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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
個性際立つチームのチョイス!(モダン)
前回は久々の開催となったBIG MAGIC OPENに行ってきたこと、紙のカードの大会の喜びを書き綴らせてもらった。そして初日のメインフォーマット、レガシーの優勝デッキなど……まだ読んでいなかったら、ぜひともお暇な時にでも。
今回はこのBMO、2日目のメインイベントについて。2日目の賞金制トーナメントのフォーマットに選ばれたのは「チームモダン」! せっかくの大会の再会、だったら仲間と遊べばもっと楽しめる!という思いからこのフォーマットが選ばれたのだろう。仲間がいるのは良いもんだ、喜びは仲間の数だけ増し、悲しみは仲間の数だけ分かち合える。チームメンバーを揃えたら、さあ後はデッキだけだ。
構築フォーマットのチーム戦において、ひとつ大きなルールがある。それは基本土地以外のカードはチームの3つのデッキ間で共有できないということ。1つのデッキで1枚でも《稲妻》を使ったら、残りの2つのデッキで使用することは不可能になる、と。
これはそのまま土地に対しても適用される。《霧深い雨林》などのフェッチランド、《神聖なる泉》などのショックランドといった多色デッキの基本的なマナ基盤を、1つのデッキが使うとほかのデッキは一切使えなくなるのだ。
そんなわけでモダンのデッキを3つ揃えるのであれば、可能な限り色が被らないように組むのがベストだ。それを踏まえた本命の組み合わせは……《濁浪の執政》《ドラゴンの怒りの媒介者》《表現の反復》を使う青赤、《スランの医師、ヨーグモス》と《絡み根の霊》など不死クリーチャーを組み合わせた黒緑、そして《シガルダの助け》《巨像の鎚》で大暴れな白単(ないし青や黒を足したもの)。この3つを組み合わせると色もパーツも被っておらず、いずれもモダンの強力なアーキタイプなので最強だと目されていた。事実、優勝チームはその3つの組み合わせだった。
ただそれしかいないというわけではなく、個性的なチームの姿を見ることも多く、フィーチャーマッチは常に新鮮で楽しいものだった。たとえば3位のチームは……
3 《島》 1 《森》 4 《繁殖池》 4 《霧深い雨林》 4 《新緑の地下墓地》 3 《魂の洞窟》 -土地(19)- 4 《激浪の形成師》 4 《アトランティスの王》 4 《真珠三叉矛の達人》 4 《マーフォークのペテン師》 4 《銀エラの達人》 4 《メロウの騎兵》 4 《海と空のシヴィエルン》 1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》 -クリーチャー(29)- |
4 《楽園の拡散》 4 《否定の力》 4 《集合した中隊》 -呪文(12)- |
1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》 3 《忍耐》 3 《緻密》 2 《四肢切断》 2 《神秘の論争》 4 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
まず1人目は「青緑マーフォーク」。《アトランティスの王》《真珠三叉矛の達人》らを《集合した中隊》で展開して圧倒的な武力で押し切るパワフルな部族デッキだ。
このリストの面白いところは《楽園の拡散》の採用。
このオーラを用いて得られるマナを増やし、展開力を支える。特に《メロウの騎兵》との組み合わせは特筆すべきもの。
マーフォークを唱えることでパーマネントをタップ or アンタップできる騎兵の能力を用いて、拡散が付いた土地をアンタップ。2マナ得られる土地を使いまわしてどんどんと強力な盤面を作っていこうというわけだ。
このテクニカルなデッキに青緑系の土地を託して、さて2つ目のデッキは……
1 《沼》 1 《山》 3 《血の墓所》 2 《湿った墓》 1 《蒸気孔》 3 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《敏捷なこそ泥、ラガバン》 3 《ドラゴンの怒りの媒介者》 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 1 《厚かましい借り手》 -クリーチャー(14)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 1 《致命的な一押し》 4 《邪悪な熱気》 1 《稲妻》 4 《表現の反復》 3 《湖での水難》 2 《激しい叱責》 2 《疑念の影》 1 《コラガンの命令》 -呪文(27)- |
4 《ダウスィーの虚空歩き》 2 《戦慄の朗詠者、トーラック》 2 《高山の月》 2 《呪文貫き》 2 《終止》 2 《コラガンの命令》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
「グリクシス(青黒赤)死の影」! モダン最強の1マナ圏である《敏捷なこそ泥、ラガバン》は使わなきゃ損。
この猿とともに《ドラゴンの怒りの媒介者》も使い、これの諜報で貯めた墓地を濁浪に使うのではなく《死の飢えのタイタン、クロクサ》に費やす。
《思考囲い》に《コジレックの審問》にと、黒ならではの手札破壊と《湖での水難》でコントロール。
ライフが減ったら《死の影》を繰り出して、攻撃あるのみ。
《表現の反復》など青赤系の良いところをいただきつつ、それらへの対策だけでは対抗しづらい黒を中心とした構築が光るね。
1 《森》 1 《平地》 1 《島》 1 《寺院の庭》 2 《神聖なる泉》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《聖なる鋳造所》 1 《スパーラの本部》 1 《ラウグリンのトライオーム》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《乾燥台地》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《天上都市、大田原》 -土地(24)- 1 《ゴブリンの技師》 4 《現実の設計者、タメシ》 1 《不屈の追跡者》 2 《創造の座、オムナス》 3 《耕作する巨躯》 -クリーチャー(11)- |
4 《睡蓮の花》 4 《エラダムリーの呼び声》 4 《虹色の終焉》 2 《破滅の終焉》 4 《戦争門》 3 《レンと六番》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(25)- |
3 《ブレンタンの炉の世話人》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 1 《トーモッドの墓所》 1 《月の大魔術師》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 1 《殺戮の暴君》 1 《古鱗のワーム》 2 《狼狽の嵐》 2 《夏の帳》 1 《浄化の印章》 -サイドボード(15)- |
最後のデッキは「タメシ・ブルーム」! 《現実の設計者、タメシ》と《睡蓮の花》を組み合わせ、土地の数だけ睡蓮を再利用。
土地を戻しきったら《耕作する巨躯》でカードを引きつつ土地を再展開!
さらにタメシで花を愛で続け、たっぷりとマナを得たら《破滅の終焉》で巨躯とタメシらを強化&速攻付与で殴って勝ち……モダンでも有数のド派手なコンボだ。
このリストは4色になっており、《創造の座、オムナス》を採用したものとなっている。
実況中にチームモダンのルールを説明したところ「オムナスを見ることはなさそう」というコメントが多く見られたが、ところがどっこい、このリストの他にもオムナスを使用しているチームは少なくなかった。ショックランドを他のデッキに譲り《スパーラの本部》や《ラウグリンのトライオーム》などの3色土地を使うことで、この4色のパワーカードの運用するという戦術だな。
他の卓で戦う仲間の結果を聞いてガッツポーズ、チームで喜びをかみしめる……素敵な光景が会場では見られた。これからもこのかけがえのない時間が遠のいていかないように、僕らにできるベストを尽くすのみだね。近いうちに、チームレガシーやチームパイオニアも見たいぞ!
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