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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:シブさの極み、モダンにおける『団結のドミナリア』新戦力(モダン)
我々はクールを求めているんです! わかってくださいッ!
どうも岩SHOWです。この金曜日の定番コーナー、Cool Deckもスタートしてから長い……もう2年くらいやってるのかな? 自分で振り返るのはなんだかいろんな意味で怖いので遠慮しておくが、毎週クールクールと連呼している内に数々のセット、数えきれないカードが出現しては次の世代が誕生していったんだなぁと考えると……やっぱりマジックはクールだなと。
『団結のドミナリア』も新たなクールのページを開いてくれて、そして時の流れとともに「懐かしいよなぁ」と思える遠い思い出になっていくのだろう。
『団結のドミナリア』にはマジック感を覆すぶっ飛んだ新能力を与えられたようなカードはなく、全体的に基本セット的なポジションかなと個人的には感じている。《硫黄泉》などの基本セットで定番だった2色土地が久しぶりに再録されていることもそう思わせるのかもしれない。
基本セットっぽいということは、特殊な新デッキを生み出すという起爆剤的な活躍というよりも、さまざまなデッキのそれこそ「基本的なパーツ」をアップデートする、そういういぶし銀なシブくクールな活躍を見込んでカードを採用すると、成果を得られそうな予感。
スタンダード以外のフォーマットではどうだろうか。たとえばモダン。並みいるパワーカード群を押しのけて採用される……デッキに入るまでのハードルがかなり高いフォーマットである。そこで使用されている『団結のドミナリア』のカードはあるだろうか? 答えは……。
10 《山》 3 《バグベアの居住地》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 2 《宝石の洞窟》 2 《廃墟の地》 -土地(18)- 4 《歴戦の紅蓮術士》 2 《砕骨の巨人》 2 《怪しげな統治者、スクイー》 4 《激情》 -クリーチャー(12)- |
3 《棘平原の危険》 4 《血染めの月》 4 《鏡割りの寓話》 4 《死亡 // 退場》 4 《髑髏砕きの一撃》 4 《虚空の杯》 4 《未認可霊柩車》 3 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(30)- |
3 《月の大魔術師》 4 《漸増爆弾》 4 《虚空の鏡》 3 《略奪》 1 《目覚めた猛火、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
「赤単プリズン」「ドラゴン・ストンピィ」などと呼ばれる、赤い攻撃的でありかつコントロール要素も持ったデッキだ。
《宝石の洞窟》や《鏡割りの寓話》などによりマナ加速し、《虚空の杯》《血染めの月》などの妨害パーマネントを設置。
抵抗する術が半減した対戦相手に《反逆の先導者、チャンドラ》などのパワーカードを叩きつけて圧殺する。
傲岸不遜とでも形容しようか、一方的な展開に無理やり持っていって勝つマジックが大好きなプレイヤーにはたまらないアーキタイプだ。
この赤単、クリーチャーのチョイスが重要になってくる。モダンであれば《ゴブリンの熟練扇動者》が人気が高いね。
このクールなゴブリンはカード1枚でクリーチャー複数体分になり、トークンをばら撒きながら本体は高い打点を得るというデンジャラスな3マナ域。
上記のリストではこの熟練扇動者と似たような働きをしてくれることに期待して《怪しげな統治者、スクイー》を採用!
『団結のドミナリア』からやってきた、歴代3枚目の新たなスクイーの登場だ。この不死身のゴブリンは今や王様となっていたが、一族にファイレクシアの潜伏工作員がいることに気付き……ドラマチックな展開を経て、新ファイレクシア打倒のために立ち上がった。
ドミナリア出身の人物の中でも高い人気を誇るスクイー。今回のカードは3マナで速攻持ち&攻撃するとお供のトークンを引き連れる、熟練扇動者に似た1枚で複数体のゴブリンとして働きをする。
スクイーらしく墓地から唱えることで復活し、全体除去を撃たれても安心。そして熟練扇動者の弱点である「ゴブリンが勝手に攻撃してしまう」というデメリットもなく、状況によってはトークンらをブロック役にすることも可能という柔軟さがクールだ。
ハチャメチャに強い熟練扇動者と、安定感あふれるスクイー。同じマナ域の似た者同士、君ならどちらを選ぶだろうか?
《歴戦の紅蓮術士》《鏡割りの寓話》の手札を捨てる能力と、墓地から唱えられるというスクイーの噛み合いっぷりは、手放しに「クール」と高く評価していいと思うね!
2 《冠雪の森》 1 《冠雪の平地》 2 《冠雪の島》 1 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 2 《神聖なる泉》 1 《スパーラの本部》 4 《霧深い雨林》 3 《溢れかえる岸辺》 3 《吹きさらしの荒野》 -土地(20)- 4 《貴族の教主》 4 《氷牙のコアトル》 4 《前兆の壁》 2 《花の壁》 4 《魂寄せ》 3 《霊気の媒介者》 3 《永遠の証人》 2 《玻璃池のミミック》 1 《忍耐》 3 《孤独》 -クリーチャー(30)- |
4 《儚い存在》 4 《集合した中隊》 2 《時間のねじれ》 -呪文(10)- |
2 《ブレンタンの炉の世話人》 3 《翻弄する魔道士》 2 《秋の騎士》 1 《拘留代理人》 1 《忍耐》 2 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《孤独》 2 《沈黙》 1 《時間のねじれ》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
今日はモダン環境からもうひとつ、クールでシブい新カード搭載デッキをお届け。
緑白青、バントと呼ばれる爽やかなカラーのこのデッキは《儚い存在》《魂寄せ》がキーカード。
これらのクリーチャーを一時的に追放し、戦場に戻す……お馴染みとなった解説だが通称「ブリンク」と呼ばれるアクションで《前兆の壁》などの能力を使いまわしての勝利を狙った「バント・ブリンク」デッキだ。
《永遠の証人》を上記2種のブリンクカードで出し入れし《時間のねじれ》を回収し続けて無限ターンというのが最もクールな勝ち筋。対戦相手にターンをやらなければ、負けることはないッ!
他にも《孤独》でクリーチャーを、《忍耐》で墓地を追放し続けるのも超強力。
ここに新たに加わったのが《霊気の媒介者》だ。
このウィザードは3つのモードを状況に合わせて使い分ける。鳥を呼ぶか、土地以外のパーマネントを1枚手札に戻すか、カードを1枚引くか。
ここで注目したいのは2番目の能力。対戦相手のクリーチャーなどを戻して時間稼ぎが行えるとともに、自身のパーマネントを戻してしまうことでブリンクとはまた別のルートで各クリーチャーの能力を再利用してしまえるぞ。
ブリンク・セットが揃っていない時にはこれで繋ぐのはもちろんのこと、これをブリンクできるようになれば相手の戦場を空っぽにしてしまえるだろう。
トークン生成もドローもどんなマッチアップでも無駄にならず、派手さはなくとも着実にプレイヤーを勝利へと導いてくれる、クールでユーティリティーな1枚だ。
クールなまとめ
『団結のドミナリア』から《怪しげな統治者、スクイー》と《霊気の媒介者》、それぞれを用いたモダンのデッキを取り上げさせてもらった。
《黙示録、シェオルドレッド》のような派手目のカードもあれば、今回の2枚のようにいぶし銀なカードもある。両者のバランスがマジックというゲームを面白くクールなものにしていることは間違いない。
一見地味に見えるカードであっても、さまざまなフォーマットで実際に試すことでカードの真価を見極める、体験主義的な考えがマジックでは重要だ。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Experience everything!!
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