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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
『団結のドミナリア』新環境! 赤単アグロ編(スタンダード)
ついに始まるぞ、スタンダード新時代!
『ニューカペナの街角』以来となるスタンダードの新セット『団結のドミナリア』が登場! このコラムが公開される週の金曜日に紙のカードが販売開始となり、すでにオンラインではリリースされていることだろう。
これを書いているのはまだ全カードが公開されている直後で、実際にドミナリアのカードをプレイしたわけではないのであしからず……というわけで、今回からはドミナリアとともに激変がもたらされるスタンダードのデッキについて考えてみよう!
17 《山》 3 《バグベアの居住地》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(21)- 4 《兎電池》 4 《血に飢えた敵対者》 4 《土建組一家の調達者》 4 《無謀な嵐探し》 2 《髑髏砕きの突撃者》 1 《傷頭のアーニ》 4 《轟く雷獣》 2 《不気味なくぐつ師》 1 《移り気な放火魔》 -クリーチャー(26)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 2 《火遊び》 2 《棘平原の危険》 3 《神の火炎》 2 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(13)- |
1 《髑髏砕きの突撃者》 2 《祭典壊し》 2 《絞殺》 4 《浄化の野火》 3 《轟く叱責》 3 《勝負服纏い、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
上記は『ニューカペナの街角』環境最終盤での「赤単アグロ」。やはり新しい環境のスタートはアグロデッキで気持ちよく突き進んでいきたいもの。
アグロと言えば赤単! 速攻とダメージ呪文によるライフに向かって真っすぐ一直線な構成は、マジック初心者でもデッキの目的が分かりやすくオススメできるものだが、それで勝ち続けるのには腕も求められる。やりこみ甲斐のある、好きな人には長く付き合えるアーキタイプである。
このシーズンには歴代でも指折りのクリーチャー化する土地《バグベアの居住地》でゲーム終盤での攻め手が途切れるのを防げるのがとにかく強かった。
そんな安心感に支えられながら、低コストのクリーチャーを序盤から展開し、積極的に攻撃を仕掛けていく。《熊野と渇苛斬の対峙》はダメージ源でありクリーチャーを改善する手段であり、《轟く雷獣》のダメージを後押ししつつもそれ自身もクリーチャーであるというスーパーカードで、「赤単アグロ」の柱とも言える1マナ域だ。
《無謀な嵐探し》《兎電池》などとにかく速攻、前のめりに息つく暇を与えないラッシュで押し切るのだ。
さて、『団結のドミナリア』環境。まず前提として、上記のデッキはこの新しいスタンダードではもう用いることはできない。ドミナリアのスタンダード入りと同時に、『イニストラード:真夜中の狩り』より古いセットはローテーションでスタンダードから抜けることになる。上記のリストでも、それこそ精神的支柱であった《バグベアの居住地》をはじめ、いくつかのカードが抜けてしまう。
《棘平原の危険》《髑髏砕きの一撃》が抜けるのも痛いところだ。
ダメージを与える除去呪文であり、同時に土地としても運用できるこれらのカードは、土地の枚数を削って構築したいアグロデッキにおいて非常に優れたものだった。
使い勝手の良い土地回りがなくなり、一部のクリーチャーも抜けるので、そこを埋めるカードを『団結のドミナリア』から見つけなければならない。
ドミナリアからやって来た新戦力、赤いアグロデッキにとってはまずこの1枚に反応せざるを得ない。《稲妻の一撃》!
スタンダードの定番ダメージ呪文として、様々なセットに収録され続けてきた歴史ある1枚だ。2マナで3点のインスタント、これの優れているところは何と言ってもプレイヤーも対象にできること。クリーチャーの攻撃をねじ込むため、相手のブロック役を除去するために使いつつ、残りライフがわずかになればプレイヤー本体に投げつけてフィニッシュ!
クリーチャーにしかダメージが飛ばないものは、状況や相手のデッキにとっては無駄なドローになりやすい。プレイヤーに直接投げつけてゲームをいち早く終わらせる、直接火力と呼ばれる類の呪文はどんな相手にでも与えられた役目を全うできる。《稲妻の一撃》、おかえり! 最近は直接火力の類がめっきり減って、もう会うことはないかとさえ思っていたよ……。
クリーチャー陣では1マナで飛行&速攻持ちの《フェニックスの雛》が期待のかかるものだね。
1/1と小さく、またブロックに参加はできないながらも空から確実にダメージを通し続ける。死亡してもクリーチャー3体で攻撃すれば、改善された状態で蘇る! 見た目もかわいく、実にフェニックスらしいしぶとさからも人気を集めるカードになることだろう。
インスタントやソーサリーに寄せた構築にするなら《静電式歩兵》や《ケルドの炎賢者》なども良い候補になってくる。
が、これらと相性が良いのは《考慮》のような軽量のドロー呪文。ということで青を足したデッキでこそ真価を発揮することになるだろうね。その際には《戦闘魔道士の隊長、バルモア》は必須となるね。
既存の2色土地に《シヴの浅瀬》を加えて、ストレスのない赤タッチ青デッキを運用しよう。
2マナ以下のクリーチャーに関しては、パッと見たところ既存のものにとってかわるようなカードはなさそう。《ヤヴィマヤの鋼潰し》はアーティファクトデッキに対する良きサイドカードになりそうってところか。
逆に3マナ以上にはかなり惹かれるものが揃っている。《怪しげな統治者、スクイー》は1枚で戦場を作れるポテンシャル持ち、そしてスクイーらしく死ぬことはなく何度でも起き上がって攻撃してくる。3マナ2/2?と侮っていると手が付けられないことになりそうだ。
《シヴの壊滅者》は注いだマナが多ければ多いほど強くなる、わかりやすい新たなドラゴン。
他に選択肢がないターンでは3マナ2/2でサクッと走らせ、終盤は6マナ5/5でドシッと一撃。何枚採用するか、バランス感覚が問われる性能だね。
それ自体はクリーチャーではないが、果敢持ちのモンクを生成して戦場を作っていける《焦熱の交渉人、ヤヤ》も気になる1枚。
どちらかというとサイド後に力を発揮するカードかな。自分よりも速度が遅いデッキであれば、これをサイドインして長期戦も戦えるようにすると安定感が増す。かつての「赤単アグロ」においてサイドの大定番だった《反逆の先導者、チャンドラ》のような用心棒ポジションを勝ち取れるか?
シブいところだと《槌手》はちょっと懐かしの再録。
一見ちっぽけなオーラだが、コイツをナメちゃいけないぜ。たった1マナで、タフネスが99あろうがなんだろうがブロックに参加できなくしてしまう能力はバカにしてはいけない。攻撃を通してそのまま勝てば、確定除去みたいなもんだ。クリーチャーのサイズ強化に速攻も与えてと、他に果敢など誘発できればもう言うことなし。
ローテーションにより失ったものは《バグベアの居城地》などの土地周り。手痛くはあるが、《稲妻の一撃》の帰還を始め、新戦力も得た「赤単アグロ」。相変わらず速攻持ちのクリーチャーが多く、もたもたするデッキは一気に押し切れてしまうのが魅力的。環境初期にはやっぱりこれ。見る機会が最も多い時期になることが予想できるので、近くのショップで遊ぶ際にはライフ回復や除去を気持ち多めに用意しておこう。
または赤単を手に……「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン 2022」に参加して、勢いのままに優勝賞金50万円を目指してみるってのも……良いよなぁ。
(編注:上記イベントの参加登録は、掲載時点で締め切っております。)
さあ、次回以降もこのオープントーナメントも見据えつつ、新スタンダードのデッキを考えてみるとしよう!
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