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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:《傲慢なジン》デッキを考える(パイオニア&エクスプローラー)
今週もクールを最大重視する形でお届けするCool Deckのお時間がやって来た。
いや~先週末(10月最終週)はクールだったねぇ、世界選手権に「Magic 30」@ラスベガス! 30周年の始まりを記念するイベントは、場内の空気感を現地の方々のSNSから感じ取ったよ、あのイベントは似たようなものを日本でもやってほしいな! 日本のマジックファンもアメリカに負けず劣らずクールな人たちですよ、お祭りウェルカム~ッ。
世界選手権の方は言うまでもなく熱戦が繰り広げられた。当コラム的にはクールなデッキを求める視線で見てしまうものだが、さすがは選ばれし32名のプレイヤー。きっちりとデッキ欲に応えてくれる逸品との出会いがあった。青赤の《傲慢なジン》デッキだ。
これに関しては、すでに解説をさせていただいた。本当にクールでたまらないデッキだ。
繊細・緻密なプレイングが求められるのは重々承知の上、自分が完璧に操れるようなデッキではないだろうが……チャレンジするのは自由だよ、それがクールだよ!
というわけで、《傲慢なジン》を用いた青赤デッキを真似ることにしてみた。ただ普通に丸ごとコピーするのもちょっとクールさに欠けるような気もする(トーナメント用のデッキなのでランク戦に適しているかは別の話だしね)ので、ここは元リストにリスペクトを表しつつ、アレンジしてみることにしよう。どうだろう、パイオニア仕様にしてみるのは?
世界選手権の熱からバトンタッチ、次なる熱戦は日本国内! プレイヤーズコンベンション内のメインイベント2種はパイオニアなので、ここはクールなデッキをホットなフォーマットにて再現だ!と意気込んで、今回の当コーナーはデッキを作ってみることにした。
実験的なリストは、手軽さを買ってMTGアリーナのエクスプローラーで回すことにした。
まずパイオニアで青赤2色のデッキといえば《砕骨の巨人》と《厚かましい借り手》の出来事クリーチャーを代表する2枚が思い浮かぶ。
どちらも出来事ならインスタントとして唱えられる。《傲慢なジン》はインスタントとソーサリーのコストを{1}軽減する。ということはこれらのコストはそれぞれ青と赤の1マナに! ただでさえカード2枚分の仕事をする強力なクリーチャーだが、より軽く運用できるのはクールな限り。クリーチャー陣はこれらと主役のジンを4枚ずつで安定するんじゃないかな。
ジンのコスト軽減能力、これに注目して現在パイオニアおよびエクスプローラーであまり使われていない、ちょっと重いなと避けられているカードの中からデッキパーツを選定しよう。そういった中にこそクールな宝が潜んでいるものだ。
カードプールをアリーナで眺めていて目に留まったのは《ゼロ除算》だ。
ちょいと懐かしい、スタンダードでは最高のインスタントだったタイミングもある逸品だ。マナ総量が1以上の呪文やパーマネントを手札に戻す、打ち消しでありバウンス除去でもある便利な1枚。そしてサイドボードから講義・カードを手札に加えられることで手札を減らさずにそれらを行えるというのがユニークでクールだ。
3マナとこのフォーマットで使うには少々重めであるが、そこをジンで軽減すると使い勝手は大きく改善されるのでは?というのが構築のスタートラインとなった。講義カードもソーサリーなので、これまたジンと相性◎。減った手札を補充できる《アルカイックの教え》やジンにサイズアップと警戒を与える《拡張解剖学》など、効果的に働きそうな選択肢もあるね。
打ち消し枠にはこの《ゼロ除算》を採用決定!
後は同じ3マナの打ち消しである《イオン化》も2マナになればかなり使い勝手が良くなりそう。
《高尚な否定》もジン&《厚かましい借り手》と飛行持ちが主役なのでかなり強烈な打ち消しとして機能してくれそうな予感……。
赤が担うクリーチャー除去も選択肢豊富だ。とりあえずジンがいれば1マナになって、4点とダメージの大きい《溶岩コイル》を使うか……と回していたら、プレビューでその上を行くカードが発表された。《抹消する稲妻》!
