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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

新ゴブリン到来!スタンダードのゴブリンデッキに火がついた!(スタンダード)

岩SHOW

 やあ良い子&良い大人のみんな!デッキは作っているかな?当コラムデイリー・デッキも遂に!『ファイレクシア:完全なる統一』のリリース後に実際に使用されたデッキをお届けするシーズンに突入だ!日本では発売開始日がオンライン上のリリースよりも早く、少々タイムラグが発生する特殊な事態が起こっていたね。

 この新セットはプレビュー段階から「めちゃ強いセットが来るんじゃないか?」と世界中のプレイヤーが囁き合っていた。さあ、実際にどうなるか?それを今後このコラムで追っていくので、どうぞ春のシーズン終了まで見届けて欲しいね。

 今回は僕、岩SHOWが実際にシーズン突入して最初に組んだデッキを紹介しよう。僕はこのセットに大いに期待していたよ……ゴブリンがやってくることに!2022年秋のローテーション直後、スタンダードには《ランドヴェルトの大群率い》というゴブリンデッキの中核を担える強力なパーツがもたらされた。

 しかしローテーションによりスタンダードで使用可能なセットが整理された結果、ゴブリンはその数を大きく減らしてしまった。選択肢が少なく、スタンダードで満足のいくゴブリンデッキを組むには少々物足りなかったのはまぎれもない事実だ。

 そこに新ファイレクシアとなった次元から颯爽と駆け付けたのが新たなゴブリン!かつてミラディンだった頃から、この次元にはゴブリンが沢山棲んでいた。自ずとゴブリンデッキ好きの熱量が高まってしまうのも無理はない。そして……このセットは実に熱くなれるゴブリンたちを提供してくれたよ。まず1枚、《ゴブリンの爆風走り》!

 1マナ1/2と平均的なサイズだが、何かが生け贄に捧げられたターンであれば3/2威迫と見違えるハイスペックに!序盤から終盤まで打点に優れた攻撃役としてガンガン攻めてくれることが期待できるものだ。

 更にもう1枚、同じく1マナで《溌剌としたヒューズリング》、こちらは爆風走りとは異なり、ファイレクシアに取り込まれたゴブリンの末路をカード化したものだ。

 ただでさえ好戦的な種族のゴブリンがよりアグレッシブになったことはイラストからも伝わってくる。1マナでパワーは0ながら、油カウンター分強化されるという能力を持っている。油カウンターは戦場に出た時と、自身のクリーチャーやアーティファクトが墓地に置かれることで増える。なんだか爆風走りと似た条件だね。こちらはトランプルを持っているので、両者とも戦闘ダメージはねじ込みやすいデザインだ。

 今回はこれらのゴブリンを使ってみたいという思いからデッキを組んでみた。パーツとしてもコモンとアンコモン、カードが全然集まり切っていない状況でも組みやすいというのもこのデッキを構築するのを大いに後押ししてくれたね。それじゃあリストの紹介といこう!

岩SHOW - 「ラクドス・ゴブリン」
スタンダード (2023年2月13日)[MO] [ARENA]
4 《黒割れの崖
4 《硫黄泉
3 《憑依された峰
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
2 《マイコシンスの庭
4 《
1 《
-土地(20)-

4 《ゴブリンの爆風走り
4 《溌剌としたヒューズリング
4 《ランドヴェルトの大群率い
4 《炭鍛冶
-クリーチャー(16)-
4 《電圧のうねり
4 《上機嫌の解体
4 《逆巻く貯蔵器
4 《実験統合機
4 《鬼流の金床
4 《鏡割りの寓話
-呪文(24)-

-サイドボード(0)-

 《ゴブリンの爆風走り》《溌剌としたヒューズリング》をフィーチャーした「ラクドス・ゴブリン」だ。これらの1マナゴブリンの似通ったサイズアップ条件を満たすのに最適な1枚、それはやはり《鬼流の金床》!

