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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

『団結のドミナリア』新環境! エスパー中速編(スタンダード)

岩SHOW

 今回も『団結のドミナリア』参入後の環境を予測しながらスタンダードのデッキについて書いていこう。

 2022年、これまでのスタンダードを振り返ってみると……このカラーリングが目立ったな、という3色がある。白青黒のエスパーだ。

 この色の組み合わせ、除去や打ち消し、手札破壊などの妨害に長けているイメージが昔から根強いが……現スタンダードでは何といってもプレインズウォーカーにおいて最強のカラーリング! 『神河:輝ける世界』より《漆月魁渡》《放浪皇》が参入し、それまでもチラホラ見かけたエスパーカラーの中速デッキが大幅強化。

 どちらもトークンを生成しつつアドバンテージを得られる、1枚でゲームに勝てるフィニッシャーには申し分のないカードだ。

 そしてそこに『ニューカペナの街角』でエスパーカラーの常夜会一家のカードが加わった。《策謀の予見者、ラフィーン》によりさらにクリーチャーで攻める力が向上。手札に必要なカードを引き込みつつ強化したクリーチャーで圧倒するビートダウンの完成だ。

 プレインズウォーカーとクリーチャー、双方において優秀なエスパーの前環境におけるリストがこちらら。

Mario Halim - 「エスパー・ミッドレンジ」
MTG SEA Championships Indonesia Open / スタンダード (2022年8月28日)[MO] [ARENA]
4 《ラフィーンの塔
2 《さびれた浜
4 《連門の小道
3 《砕かれた聖域
4 《陽光昇りの小道
2 《難破船の湿地
4 《清水の小道
1 《皇国の地、永岩城
1 《目玉の暴君の住処
-土地(25)-

4 《光輝王の野心家
4 《しつこい負け犬
4 《策謀の予見者、ラフィーン
2 《常夜会一家の介入者
1 《軍団の天使
-クリーチャー(15)-
3 《冥府の掌握
3 《消失の詩句
2 《かき消し
1 《軽蔑的な一撃
4 《婚礼の発表
1 《エメリアの呼び声
1 《食肉鉤虐殺事件
2 《漆月魁渡
3 《放浪皇
-呪文(20)-
3 《軍団の天使
1 《忘れられた大天使、リーサ
2 《強迫
2 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント
1 《軽蔑的な一撃
1 《否認
2 《危難の道
3 《勢団の銀行破り
-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 新環境のエスパーについて考えるなら、まずはこのリストからローテーションにより失われるカードをピックアップしていこう。クリーチャーではやはり《光輝王の野心家》、この極上の2マナ圏がいなくなるのはデカい損失だ。

 見たら即除去しろと言われ続けて2年、ついにこの白の打点の源もスタンダードを去るんだな。お世話にもなったし、憎くもあった。時代を象徴した名カード、お疲れさんやで!

 それから3色デッキということもあって、気にしなければならないのは土地関連。前シーズンまでわがままなデッキの足元を固めてくれたマナ基盤、マジックの基本中の基本である土地。《連門の小道》など2色両面土地、小道サイクル。これも短いようでかなり長い期間、あらゆるデッキでお世話になった。

回転

 10種類もの2色土地が一気にスタンダードを去る……大丈夫なのか、エスパー? どれだけカードが強くても、基本土地のみでデッキを組むのはかなりしんどいぞ。

 そこはご安心を、2色土地の里ドミナリア! 『団結のドミナリア』からは久しぶりにダメージランド(もしくはペインランド)と呼ばれるサイクルが再録だ!

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 無色マナを得るか、1点ダメージを受けながら2色どちらかのマナを得られる。初心者の時はなんでマナを得るためにダメージを受けなきゃならんのだと疑問に思っていたが、多色デッキでプレイするようになるとライフぐらい持っていってくれて構わんから好きなマナをくれ!と思ってしまうもの。

 幸いダメージランドは、色マナの供給が安定すれば無色マナだけ得て不特定マナの支払いに充てる形で運用できる。リスクと安定感を併せ持った、個人的に最も好きな土地サイクルだ。

 今回スタンダードにやって来たダメージランドは6種類。エスパー的には……《アダーカー荒原》と《コイロスの洞窟》と2枚もある。《ラフィーンの塔》などと組み合わせることで、白を中心としたエスパーは問題なく運用できるはず。