プレインズウォーカーにも飛ぶようになって、より無駄になりにくい除去の登場だ。プレイヤーにダメージを飛ばせる《稲妻の一撃》とも迷うところだが、ソーサリーであるとはいえダメージ値を優先してこちらを。
インスタントとしては定番の《削剥》が良いかな。《大牙勢団の総長、脂牙》にも《パルヘリオンⅡ》にも対処できるのは素晴らしいね。
全体3点ダメージは魅力的で、ジンも落ちないので安心して相手の小粒を薙ぎ払える。ダメージを与えて死亡するクリーチャーを追放できる《神々の憤怒》と比べた時、《兄弟仲の終焉》はアーティファクトを破壊できるモードがあるのがどれだけ魅力に映るか、というところ。《魔女のかまど》《鬼流の金床》に食物や宝物などを展開する「ラクドス・サクリファイス」や《幽霊火の刃》《ジンジャーブルート》で仕掛けてくるアーティファクト系アグロといった3マナ以下のアーティファクトを使うデッキがどれぐらいの数存在するか? デッキの流行り具合に左右される1枚ではある。
これらのことを反映したリストを何度か回してみて……とりあえずこんなデッキでどうでしょうというところまで。
4 《島》 3 《山》 4 《蒸気孔》 4 《尖塔断の運河》 4 《河川滑りの小道》 1 《バグベアの居住地》 -土地(20)- 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《傲慢なジン》 -クリーチャー(12)- |
4 《考慮》 4 《選択》 2 《潜水》 4 《高尚な否定》 2 《削剥》 2 《ジュワー島の撹乱》 2 《溶岩コイル》 1 《一瞬》 4 《ゼロ除算》 2 《神々の憤怒》 1 《イオン化》 -呪文(28)- |
1 《環境科学》 2 《アルカイックの教え》 1 《ご破算》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(5)- |
《抹消する稲妻》《兄弟仲の終焉》は未実装なのでそれぞれ《溶岩コイル》《神々の憤怒》で代用。土地の枚数は極力減らして《考慮》《選択》で引き込む構成に。
《ジュワー島の撹乱》で実質土地のカードを水増しする構築もなんだか懐かしい。
ジン抜きでもナチュラルに1マナで唱えられる赤い除去、《絞殺》《火遊び》などを採用するかどうかが悩ましいところ。もっとバーンに寄せて《稲妻の一撃》《魔術師の稲妻》《損魂魔道士》などアグレッシブな構成にしても面白そうだなと。
1 《島》 4 《蒸気孔》 4 《尖塔断の運河》 2 《シヴの浅瀬》 4 《河川滑りの小道》 1 《バグベアの居住地》 1 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(18)- 4 《僧院の速槍》 4 《損魂魔道士》 4 《若き紅蓮術士》 3 《戦闘魔道士の隊長、バルモア》 2 《帳簿裂き》 -クリーチャー(17)- |
4 《考慮》 4 《火遊び》 4 《無謀な怒り》 3 《選択》 1 《棘平原の危険》 1 《絞殺》 4 《心を一つに》 4 《宝船の巡航》 -呪文(25)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》 -相棒(1)- 2 《引き裂く流弾》 2 《呪文貫き》 3 《霊気の疾風》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《削剥》 1 《丸焼き》 1 《神秘の論争》 2 《未認可霊柩車》 -サイドボード(14)- |
こちらは《傲慢なジン》と同じく『団結のドミナリア』からやってきた《戦闘魔道士の隊長、バルモア》を用いたアグレッシブな青赤。
味方のクリーチャー全体にパワーの上昇およびトランプルをもたらす強力な能力を持ち、これを他の果敢持ちや《若き紅蓮術士》と組み合わせて押せ押せと言わんばかりにインスタントとソーサリーを連打。
《心を一つに》で手札を補充できるのが強み。紅蓮術士は人間とそうでないクリーチャーを用意できる点でも噛み合っていてなかなかクール。
《宝船の巡航》が使えるのも、このカードの全盛期を知るプレイヤーからするとグッとくるだろう。《僧院の速槍》が『兄弟戦争』で再録されるので、エクスプローラーでも似たようなデッキが組めるのは要注目ポイント。
今回は《傲慢なジン》を用いたパイオニアおよびエクスプローラーのデッキを考えてみた。組んで回してみても、ブン回れば圧倒的・ドローに恵まれないとペラッペラ……なムラが強いのが難点だなと。なので、同じような発想でデッキを組む人はジン以外にもデッキの軸になる単体で強いカードを意識してみると、クールな結果につながるかもしれないので頑張って。
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Don't be a haughty guy!!
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