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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オープンの日迫る!⑥死せる生とSDW(モダン)
プレイヤーズコンベンション横浜2023。このマジックの祭典では、広い会場で大小様々なトーナメントが開催される。『ファイレクシア:完全なる統一』の参入で最も影響を受けたフォーマット、スタンダードにて行われるチャンピオンズカップファイナルも一体どんなデッキが活躍するか気になるイベントだが……個人的には直接かかわることになるオープンイベントで胸がいっぱいだ。特に土曜日開催のオープンはモダン!こちらは予選ラウンド最大10回戦+決勝ラウンド3回戦とボリュームたっぷりの長丁場。ビデオカバレージが随時更新される予定なので、是非ともボリュームたっぷりな激闘を最後まで見届けて欲しいね。
というわけでフィーチャーマッチに飛び出すかもしれないデッキ達を皆と共に僕自身も振り返り、新しいテクニックも確認していくシリーズを行ってきたが……今回でこの連続企画もラストになる。モダンには数え切れないほどのデッキが存在し、ローテーションもないことから自分が愛するデッキを流行に関係なく使い続けるプレイヤーも少なくない。なので、ここで紹介したデッキはほんの一部にしかすぎず、フィーチャーでは全く異なるデッキ群が躍動するかもしれないが……それもモダンらしくて最高なことだね。では、早速デッキ紹介行ってみよう!
4 《霧深い雨林》 1 《汚染された三角州》 2 《繁殖池》 2 《蒸気孔》 1 《湿った墓》 3 《植物の聖域》 2 《マナの合流点》 1 《天上都市、大田原》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《島》 1 《森》 -土地(19)- 4 《断片無き工作員》 4 《悲嘆》 4 《秘法の管理者》 4 《風呼びのエイヴン》 3 《意思切る者》 4 《通りの悪霊》 4 《縞カワヘビ》 3 《巨大な空亀》 -クリーチャー(30)- |
4 《否定の力》 4 《暴力的な突発》 3 《死せる生》 -呪文(11)- |
4 《緻密》 4 《忍耐》 1 《活性の力》 2 《基盤砕き》 1 《鋳塊かじり》 1 《神秘の論争》 2 《やり場のない悔恨》 -サイドボード(15)- |
こちらは《死せる生》コンボ。マナ・コストを持たず、つまりは唱えることが出来ない呪文である《死せる生》を無理やり唱えるというこれぞコンボを体現したデッキだ。
その方法は続唱。それを持った呪文よりもマナ総量が低い呪文をコストの支払いなしで唱えられるという能力を活かすのだ。マナ・コストを持たない呪文のマナ総量は0。3マナで続唱を持った呪文を用いてこれを唱えるために、デッキ内のカードは《死せる生》以外すべて3マナ以上で構成されているのが特徴だ。
そしてそれらの構成パーツの大半はクリーチャーである。サイクリングやその他の方法で手札から捨てることが出来るこれらのクリーチャーを、積極的に墓地に送り込んで下準備。墓地にクリーチャーがある程度貯まれば《断片無き工作員》《暴力的な突発》から《死せる生》!戦場のクリーチャーは墓地に、墓地のクリーチャーは戦場に。どれだけ押されている状況でも一手で覆す、豪快さがたまらないデッキだ。
2マナ以下の呪文が入らないということで序盤に出来ることはかなり限られるように思われるが、意外と小回りも利く構成になっているのはモダンの広いカードプールあってこそ。
メインでは《否認の力》や《悲嘆》で対戦相手のコンボ妨害を捌いて完走を目指す。サイド後は《忍耐》や《基盤砕き》、《やり場のない悔恨》など各種デッキへの対抗策は一通り揃っているので安心して戦える。振り切った構成ながら、器用に立ち回るその様はまさしくモダンのトリックスターだ。
2 《虹色の眺望》 1 《樹木茂る山麓》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 2 《バグベアの居住地》 1 《血に染まりし城砦、真火》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 4 《ウルザの物語》 5 《冠雪の山》 -土地(19)- 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 4 《僧院の速槍》 4 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 4 《ヴォルダーレンの美食家》 -クリーチャー(16)- |
4 《感電破》 4 《稲妻》 3 《爆片破》 4 《ミシュラのガラクタ》 3 《実験統合機》 2 《舞台照らし》 2 《黄鉄の呪文爆弾》 1 《大祖始の遺産》 1 《影槍》 1 《バネ葉の太鼓》 -呪文(25)- |
4 《破壊放題》 2 《高山の月》 1 《真髄の針》 1 《黄鉄の呪文爆弾》 2 《大祖始の遺産》 1 《魂標ランタン》 2 《虚空の鏡》 2 《万物の姿、オルヴァール》 -サイドボード(15)- |
モダン特集の最後はデッキ2本立て!この赤単色のデッキは着実に頭角を現してきた、華々しいデビュー待ちといったポジションだ。デッキ名は通称「シンセサイザー・デック・ウィンズ」!このデッキ名には伝統が息づいている。
かつてトーナメントシーンに君臨した最強集団、チーム・デッドガイ/Team Deadguy。このチームが作り上げた赤単色のアグロデッキは「Red Deck Wins」、縮めてRDWと呼ばれた。赤いデッキで勝つという信念が感じられる熱いデッキ名はその後も長きにわたって各フォーマットの赤単に受け継がれ、また「Boros Deck Wins」や「Raka Deck Wins」などなどDeck Winsを継承したデッキ名も見られたものだ。現モダンでは「Synthesizer Deck Wins」、SDWが表舞台に躍り出てきたというわけだな。
では肝心のシンセサイザーとは?Experimental Synthesizer……《実験統合機》は戦場に出るか離れるかした時に衝動的ドロー(追放して一時的に使えるようになったカード)をもたらす。生け贄に捧げることができれば、このアーティファクトがもたらすアドバンテージを味わい尽くせるということ。
そのためにこのデッキが用いるのが《爆片破》!これぞモダンという名火力、2マナで5点とKOが狙えるボディブローだ。このカードのアーティファクトを生け贄にするというコストをシンセサイザーで埋めることで、ほんのりとしたアドバンテージを得ることが狙い。この微妙な差が勝負を分ける大きな差になるのだ。
低コストの赤いクリーチャーで攻め《稲妻》などの火力で詰めて勝つ、RDW精神を引き継ぐアグロデッキでありながら、単なるRDWではないポイントが「アーティファクト」。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ヴォルダーレンの美食家》とただの攻め手ではなくアーティファクトが絡むクリーチャーが揃っているので、これらとシンセサイザーを繰り出しつつ、さらに《ウルザの物語》を運用。
これが生成する構築物も、さりげなく展開されるアーティファクトでストロングなマシンと化す!《感電破》も金属術で1マナ4点とマナ効率抜群の飛び道具に!これらの要素でモダンの濃い序盤戦を制する、それがSDW!シンプルなバーン、果敢を重視した赤+αのアグロ、それらの中からどんな赤い速攻デッキがフィーチャーマッチに名乗りを上げてくるのかも楽しみだね。
さあ、今週末(3月4・5日)はいよいよプレイヤーズコンベンションだ。2023年の国内ビッグイベントの口火がいよいよ切られる。会場で皆と会えることを楽しみにしてるよ。もし見かけたら気軽に声をかけて欲しいね!数々のデッキを眺めているだけでも楽しいモダン、それ以外にも場内にはマジックを楽しむコンテンツが盛りだくさん!予定が空いているなら、ぜひ横浜へ!春の到来を感じながら、良い時間を過ごそうぜ!ビデオカバレージもヨロシクゥ!
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