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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ケルーガ・ファイアーズ(パイオニア&エクスプローラー)

岩SHOW

 今週もきたぞ、クールなデッキで週末に向けて気持ちを高めるこのコーナーのお時間だ。

 夏……だね。いつもこの時期には小学生の夏休みを思い出すよ。あの頃は毎日外で遊んでいたものだが、今この気候でも同じことができるだろうか? うーん、さすがに厳しいか。MTGキッズは無理に外で遊べとは言わないので、暑すぎる日は涼しいところでマジックを楽しんでね! クールな室内で過ごしつつ、あまり冷たいものばかり食べたり飲んだりし過ぎないようにね! じゃあね〜。

 ……と、終わるわけにはいかないか。真夏になるとキッズの頃から、なぜか恐竜を思い浮かべる。灼熱の気候と青々としげる草木が太古の昔を想起させるのだろうか。あるいは夏休みのお友達向けに恐竜イベントが開催されがちなのもそれに拍車をかけているのかな。

 僕もよく親に連れて行ってもらって、神秘的な化石や迫力満点の復元像などに胸を躍らせたもの。それはもう、クールな思い出だ。ちょうどこの夏は恐竜映画も公開されているし、恐竜ライフを満喫しよう!

 マジックの多元宇宙にも、イクサランやドミナリアなど恐竜が生息している次元は少なからず存在する。中でもイクサランの恐竜と何か他の動物のハイブリッドは、見た目のインパクトが絶大だ。特に挙げるなら、恐竜ならではのゴツゴツ感とカバの丸みを併せ持つ《巨智、ケルーガ》は愛嬌満点でとてもクールだ。

 僕は相棒というシステムが好きなので、MTGアリーナでエクスプローラーをプレイする際には相棒デッキの構築に挑みたくなる。色々とやってきたのだが、ケルーガはデッキに2マナ以下の呪文をデッキに採用できないという制限が結構厳しい。なので、デッキ構築に悩んできたのだが……

ExoticRollerMTG - 「ケルーガ・ファイアーズ」
エクスプローラー (2022年7月26日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《
4 《蒸気孔
4 《天啓の神殿
4 《嵐削りの海岸
2 《ヴァントレス城
2 《バグベアの居住地
2 《天上都市、大田原
1 《反逆のるつぼ、霜剣山

-土地(26)-

4 《砕骨の巨人
3 《厚かましい借り手
4 《予見のスフィンクス
4 《炎の騎兵
2 《風の騎兵

-クリーチャー(17)-
4 《ゼロ除算
4 《鏡割りの寓話
3 《神々の憤怒
4 《創案の火
2 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(17)-
1 《巨智、ケルーガ

-相棒(1)-

1 《環境科学
1 《アルカイックの教え
1 《マスコット展示会
4 《虚空の力線
2 《神秘の論争
1 《神々の憤怒
2 《夢を引き裂く者、アショク
2 《目覚めた猛火、チャンドラ

-サイドボード(14)-
ExoticRollerMTG氏のTwitter より引用)

 

このクールなデッキは?

 《巨智、ケルーガ》を相棒としたエクスプローラー(およびパイオニア)のデッキだ。

 デッキを構成するのはいずれも3マナ以上の呪文。エクスプローラーという環境は《思考囲い》《ラノワールエルフ》《損魂魔道士》のように強力な軽いカードが揃っているので、1~2ターン目から展開していくデッキが圧倒的に多い。そんな中でケルーガの相棒条件はフォーマットの主流に逆行する、反骨精神にあふれたもの。これを「デッキが弱くなる」と取るか、「クールじゃねぇか、一緒にやってやるって!」と感じるかはプレイヤー次第。このリストはその後者が練り上げて、ミシックランクの上位に食い込んだクールな作品だ!

どこがどうクールなのか?

クールポイントその1:ケルーガ・オン・ファイアー

 このリストを見て懐かしく感じるプレイヤーも少なくないのでは? これは『イコリア:巨獣の棲処』が現役だった頃のスタンダードで見られた《創案の火》デッキをベースにしている。

 ケルーガは戦場に出た際に3マナ以上のパーマネント1つにつきカードを1枚引けるアドバンテージの稼ぎっぷりが魅力的だが、手札に加えるのに3マナ、唱えるのに5マナと、トータルで8マナもかかるのが難点ではある。

 そこで《創案の火》を用いてこれを唱えるためのマナを踏み倒そうというわけ。創案自体がケルーガのドローのためのカウントを増やすこともできるので非常に噛み合っている。当時のスタンダードでも5マナ以上の呪文を1ターンに2回唱えるというパワープレイで、数多のプレイヤーをねじ伏せたものだ。一時期はスタンダードで毎日見た光景だなぁ。

 創案デッキのフィニッシャーは個人の趣味により様々だが、このリストは当時のベストフィニッシャー《炎の騎兵》を用いている。

 マナを支払うことで自身の全クリーチャーのパワーを上昇させるとともに速攻を与える能力を有するので、これで《風の騎兵》などとセットで突然飛び出て20点!なんて光景も当時は多く目にしたものだ。

 この騎兵は手札の不要なカードを捨ててその分ドローすることも可能だ。さらに死亡すると墓地の土地の枚数分のダメージを対戦相手とプレインズウォーカーにばら撒く、能力全てが勝利に直結するパワフルでクールな1枚!

 《創案の火》は呪文を唱える際のマナの支払いをゼロにしてくれるが、土地がただ戦場に並ぶだけでマナを遊ばせてしまいがち。このもったいないマナをしっかりと有効活用できるという点で《炎の騎兵》は本当に優れている。

 《ヴァントレス城》や《バグベアの居住地》も同様の思想で採用されているってわけだ。

クールポイントその2:ケルーガには内緒だよ

 《創案の火》からのダイナミックな展開力で序盤の手数差を押し返すのがこのデッキの狙い。しかしながら完全にノーガードで最序盤を過ごすのも不安ではある。

 そんな悩みをクールに乗り越えるカードは、実は結構あるもんだ。例えばマナ総量3ではあるが、出来事呪文として2マナで唱えられる《砕骨の巨人》《厚かましい借り手》。

 これらのお陰で創案タイムに突入するまでの盤面をコントロールしようという算段だ。

 また《ゼロ除算》のように、メインデッキには入っていないカードをサイドボードから手札に加えるというのも、相棒デッキの制約をクールにスルーするテクニックだ。《環境科学》という2マナ呪文で創案のために必要な土地を確保しよう。

 他には《首謀者の収得》や《大いなる創造者、カーン》などが同様の役目を果たせるね。相棒以外にもサイドのカードを使いまくる、隠された第二のライブラリーを有効活用しようぜ。

 ケルーガもこの裏技は寛大に見逃してくれる……よね。

クールなまとめ

 一昔前のスタンダードのデッキを蘇らせたエクスプローラー版の「ケルーガ・ファイアーズ」。僕はケルーガの恐竜タイプに注目して《装飾庭園を踏み歩くもの》《原初の災厄、ザカマ》など他にも恐竜カードを採用したタイプを練り上げようなんて考えている。皆もカッコよくユーモラスな恐竜を楽しく使えるデッキを考えてみてね!

 それではまだまだ続く夏、楽しんでね!

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