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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Wild Deck野生大発見‼:その名はグラーツ!巨大戦車の秘密(スタンダード)

ショーイワ

 毎週金曜日はクールなデッキをお届けする「今週のCool Deck」をお届けしておりますが、今週は番組を変更して「Wild Deck 野生大発見!!」をお楽しみください。


 こんにちは!多元宇宙のワイルドを求める冒険家、ショーイワです、今回皆さんにお届けするのは「ジャガーノート/Juggernaut」の真実!この言葉はマジックとも縁があるものです。プロツアー殿堂顕彰者のカイ・ブッディ/Kai Buddeはそのあまりの連勝っぷりからジャーマン・ジャガーノートと称されました。「何者にも止められぬほどの巨大な力」を意味するジャガーノート。一体そのルーツは何なのか?それを探るために僕が今回訪れた次元は……地球!インドへとやってきました。

 インドの多数は宗教であるヒンドゥー教。この教えには様々な神が登場しますが、その中心をなすのは三大神。ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマー。ヴィシュヌは世界維持と慈愛の神であります。そして驚くことに、10大化身と呼ばれるような多数の分身を有しています。その中でも8番目の化身であるクリシュナは、ヒンドゥー教の神々の中でも最も人気のある神であるとされ、広い地域で信仰されています。クリシュナの特徴は青黒い肌、くつろぎながら横笛を吹く姿は、カレー屋さんのタペストリーなどでも目にすることがありますね。

 このクリシュナの異名が「ジャガンナート」とのこと。これは「世界の主」という意味のようです。インドでは6月から7月の間にラト・ヤートラーというお祭りが開催されます。大通りに巨大な山車が出現し、練り歩く……京都の祇園祭などに近いものでしょうか。おっ、見てください!ワイルドな山車が来ましたよ!

 車輪も、乗せられた像もデカいッッ!迫力満点です。かつてこのお祭りの際に、狂信的な今日とは救済を求める意味でこの山車の下にその身を投げ出したそうです。危ない!この光景を目にしたキリスト教宣教師が、そのような出来事があったことを本国に報告します。ジャガンナートを侵攻する山車とそれにわが身を差し出す教徒という光景から「犠牲を強いる絶対的な力」という意味のジャガーノートという単語が誕生します。さらに時代を経て、単に「途方もない力」という意味合いになり今日に伝わっています。うーん、ワイルド!

 マジックのカードにおいてはジャガーノートは巨大戦車として訳されています。《巨大戦車》はアーティファクト・クリーチャーの中でもベーシックなものとして、基本セットを始め様々なセットに収録されました。マジック黎明期においては破格の性能だった4マナ5/3、可能な限り攻撃するというデメリットは止められない山車の行進を彷彿とさせますね。さらに壁にはブロックされないとのことで、《氷河の壁》などに苦しんだ初心者時代には良き助けとなってくれました。その後クリーチャータイプとして存続し、構成の様々な次元において戦車型の決戦兵器や機械生命体にこのワイルドなタイプ名が印刷されました。

 コアなファンも多い巨大戦車。我々ワイルドなもの好きとしては待望しているものがありました。それは伝説の巨大戦車!この願いがついに届いたようで、本日2月3日より発売開始の新セット『ファイレクシア:完全なる統一』にレジェンダリー・ジャガーノートが収録されています!その名は《止められぬ巨大戦車、グラーツ》!

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 かつてミラディンの地平線を覆い尽くすほどの数がいて、大地に住まうあらゆる生き物を飲み込んでいったという恐怖の象徴《地ならし屋》。グリッサとスロバッドが出会うきっかけであり、共に戦った敵でもあります。かつてメムナークに仕えた《地ならし屋》が、今日まで稼働し続けたその末路とでも言おうか。イラストを見るに、今では新ファイレクシアの軍勢をバキバキと喰らいながら泊まらぬ進撃を続けているようです。うーん、ワイルド!

 8マナ7/5というサイズ感もまさしく巨大戦車ですが、その能力もワイルドそのもの。他の自陣のクリーチャーを全て巨大戦車にしてしまうというぶっ飛んだ現実改変っぷり!それらの巨大戦車はサイズも能力もすべて元祖《巨大戦車》に。ワイルドすぎるでしょう……これはサイズの小さいクリーチャーを並べるデッキで、それらを強化するフィニッシャーとして用いたい!本日のワイルドデッキは、グラーツを用いた新スタンダードのデッキ案です!

