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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スタンダード……2023?(スタンダード)
この夏は近年でも珍しい状況を迎えている。毎年あったスタンダード・セットが、このタイミングでリリースされないのだ。
マジックの1年間というものは春夏秋冬各シーズンに1セットずつリリースされて約3か月ごとに環境が変化していくのが通例となっていた。だがこの2022年には夏に新セットがリリースされることはなく、次は秋の『団結のドミナリア』を迎えることでスタンダードは環境変化を迎えることになる。
セット数やローテーションのタイミングに変化はないにせよ、『ニューカペナの街角』環境はかなり長い期間続くことになった。ただ、スタンダードとは関係ないながらも特殊セットは色々とリリースされている。紙のカードもデジタルでも、だ。MTGアリーナでは『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』の登場により、デジタルならではのマジックをプレイできるアルケミー環境がプッシュされている。
「個人的には変化が加わったスタンダードをプレイしたいんだよなぁ」「次期セットのパック購入のために資金は温存しておきたい……」 そういう思いを抱いている人は少なくないはず。でもなんか新要素があるスタンダードを遊びたい……こんな気持ちを抱くのはワガママだろうか? この時期はいつも新スタンダードのデッキを考えている時期、しみついた習性ってのはなかなか抜けきらないもんだ。
そんな皆さんの心のスキマ、お埋めできるかどうかはわからないが、スタンダードをちょっと違う雰囲気で楽しめる遊び方、知ってるかな? それは「スタンダード2023」! 毎年スタンダードローテーションを待つ末期にイベントが開催されることが多い特殊フォーマットの2022年版である。
2022年版なのになぜ「2023」? その答えは、フォーマット名が示しているのが「2023年のスタンダードでもプレイ可能なセットを用いる」ということだからだ。
つまり、この秋に迎えるローテーションにより、スタンダードを去るセット抜きでスタンダードを組んで遊びましょうと、こういう意味なんだな。
現スタンダードで使用可能な『ゼンディカーの夜明け』『カルドハイム』『ストリクスヘイヴン:魔法学院』『フォーゴトン・レルム探訪』を除き、『イニストラード:真夜中の狩り』『イニストラード:真紅の契り』『神河:輝ける世界』『ニューカペナの街角』の4つのセットを用いて構築するってわけだ。こうやって見ると現行スタンダードって個性的なセットが並んでいるな……層が厚い。
「スタンダード2023」は使用可能なカードが純粋に減る形になる。しかしながら、各セットが誇る環境の定番カードの席が空く、ということは4つのセットで使われていないカードがその席に座ることが可能というわけ。今のスタンダードでは日の目を見てないけれど、このカード使ってみたいんだよね……そういう気持ちを持っているプレイヤーなら、「スタンダード2023」を遊んでみる価値はあると思う。
というわけで今回はこの特殊フォーマットで使われたデッキリストを紹介しよう!
4 《沼》 3 《山》 4 《森》 4 《ジアトラの試練場》 4 《憑依された峰》 2 《死天狗茸の林間地》 2 《落石の谷間》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(26)- 2 《血に飢えた敵対者》 2 《しつこい負け犬》 2 《強請る大入道》 2 《作業場の戦長》 2 《焼却するもの、ジアトラ》 2 《産業のタイタン》 -クリーチャー(12)- |
2 《掘り起こし》 1 《絞殺》 1 《冥府の掌握》 4 《鏡割りの寓話》 3 《八百長試合》 1 《英雄の破滅》 1 《土建組一家の魔除け》 1 《魂転移》 1 《豪火を放て》 2 《絶望招来》 2 《食肉鉤虐殺事件》 3 《敵対するもの、オブ・ニクシリス》 -呪文(22)- |
2 《墓地の侵入者》 2 《移り気な放火魔》 1 《真夜中の空、殉至》 2 《戦慄の遁走》 1 《血統の選別》 1 《碑出告が全てを貪る》 1 《豪火を放て》 2 《食肉鉤虐殺事件》 2 《未認可霊柩車》 1 《不笑のソリン》 -サイドボード(15)- |
まずはジャンド(黒赤緑)の中速デッキから。
「スタンダード2023」で注目すべきはまずは土地だね。『ゼンディカーの夜明け』『カルドハイム』に収録されている両面土地、小道サイクル。タップ状態で出ることもなくライフの損失などもない、扱いやすい多色デッキ推奨土地10種類……スタンダードはこれなしでは考えられないレベルだね。
それらが去った環境においては『ニューカペナの街角』の3色土地の重要性がより増すことになる。2色デッキで使うのも良いが、3色出るならせっかくだし……ということでこのリストのように2色を中心に3色目を足すという構築が多く見られることになるのではないかな。
ジャンドはパーマネント処理に長けた色。《絞殺》《英雄の破滅》とクリーチャーとプレインズウォーカーに対処できるのはもちろん、《業火を放て》《絶望招来》でアーティファクトやエンチャントにも触れるのはかなり売りになるポイント。
それらで盤面をコントロールしつつクリーチャーで押すデッキはシンプルに強い。《鏡割りの寓話》はもちろんこのフォーマットでも最強クラスの1枚。
《作業場の戦長》《産業のタイタン》あたりをコピーして対戦相手を叩きのめせ!
5 《平地》 1 《島》 1 《森》 4 《スパーラの本部》 4 《さびれた浜》 4 《草茂る農地》 2 《夢根の滝》 1 《天上都市、大田原》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 -土地(24)- 4 《神憑く相棒》 4 《大狸》 4 《巨大な空亀》 4 《鏡殻のカニ》 -クリーチャー(16)- |
4 《記憶の宝球》 4 《永岩城の修繕》 4 《集団失踪》 4 《目覚ましい修復術》 4 《放浪皇》 -呪文(20)- |
1 《解脱の魂》 1 《呪文貫き》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《運命的不在》 2 《黄昏の享楽》 1 《かき消し》 1 《斡旋屋一家の魔除け》 1 《終わりなき迂回》 2 《告別》 2 《冥途灯りの行進》 -サイドボード(15)- |
こちらは同じく3色土地が使えるからこそのバント(白青緑)カラーのデッキ。コントロールとコンボの要素を併せ持ったタイプになるね。
「魂力」クリーチャーを手札から捨て、土地を持ってきたり呪文を打ち消したりしながらじわじわと盤面を作っていく。そしてそれら墓地に落ちた魂力クリーチャーを《目覚ましい修復術》で釣り上げてフィニッシュ、というストーリー性のあるカッコいいデッキだ。
その特性から墓地対策が弱点になるのだが、非常に使いやすい墓地対策《真っ白》はこのフォーマットには存在しないのがありがたいところ。
白いコントロール側の定番除去《ドゥームスカール》もないが、このポジションには《集団失踪》が収まる形に。
多色のクリーチャーをコントロールしている相手にはドローを提供してしまうのが難点ではあるが、次期スタンダードではどれだけ使われることになるか? 要注目だね。
以上! 今回は「スタンダード2023」のデッキ例を紹介させていただいた。ちょっとテイストの違うスタンダードを遊んでみたいという方はぜひ。この夏も各自の工夫で充実したマジックライフを!
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