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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
エネルギー・デッキの探究:え、あの時代って5年前?(パイオニア&エクスプローラー)
マジックに限った話ではないが、一体いつからを「最近」と呼んでいいのか困る。「あの映画観た?」「ああ最近やってたね」「いや最近ってもう4年前やぞ」「Oh……」みたいな会話がちょくちょくあって困るよ! 「最近のカードですけど○○が好きです」「そのセットもう8年前!」みたいな。
最近のスタンダード、と呼ぶからにはせめて使用可能セットが被っている範囲でないとニュアンスは伝わらなさそうだな。
たとえば5年前のスタンダードってどんな環境か覚えてる? 当時はまさに……エネルギー全盛期! 『カラデシュ』と『霊気紛争』がもたらしたエネルギー・カウンターという概念、それをコストに何かするカードたち。戦場に出ることがなく手札や墓地にも存在しない、実態感の薄い資源として登場したエネルギーがまさかあれほど強いものだとは、初見の時には思いもしなかったよ。《霊気との調和》から始まるエネルギー戦術、ああ懐かしや……
ただまあ、5年ってことは範囲内ってことだよ。パイオニア、そしてエクスプローラーのね。エネルギーを用いて戦うデッキは、当該フォーマットでまだ組むことができるぞ!
2 《森》 2 《山》 2 《沼》 4 《踏み鳴らされる地》 3 《血の墓所》 4 《花盛りの湿地》 4 《霊気拠点》 1 《バグベアの居住地》 1 《目玉の暴君の住処》 -土地(23)- 4 《光袖会の収集者》 4 《牙長獣の仔》 3 《砕骨の巨人》 2 《領界喰らい、サルーフ》 -クリーチャー(13)- |
4 《霊気との調和》 4 《思考囲い》 2 《血の長の渇き》 2 《致命的な一押し》 4 《蓄霊稲妻》 1 《暗殺者の戦利品》 2 《魔性》 2 《鏡割りの寓話》 1 《霊気圏の収集艇》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(24)- |
3 《漁る軟泥》 2 《胞子網の織り手》 2 《逆毛ハイドラ》 2 《墓掘りの檻》 3 《強迫》 3 《真っ白》 -サイドボード(15)- |
エネルギーデッキはさまざまなバリエーションがあったが、緑はやはり外せない。
多色化を支える《霊気との調和》は必須パーツとも言え、これで任意の基本土地を得つつ《霊気拠点》に用いるエネルギーを確保して、マナ基盤の不自由を解消してくれる。
そして当時の2マナ圏最強候補の一角《牙長獣の仔》!
攻撃が通ればエネルギーを2個獲得、そしてエネルギーを2個消費してサイズアップ。自己完結している上に他のカードからエネルギーをもらったりあるいは供給する役を担ったり、まさしくこの時代を代表する1枚だった。気付けば5/5以上に育っているなんてザラだったもんな。
このリストはそんな緑のエネルギー要素を、エクスプローラーの定番である黒赤の中速デッキに搭載したというところ。
黒には牙長獣とともに当時暴れていた2マナ圏《光袖会の収集者》が。
エネルギーの稼ぎ役であり、同時にそれを注いで手札を増やせるというかなりのやり手だった。いやぁ懐かしい1枚だ。
そして赤にはこれまた時代の象徴《蓄霊稲妻》!
単体で使っても2マナで3点ダメージと標準的なインスタント除去。エネルギーがあればあるほどその仕留められる範囲は拡がり、タフネス6すらも2マナで溶かすその火力には痺れたもの。単純にエネルギーを得るためだけに唱えても良しとあらゆるデッキで躍動していたものだ。
さらに《霊気圏の収集艇》という激シブ機体まで!
絆魂とタフネス5が頼りになりすぎた、アグロ相手にもコントロール相手にも輝いた名カードだ。
これらの懐かしい5年前を思い出させるカードを、上手くエクスプローラーの定番デッキに落とし込んでいる。ナイスアレンジ! 当時を知る人は過去を振り返りながら、知らない人は初めて体感するエネルギーというものを味わいながらプレイしてみてほしいね!
このリストにインスパイアされて、僕もエクスプローラーのエネルギー・デッキを考えてみた。カラーリングは緑を中心に、赤と青。当時スタンダードの最大派閥を争っていた「ティムール・エネルギー」を復活させるッ!
2 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《沼》 1 《ケトリアのトライオーム》 1 《ザンダーの居室》 2 《繁殖池》 4 《植物の聖域》 4 《尖塔断の運河》 2 《踏み鳴らされる地》 1 《憑依された峰》 4 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《牙長獣の仔》 4 《導路の召使い》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 2 《砕骨の巨人》 1 《逆毛ハイドラ》 2 《栄光をもたらすもの》 1 《スカラベの神》 -クリーチャー(22)- |
4 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 2 《鏡割りの寓話》 1 《慮外な押収》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(14)- |
3 《変容するケラトプス》 2 《絞殺》 1 《墓掘りの檻》 2 《霊気の疾風》 2 《否認》 2 《真っ白》 2 《未認可霊柩車》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
ティムールとひと口にってもさらにバリエーションがあり、《霊気拠点》という5色土地のおかげもあって、当時は4色目に黒を採用したデッキもかなり多く見られた。《スカラベの神》《秘宝探究者、ヴラスカ》といった黒絡みのパワーカードをチョイ足ししてデッキパワーを底上げしていたのである。
エクスプローラーであればその当時よりもさらに土地事情が優れているので、ここは遠慮せず当時を思い出していっちゃおうという欲望丸出しの構築だ。
エネルギーと書かれたカードの中でも《ならず者の精製屋》は当時飛びぬけていたよね。
パワー3で攻撃もブロックもこなして、戦場に出ればエネルギー供給。さらに1枚ドロー付き! 大盤振る舞いとはまさにこのこと。
そしてエネルギーの使い道として《つむじ風の巨匠》もめちゃくちゃ強かった。
ホイホイホイとあっという間に飛行機械の編隊を生成する様はまさしく巨匠の名に恥じぬもの。
これらの名クリーチャー、今ならなんと《キキジキの鏡像》で増やしてしまうこともできちゃうぞ。
幸福感が凄まじいので、ぜひ味わってみてね!
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