 もうコイツにすべて任せてくれよと、そういうことだね。アーティファクトを生け贄に捧げることで対戦相手ライフを1点吸い取り、それによってアーティファクトが墓地に置かれると1/1の構築物を生成する。細かいアーティファクトを並べるデッキのお供として、様々なフォーマットで存在感を示している逸品だ。

 これでアーティファクトをガコンと生け贄に捧げることで、爆風走りはハイテンションに。墓地にあるスクラップを嗅ぎつけたヒューズリングも油を増して、打点を向上させてラッシュを仕掛ける!ゴブリンとアーティファクトの2つのテーマで組んでみた、攻めの姿勢を強く打ち出したデッキの細かいパーツを紹介していこう。

 爆風走りとヒューズリングを育てるための餌、代表格は《実験統合機》。これも金床との組み合わせでお馴染みの1枚だね。戦場に出たときに、そして離れたときに能力が通発。衝動的ドローと表現される、期限付きでカードをプレイできるようにするアドバンテージをもたらしてくれる。この統合機のおかげで、軽いカードで固めて土地を20枚以下に絞るという構築を安心して施すことが可能になっている。4枚目以降の土地の価値はあまり高くないが、3枚は欲しい……そんな贅沢をこれが解決。土地を手札から出す前に唱えることを意識して、このカードから手数を稼いで盤面を作っていこう。

 統合機が戦場を離れた際の能力を誘発させて得するために、金床以外にもこれを生け贄に捧げるカードが欲しいところ。これまではこの手のデッキでその役目を《電圧のうねり》が担っていた。1マナで4点ダメージ、大抵のクリーチャーやプレインズウォーカーはこれでご退場願えるレベルの破壊力。そしてこの統合機処理役の新候補が《上機嫌の解体》だ。

 かつての《カルドーサの再誕》という名カードを思い起こさせるもので、自分のアーティファクトを破壊してファイレクシアン・ゴブリンを3体も呼び出すことができる。1マナでこの展開力は目を見張るもの。ゴブリンなので《ランドヴェルトの大群率い》で強化できる点も最高だ。

 先代のカルドーサと決定的に異なるのは、このカードはあくまでもアーティファクトを対象として破壊する、除去呪文であるという点。トークンが出るのは自分のものを対象としたときだけであり、トークンを得ずに単に対戦相手のアーティファクトを排除するためだけにも使っても良い。この臨機応変さにはたまげたよ。新ファイレクシアの高性能っぷり、ひざまずくしかない……。

 個人的に激シブカードだと認定したのが《炭鍛冶》。3マナ2/3ということでスタンダードでは敬遠したい、リミテッド向けのカードに見えてしまうが……ゴブリンを1体引き連れてくるので、実質的には3/4と同程度の性能となる。

 そうなれば評価も変わってくるというもので、しかもトークンはランドヴェルトで強化可能ときたものだから文句なしだ。ヒューズリングと同じくクリーチャーやアーティファクトが自身の墓地に落ちることで油を得る《炭鍛冶》。このカードの油の使い道は、これまた衝動的ドロー。3個の油で1枚のトップ追放という、絶妙なバランスだ。このコストは一見重いものに見えるが、実際に使って見ると存外楽勝なものである。《鬼流の金床》で構築物のスクラップ&ビルドを繰り返したり、《鏡割りの寓話》がもたらす宝物を切っていればあっという間に3個くらいは弾き出してくれるぞ。

 対戦相手に一方的に討ち取られる、一見無駄なブロックや攻撃にもこの《炭鍛冶》&ヒューズリングは大きな価値をもたらしてくれる。パーマネントの喪失を恐れることなかれ!《逆巻く貯蔵器》で油を毎ターン増量させていくハイカロリー作戦も決行すべし。これはゴブリン供給手段も兼ねるので、余すことなく堪能しよう。

 このリストはとりあえず新環境一発目のデッキということで、サイドボードなしの一本勝負、BO1のために組んで回したものだ。もし気になった人、気に入ってくれた人がいたなら、メインデッキを自分好みに調整するのもそうだが、サイドボードも作ってみてサイドボーディングを行って2本目以降を戦うBO3仕様に仕上げてやってほしいね。新ゴブリンは他にも《騒音の悪獣》など面白いものが多数あるので、皆で待ちに待ったスタンダードのゴブリンデッキを満喫しよう!さあ今夜はデッキ構築だ。

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