 3色なので、失うものはあっても同じような役割のカードをなんなりと見つけてきて埋めることができるのはエスパーの魅力である。

 冒頭で触れたプレインズウォーカーとクリーチャー、デッキの軸は2022年産なのでローテーション後もバッチリ残ってデッキの主役になってくれる。

 その上でドミナリアの新規カードから戦力を探すと……話題の《セラの模範》はやはり外せなくなってくるか。

jp_OEed5krSGE.png

 《夢の巣のルールス》の帰還と期待されているこの天使、墓地からマナ総量が3以下のパーマネント呪文を唱えられるということで……《策謀の予見者、ラフィーン》らの謀議能力との噛み合いっぷりはえげつないな。再録カード《ヴェールのリリアナ》で捨てた手札を即座に唱えられる点も見逃せない。

 他には個人的にグッときた1枚が《永遠の策謀家、ズアー》。

jp_GMD7FbZXGS.png

 エンチャントを操る狂人、まだドミナリアで生きていたとは感激だ。イラストには彼の象徴的アイテム《ズアーの宝珠》に加えて、《Mystic Remora》《ネクロポーテンス》と名エンチャントが描かれているのがたまらないぜ。

 エンチャントを永続的にクリーチャー化させ、さらにそれに接死・絆魂・呪禁と素晴らしい能力をてんこ盛りで付与。上記のリストにある《食肉鉤虐殺事件》《婚礼の発表》をクリーチャー化させるだけでも十分に強力な盤面を作れそうだ。

 さらに一緒にやって来た《一時的封鎖》《力線の束縛》《要塞の闘技場》などのエンチャントも組み合わせれば……楽しいデッキが作れそうだぜ。

岩SHOW - 「エスパー・エンチャント・ミッドレンジ」
スタンダード (『イニストラード:真夜中の狩り』~『団結のドミナリア』)[MO] [ARENA]
1 《平地
1 《
4 《ラフィーンの塔
1 《スパーラの本部
4 《アダーカー荒原
2 《さびれた浜
4 《コイロスの洞窟
2 《砕かれた聖域
3 《難破船の湿地
1 《皇国の地、永岩城
1 《天上都市、大田原
-土地(24)-

2 《神憑く相棒
2 《しつこい負け犬
4 《策謀の予見者、ラフィーン
2 《永遠の策謀家、ズアー
2 《セラの模範
1 《常夜会一家の介入者
1 《復活したアーテイ
-クリーチャー(14)-
3 《一時的封鎖
2 《力線の束縛
2 《冥府の掌握
1 《切り崩し
1 《ローナの渦
1 《かき消し
1 《要塞の闘技場
4 《婚礼の発表
2 《食肉鉤虐殺事件
2 《ヴェールのリリアナ
1 《漆月魁渡
2 《放浪皇
-呪文(22)-

 そんなわけで《永遠の策謀家、ズアー》を意識した「エスパー・エンチャント・ミッドレンジ(中速)」を仮組みしてみた。

 《神憑く相棒》は2マナ圏を埋めつつ自分の《一時的封鎖》に巻き込んでしまってもまあ良いかと思えるカードで、かつクリーチャー・エンチャントなのでズアーで接死を持つことで地上をガッチリと固めてくれることに期待しての採用だ。

 もっとズアーに寄せまくって、すべてエンチャントというデッキを作っても至福のひと時を過ごせるだろうが、とりあえず強さがある程度確約されている既存のデッキに乗っかる形で無難に運用できたらなと。

 ダメージランドで失ったライフはズアーで《力線の束縛》なんかをクリーチャー化させて後半取り返す! ラフィーンやらプレインズウォーカーやら、既存の勝ち手段と良い感じに波状攻撃を仕掛けられれば……と、リリース直前に夢を描いているところ。「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン 2022」にもし参加するなら、僕はこういうズアーデッキを組めたらなと考えているところだ。

 同じ思いを抱いているプレイヤーに、ほんの少しでも参考にしてもらえれば幸いだ。賞金ゲットの報告、待ってるぜ~皆が納得のいく成績を残して、そして何よりゲームを楽しめることを願ってます!

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