり遭遇する。《報復招来》デッキとかに苦しめられたプレイヤーが多かったのか?メインから《墓地の侵入者》《硬化した屑鉄喰らい》と優秀な墓地追放能力を持ったクリーチャーを出されることがいつも以上に増えてね……サイドから《未認可霊柩車》まで入ってくるのだからもうたまらない。《ギックスの残虐》リアニメイトが憎いッ(笑)。

 まあこういう時は無理せずに、別のデッキを使うのが一番。貴重な時間を無駄にしないため、サクッと切り替えて違うデッキを楽しむべし。

Alan Lynn - 「赤単アグロタッチ黒」
MTGアリーナ ランクマッチ ミシックランク帯 / スタンダード (2023年3月25日)[MO] [ARENA]
8 《
4 《硫黄泉
4 《黒割れの崖
2 《憑依された峰
3 《ミシュラの鋳造所
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(22)-

4 《僧院の速槍
4 《フェニックスの雛
4 《血に飢えた敵対者
3 《ロノムの発掘家、フェルドン
3 《怪しげな統治者、スクイー
4 《轟く雷獣
-クリーチャー(22)-
4 《火遊び
3 《稲妻の一撃
3 《喉首狙い
4 《熊野と渇苛斬の対峙
2 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-呪文(16)-
2 《血の裏切り
1 《喉首狙い
2 《抹消する稲妻
3 《祭典壊し
3 《鏡割りの寓話
2 《燃え立つ空、軋賜
1 《ミレックス
1 《焦熱の交渉人、ヤヤ
-サイドボード(15)-
Twitter より引用)

 

 ということで気分転換も兼ねて、赤単に黒を足したアグロデッキを。赤単の誇る速攻クリーチャーらでの攻撃、《轟く雷獣》の圧倒的破壊力。これらで対戦相手の体制が整う前に殴り勝つ、スピーディーなデッキをコピーして遊ばせてもらった。このリストの良いところは、《黙示録。シェオルドレッド》や《偉大なる統一者、アトラクサ》といった赤単の前に立ちはだかると折角減らしたライフを安全圏に逃がしてしまう、最悪の宿敵らへの対策に抜かりなしなところ。

 《喉首狙い》4枚!わかりやすい。それらの宿敵がどれだけタフネスが高かろうが関係なし。問答無用でサクッと破壊して、最後の攻撃を叩き込んでフィニッシュ!気持ちいい勝ち方のできるデッキで、少ない時間ながらもスタンダードを堪能させてもらった。メインから《敵対するもの、オブ・ニクシリス》が採用されているのもシブい!トークン展開で攻め手を継続させたりブロック役を用意して殴り合いを優位に、あるいは手札化ライフを失うことを強要し続けるなど、とにかくいやらしい仕事人。単純なアグロにちょっとした難解さスパイスを添えれば、ラダーライフが捗るというものだ。

 という感じで、今週もスタンダードの情報をたっぷりと紹介させていただいた。みんなも環境末期のスタンダードというフォーマットととことん向き合って、新環境のスタートダッシュに備えよう!それじゃあ今夜もスタンダード、やっちゃいますか。

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