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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白青兵士:アーティファクト・セットのもうひとつのテーマ(スタンダード)
『兄弟戦争』開戦~ッ!
11月15日(米国時間)にオンラインでリリース、18日より正式販売がスタート。プレリリースとそこでの先行販売も含めれば、もう『兄弟戦争』の新カードを直に体験した人の方が多いのかな?
アーティファクト主体のセットは過去にいくつも作られている。それこそ最初にウルザとミシュラの兄弟間での戦争を描いた『アンティキティー』から始まり、以降もすべてが機械からなる次元・発明に満ちた次元などなど、アーティファクトがメインテーマになったセットはいずれも魅力的でパワフルなカードが満ちていたものだ。
『兄弟戦争』はウルザとミシュラが戦争で用いた機械の軍勢、あるいはそのどちらにも属さない機械……いずれにせよマシーンで埋め尽くされたセットに仕上がっている。
マジックプレイヤーには好みがあり、アーティファクトならではの挙動を大変好むプレイヤーも世界中に大勢いる。そんなプレイヤーにとっては今回もたまらないセットに感じられるだろう。そうでないプレイヤーにとっても魅力的に映るカードは多いんじゃないかな?
アーティファクトがメインテーマと言えど、もちろんそれだけで構成されているセットというのはあり得ない。他のタイプのカードも他のセットのようにしっかりと収録されている。そしてそんな非アーティファクト・カードの中にもまたテーマが用意されている。
特に白と青はマシーン軍団以外にも戦争において重要なエッセンスを担当している。兵士だ。ウルザの軍勢に所属する兵士たち。ソルジャーなくして戦いなしということで、戦場を勇猛果敢に駆けまわる兵士たち(生身の肉体持ちと機械のものと両方を含む)が多数用意されている。
その最たるものがこのセットのレア多色土地。色マナを加えるとダメージを受ける《地底の大河》などの『団結のドミナリア』の6枚に続く再録ダメージランド4種。それに属さない、唯一のレア多色土地として《要塞化した海岸堡》が収録されている。
これは兵士を手札から公開するかコントロールしているかしていればアンタップ状態で戦場に出る。兵士デッキであればほぼデメリットのない2色土地としてスムーズに白と青のマナを供給してくれる優良な土地として運用可能だ。マナの余ったゲーム終盤では全兵士を強化する能力でフィニッシュに持ち込む……と、かなり優秀な土地としてデザインされている。スタンダード環境において兵士は他のタイプよりも一歩リードしていると言えよう。
このセットがもたらした新たな兵士カードを《雄々しい古参兵》など既存の兵士と合わせたデッキがこれだ。
6 《平地》 4 《島》 4 《アダーカー荒原》 4 《さびれた浜》 4 《要塞化した海岸堡》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 -土地(24)- 4 《徴兵士官》 3 《ヨーティアの前線兵》 2 《先兵の飛行士、ハービン》 2 《包囲の古参兵》 4 《毅然たる援軍》 4 《雄々しい古参兵》 4 《粗暴な聖戦士》 3 《過充電縫合体》 -クリーチャー(26)- |
3 《交渉団の保護》 2 《勇敢な姿勢》 3 《婚礼の発表》 2 《放浪皇》 -呪文(10)- |
プロツアー殿堂顕彰者であるフランク・カーステン/Frank Karstenがアーリーアクセス時に組み上げた、新しい兵士カードを中心にした白青のアグレッシブなデッキだ。
《雄々しい古参兵》で兵士たちを強化して殴る! シンプルながら強力な戦術を用いて対戦相手を打ち倒す、マジック黎明期より組まれ続けてきた伝統的な構成だ。
兵士で固めたアグロデッキということで、1マナ圏には期待の新兵が。
《徴兵士官》はパワー2あって打点も上等、ゲームが長引いた時にはその能力で兵士の仲間を手札に加えられる可能性があり、攻めを極力途切れさせない活躍っぷり。
《ヨーティアの前線兵》はともに攻撃するクリーチャーを強化して、これも実質的に1マナでパワー2点分の働き。さらに蘇生で墓地から再利用も可能なので、討ち取られるのを恐れずに攻撃を仕掛けてダメージに貢献できる。
どちらも最序盤に展開するクリーチャーでありながらロングゲームでも輝く能力を持ったナイスカード! どちらもアンコモンなのでデッキも組みやすいのが嬉しい。
《先兵の飛行士、ハービン》も見逃せない。
2マナで3/2の飛行! 伝説で複数体並べられないとはいえ非常に優れたスペックが頼もしすぎる。兵士が5体以上並んでいる状態で攻撃すれば全体強化に加えて飛行も与えるので、飛行に耐性のないデッキはこれでノックアウトだろう。
地上でのにらみ合いを打破する必殺の能力、誘発させるためにも《毅然たる援軍》を使ってスピーディーに5体の兵士を用意しよう。
素のサイズは小さくとも、ハービンと《雄々しい古参兵》でまとめて強化すれば良いのだ。
さらに《包囲の古参兵》も粘り強いカードで、戦場を維持し続ける仕事人ぶりを見せてくれるはず。
このリストは単に兵士を展開するだけのアグロでなく、インスタント・タイミングで動くことも良いアクセントになっている。《過充電縫合体》と《交渉団の保護》による打ち消しだ。
縫合体は自身を生け贄に捧げてもいいし、兵士・トークンや《ヨーティアの前線兵》のような消費しても痛くないクリーチャーを餌にしてもOK。戦場に残した場合は飛行持ちとして打点にも貢献だ。
そして《交渉団の保護》、これはついにそのポテンシャルを完全発揮することになるかと期待が高まる1枚。クリーチャーの数だけの追加コストを要求する打ち消しであり、キッカーを支払えば兵士・トークンを生成。恩恵をたっぷり受けられるようになったそのトークンを活かしつつ、相手の除去などこちらの攻撃を止める手段をしっかりと妨害!
クリーチャーを展開して攻撃しつつ打ち消しでゲームの流れをこちらが掌握するデッキはクロック・パーミッションと呼ばれる。今後はこのような兵士型クロック・パーミッションに要注意だな。「打ち消されない」の一文を持ったカードへの信頼度がグイッと上昇することになるか?
『兄弟戦争』にてウルザとともに戦った兵士たち。彼らの生きざまを文字通りの戦場で再現するのは、指揮官であるあなただ。さあ、命令を! 兵士を率いて、スタンダードを行進せよ!
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