岩SHOW - 「緑単グラーツ」
スタンダード (2023年2月3日)[MO] [ARENA]
16 《
2 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《ミシュラの鋳造所
1 《爆発域
-土地(23)-

4 《隠遁した剥製師
4 《ラノワールの壌土語り
4 《硬化した屑鉄喰らい
4 《宝石泥棒
2 《秋の占い師
4 《止められぬ巨大戦車、グラーツ
-クリーチャー(22)-
2 《緑の太陽の黄昏
4 《森林の目覚め
1 《ティタニアの命令
4 《珠眼の寺守り
4 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(15)-

-サイドボード(0)-

 まずは緑単色のランプデッキ。マナを伸ばして大型の呪文で勝利するワイルドを体現したデッキですね。このリストは多くの方が思いついたことでしょう、《森林の目覚め》で森・ドライアドを並べてグラーツでそれらを巨大戦車化させてのフィニッシュを狙ったものです。マナ加速と頭数確保を1枚で担えるので相性抜群!

 他にもマナを加える能力を持ったクリーチャーを多数採用し、これらでグラーツを降臨させる盤面を目指します。《珠眼の寺守り》のような巨大戦車の素を多数提供してくれるカードは今後の評価が変化しそうな予感ですね。

回転

 《森林の目覚め》で森が並ぶということは《向上した精霊信者、ニッサ》も採用し、グラーツとの2大フィニッシャーにするのが良いでしょう。この完成化したプレインズウォーカーのワイルドさからも目が離せないスタンダードになりそうです。

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 5マナで出してすかさず4/4を生成したり、7マナで唱えて[-7]能力で一瞬で相手のライフを削り切ったり……応用が利くワイルドなカードというのはいつだって最高なもんです。

岩SHOW - 「白単グラーツ」
スタンダード (2023年2月3日)[MO] [ARENA]
18 《平地
1 《皇国の地、永岩城
4 《ミシュラの鋳造所
1 《タグシンの広間
-土地(24)-

2 《野心的な農場労働者
4 《魔道士の従者
3 《輝かしい聖戦士、エーデリン
3 《栄光のドミヌス、モンドラク
2 《大砂漠探鉱者
2 《止められぬ巨大戦車、グラーツ
-クリーチャー(16)-
4 《軍備放棄
4 《スクレルヴの巣
4 《婚礼の発表
4 《白の太陽の黄昏
4 《大衆蜂起
-呪文(20)-

-サイドボード(15)-

 こちらは白単のトークンデッキとしての一案です。グラーツと共にやってくる新カードから《スクレルヴの巣》《白の太陽の黄昏》と強そうなトークン生成カードを採用。それらから這い出る軍勢を《栄光のドミヌス、モンドラク》で効果倍増させて圧倒する……そんなデッキのトークン強化役としてグラーツをピックアップ。ワイルドに数で押す中速デッキの完成です!

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 緑と違って白はマナを増やすのはそれほど得意ではありません。なのでグラーツを発進させるにはやや手間取りそう……そんな弱点をカバーするカードをいくつか取り込んでみました。

 ひとまず《大砂漠探鉱者》でトークン軍団の数パワーストーンを並べ、グラーツを唱えるのをサポートしたいなと。あるいは《大衆蜂起》、これもワイルドな秘匿カード!クリーチャーで攻撃するとその数分の市民・トークンが決起!その後クリーチャーの数が合計10体以上であれば秘められていた呪文をマナの支払いなく唱えられる……戦闘中に突然空から降ってくるグラーツ!ワイルドが過ぎるッ!ダニや市民が突然巨大戦車になる、ワイルドB級映画のような絵面も最高です。

 今回はジャガーノート、巨大戦車の実像とその最新モデルを搭載したジャガーノートデッキを紹介させていただきました。皆さんが『ファイレクシア:完全なる統一』でワイルドなカードに出会い、ワイルドなゲーム体験が出来ることを願っています。じゃあ、次のWild Deckに出会うまで……ごきげんよう!
 

―― 巨大戦車たちが荒れ地を爆走するキャタピラ音とヘビーメタルなBGMで終了 ――

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