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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:スパイ・ベルチャー(ヴィンテージ)
マジックでは「そんなことがあるのか、知らなかった」という豆知識、トリビアがゴロゴロ。なんせ来年で30周年だもんな。クールすぎるぜ……もう文化と名乗ってもなんの問題もあるまい!
ということでやってきましたクールなデッキを紹介する金曜日。今週は楽しみながらマジックをより深く知ることができるクイズ企画でいってみよう。ぜひ読みながら答えを考えてみてくれ。
第1問:「パワー9」と呼ばれる9種のカードのうち、青のカード3枚を挙げよ!
「パワー9(ナイン)」とは、マジック最初の基本セットに収録された9枚のけた違いのカードパワーを持ったカードの総称であり、ファンはこれらのカードに畏敬の念を込めてこのように呼び崇めている。
第2問:「Mox」と名のつくカードで、デジタルにのみ存在するものを挙げよ!
「パワー9」つながりで続けて1問。
パワー9には《Mox Pearl》など「Mox」を冠するアーティファクト5種が含まれている。これらはいずれもマナを生み出すという点で共通しており、そして一部の例を除いて唱えるためのマナ・コストは{0}。土地の代わりになるのがその強みであり、初代5色のMoxの後、これもまたさまざまなリメイクが作られている。
第3問:2021年、「パワー9」の中で唯一、日本語のカード名を正式に得たものは?
パワー9はいずれもその強さが桁違いなのもあって、『アンリミテッド』以降再録はされていない。マジックの日本語版がリリースされたのは『第4版』からであり、そのために日本語名を持ったパワー9のカードは存在しない……のだが。
今回がこれらのトリビアクイズから始まった理由は、ヴィンテージ環境のクールなデッキリストを日本語名に翻訳していた際に「あ、(第3問の答え)ってカード名だけならもう日本語で書けるのか!」と気付いたからである。そういえばアイツ、やってくれたよなと。
というわけで今週のCool Deckはヴィンテージ! ただでさえクールでヤバいデッキがぶつかり合うフォーマット。そこで一際異彩を放つのは……
-土地(0)- 4 《ナルコメーバ》 1 《タッサの神託者》 4 《地底街の密告人》 4 《欄干のスパイ》 1 《鋼の風のスフィンクス》 -クリーチャー(14)- |
1 《ブラック・ロータス》 1 《Mox Pearl》 1 《Mox Sapphire》 1 《Mox Jet》 1 《Mox Ruby》 1 《Mox Emerald》 4 《金属モックス》 1 《水蓮の花びら》 1 《魔力の墓所》 4 《否定の契約》 1 《魔力の櫃》 1 《太陽の指輪》 4 《暗黒の儀式》 1 《精神的つまづき》 1 《ギタクシア派の調査》 2 《陰謀団式療法》 1 《Ancestral Recall》 1 《吸血の教示者》 1 《悪魔の教示者》 1 《黄泉からの橋》 1 《修繕》 2 《ゴブリンの放火砲》 1 《戦慄の復活》 4 《意志の力》 4 《海門修復》 4 《アガディームの覚醒》 -呪文(46)- |
1 《ライオンの瞳のダイアモンド》 1 《殺戮の契約》 4 《蒸気の連鎖》 2 《否定の力》 4 《虚空の力線》 2 《ゴブリンの放火砲》 1 《ボーラスの城塞》 -サイドボード(15)- |
土地が0枚! これぞヴィンテージの「All my spell」!
同デッキは「全部呪文!」というデッキ名が示す通り土地が0枚。それによりどのようなメリットがあるのか? 答えは瞬殺コンボ、しかもこのデッキは2つのルートを搭載している! 一体どんな手段かというと……
1.4マナを用意して《地底街の密告人》の能力起動、あるいは《欄干のスパイ》の能力を誘発させる。対象はいずれも自身。
2.いずれも土地が公開されるまでライブラリーを切削するが、ライブラリー内の土地が0枚なのですべてのカードが墓地に落ちる。
3.こうして墓地に落ちた《ナルコメーバ》が戦場に出る。それらを生け贄に捧げて墓地から《戦慄の復活》をフラッシュバック。
4.《戦慄の復活》の対象は《タッサの神託者》。ライブラリーが空っぽなので神託者の能力で即WIN!
通称「スパイ」コンボである。コンボ始動のキーカードがクリーチャー呪文であり、かつ青以外の色なのでヴィンテージでは《意志の力》以外では対処するのが難しい。
スパイたちが通ってしまえばナルコをコストに《陰謀団式療法》で《戦慄の復活》に対する打ち消しなどを落としてしまえる。《黄泉からの橋》も仕込んであるので生け贄に捧げるクリーチャーが尽きるということもない。
弱点としては《虚空の力線》などの墓地対策であるが、それに対してはもう1つのコンボルートが解答となっている。
1.《ブラック・ロータス》や各種Mox、《魔力の墓所》《暗黒の儀式》などでマナ加速して計7マナ揃える。
2.《ゴブリンの放火砲》を唱えて即起動。土地が公開されることがないのでライブラリーのすべてのカードを見せて、一撃必殺のダメージを与える。
こっちの方が手っ取り早い、ベルチャー(放火砲)コンボ。手間が少ない分大雑把でもあり、それこそ《意志の力》1枚でプラン完全崩壊ということもあるリスキーなコンボ。
どちらのルートも一長一短、しかしながらライブラリーに土地がなければ強いという共通点を持っているのが面白い。
ヴィンテージが誇る《ブラック・ロータス》などの超軽量アーティファクトと、《海門修復》《アガディームの覚醒》などの第2面が土地の呪文。これらが織り成すクールなノンランド・ファンタジー!
7月と言えば水蓮の見ごろ。この夏、《ブラック・ロータス》を使えるヴィンテージを体験してみるのも良い思い出になるかも? それでは今週はここまで。Stay cool! Love the lotus!!
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