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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
青単マーフォーク:目で見てわかる魚の強さ(モダン)
マジックの大型イベントの良いところ、それは人と人が顔を合わせられる場所であるということ。特に同窓会的な要素として、かつてはグランプリやマジックフェストは重要な役目を担っていた。プレイヤーズコンベンションがそんな再会の場になってくれるかどうか?……疑うまでもなかったね。今回スタッフとして参加して、場内で古くからの顔なじみに出会うことが出来たよ。嬉しいね~友と旧交を温めるというのは。
僕はオープンイベントのフィーチャーマッチに携わっていたのだが、テーブルにやってくるのが友人知人だった時はニコニコしていたことかと思うよ。マジックをまだやってくれているだけでなんだか嬉しいし、勝って良いラインにつけているというのはその気持ちをさらに倍増させてくれる。というわけで今回は、マイフレンドのデッキを取り上げよう。プレイヤーズコンベンション横浜2023よりモダンオープンにて上位に入賞したデッキから、紹介するのはこちら!
9 《島》 4 《魂の洞窟》 4 《変わり谷》 2 《天上都市、大田原》 1 《雲の宮殿、朧宮》 -土地(20)- 4 《激浪の形成師》 2 《霧の呼び手》 4 《マーフォークのペテン師》 4 《アトランティスの王》 4 《真珠三叉矛の達人》 4 《ヴォーデイリアの呪詛抑え》 2 《銀エラの達人》 4 《海と空のシヴィエルン》 -クリーチャー(28)- |
4 《霊気の薬瓶》 1 《広がりゆく海》 4 《四肢切断》 3 《否定の力》 -呪文(12)- |
3 《虚空の杯》 3 《緻密》 2 《潮流の先駆け》 2 《万物の姿、オルヴァール》 2 《銀エラの達人》 1 《広がりゆく海》 1 《否定の力》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
モダンオープン、トップ4のマーフォーク!使用したプレイヤーと会ったのは『ミラディン包囲戦』のプレリリースとかその辺だったから……もう12年以上前か!長い付き合いになったなぁ。関東に転勤して会う機会は少なくなったが、今回わざわざブースにも会いに来てくれた。勝ち進んでくれよなぁとか言ってたら、本当に決勝ラウンドまで行ってしまったのだから痺れたね。しかもデッキはマーフォーク!顔を合わせる機会は少なくなっていたものの、付き合いの長い面々でのグループLINEで、マーフォークをフルフォイルにするために日々カードを探しているのを知っていたデッキだけに、現物を見てその美しさにもグッと来たものだよ。友人が思いを込めたデッキを見せてもらうのって、幸せな時間だよね。
さて、肝心のデッキについて。マーフォークはロードを肝としたデッキだ。ロードとは他のクリーチャーを強化する能力を持ったクリーチャー、特に+1/+1修正を与えるものをそう呼ぶ。その語源になったロードというかつて存在したタイプ、それを持っていたのが《アトランティスの王》!サイズアップと共に島渡りを与えるこの元祖ロードに続く形で、マーフォークには《真珠三叉矛の達人》などのロードが作られ続けている。
特に直近で得た新ロード《ヴォーデイリアの呪詛抑え》はマーフォークの戦術に新しい側面をもたらした。マーフォークを生け贄に捧げると非クリーチャー呪文に追加コストを要求する打ち消し能力を与え、うかつに非クリーチャー呪文を唱えられないプレッシャーを与えられるようになったのだ。これにより低コストのマーフォークを並べ、強化するダメージ最優先な展開が同時に対戦相手の除去やコンボを跳ね返す攻防一体な攻めへと昇華された。《変わり谷》もいざという時の打ち消しになり、脳みそまで筋肉的な構成でありながらしっかりと青らしいテクニカルな要素を併せ持った構成になったってわけだ。
そしてマーフォークの神、《海と空のシヴィエルン》!これが戦場に出て縦横無尽に暴れ回っている光景を、テーブルトップで目にするのも何気に初めてだったなぁ。
3マナ3/4、タフネスの高い貴重なマーフォークであり、自身の他のマーフォークには護法{1}を与えて除去耐性をアップ。そして他に2体マーフォークがいれば破壊不能も得る。ガチガチに硬い盤面を作り上げるマーフォーク神だが、ブロック役にしても良いし攻撃すればカードが1枚引けてさらによし。無理やり攻撃を繰り返して後続をガンガン展開できる、マーフォークが求めていたアドバンテージ源でありかつ戦場を盤石なものにしてくれるエースであり、そのため伝説であっても躊躇なく4枚採用だ。
フィーチャーマッチでもこのシヴィエルンが出てくるだけで形勢がマーフォーク側に傾く、重要パーツだということがこの目ではっきりと確認できたね。デジタルで情報だけはわかってはいたが、やはり肉眼でカードが動いているところを見ると説得力が違うもんだな。そういう面でもテーブルトップのマジック、最高。
実物を見て強さを実感したと言えば《激浪の形成師》もそんな1枚だったな。どんな土地でも《島》に変えてしまう、かなりのワル。これで3色デッキや無色デッキのマナ基盤を攻め、デッキを機能不全に陥れようとする。
相手のプランを崩している間に攻めていくわけだが、この島になるというのがまた意味を持つわけだ。《アトランティスの王》《真珠三叉矛の達人》と2体のロードはマーフォークらに島渡りを与える。最近めっきり見なくなった渡り能力だが、これが強いんだ。対戦相手が指定されていた土地をコントロールしていればブロックされなくなる渡り、マーフォークは海の住人だけあって島を渡るわけで、これを強引に相手の戦場に作りだしてブロックの概念を破壊する!ワルの中のワルだぜ。かつては《広がりゆく海》がこの役目を担っていたが、やはり自身も攻撃できるマーフォーク自身が島化能力を持っているのは次元が違うぜ。サイド後にはこの海も増量して、相手の戦場を大海原に変えてやる!
顔なじみの活躍も含め、観ているだけで幸せを感じたテーブルトップのトーナメント。モダン環境でしっかりとマーフォークが活躍したのは、なんだかグッとくるね。ローテーションがなくいつまでも同じデッキを使い続けられるフォーマットであるため、あらゆるデッキにいつかチャンスがやってくる、それがモダンの良いところ。さあ、次の紙の大会で友人らと再会し、フィーチャーマッチで皆を沸かせるのは君だ!イベントで会おうぜ~!
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