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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

恐怖のドールハウス:呪われし人形の館(スタンダード)

岩SHOW

 前回、怪談では定番である「人間が一番怖い」系のデッキを紹介させてもらった

 個人的には人間も良いけど、人形系の怪談も好きで……子どもの頃、いわゆるフランス人形系のリアル寄りなお人形さんが怖くて怖くて……夜中に歩いてきたらどうしようとか、ホラーな妄想をしてはビビっていたものである。

 人形といえば……多元宇宙でも《ぬいぐるみ人形》を始め、多数の怖い人形が存在している。いずれも一癖あるカードで、ビジュアルも含めて惚れ込んでいるプレイヤーもいることだろう。

 ちょうど現行スタンダードで、夏にピッタリな怖い人形デッキを見つけたので…ご確認いただこう。

Platinum-Mythic Rank Player - 「恐怖のドールハウス」
MTGアリーナ スタンダード・ランク戦 6連勝以上 (2022年7月)[MO] [ARENA]
6 《
4 《
4 《ジアトラの試練場
4 《落石の谷間
4 《岩山被りの小道
1 《バグベアの居住地
1 《ハイドラの巣

-土地(24)-

4 《ヤスペラの歩哨
4 《厚顔の無法者、マグダ
1 《霜のモーリット
1 《焼却するもの、ジアトラ
1 《星界の大蛇、コーマ
1 《蒐集家、ザンダー卿
1 《蝕むもの、トクスリル

-クリーチャー(13)-
4 《電圧のうねり
4 《鏡割りの寓話
4 《戦利品奪取
2 《鏡の箱
4 《大勝ち
4 《恐怖のドールハウス
1 《デック・オヴ・メニー・シングズ

-呪文(23)-

 

 おわかりいただけただろうか? これぞ《恐怖のドールハウス》デッキである。カード名がそのまんまB級ホラーで素敵だね。

 このアーティファクトは墓地のクリーチャーを追放し、それのコピーである構築物を生成する。サイズは0/0だが。構築物の数だけサイズアップするという能力を持つ。最初は1体とまさにちっぽけな人形だが、2体3体とドールハウスに人形が並べば……生きて帰ることは難しくなるな。人形の顔を見ると死んだはずのあのクリーチャーが、というホラーなフレイバーも素晴らしい。

 唱えるコストは決して軽くはないものの、起動コストは{1}と軽量。複数回リアニメイトを行えるパーマネントであることを考えれば準備のためにマナを支払う価値は大いにある。

 というわけでこれを主役に据えた、赤中心の4色デッキに仕上げられているリストだ。

 ドールハウスは普通に戦闘を繰り返して死亡したクリーチャーを人形化させても悪くはないが、能動的にその能力を活かしていくために墓地にカードを送り込む手段と併用するのが望ましい。

 このデッキではそれを赤いカードが担う。手札から捨てるというシンプルな手段だ。《戦利品奪取》《大勝ち》などコストとして捨てるカード、《鏡割りの寓話》のⅡ章能力などで手札に来たクリーチャーを捨て、カードを引き込む。

回転

 同時に宝物も準備できる呪文なので、大物クリーチャーをドールハウスせずに普通に唱えるプランを後押ししたり、あるいは《電圧のうねり》のコストに充てても良いね。

 宝物と言えば、《ヤスペラの歩哨》と《厚顔の無法者、マグダ》の鉄板コンビも採用。

 マナを出しながら宝物生成、そして貯まった宝物はマナとしてだけでなくマグダの能力起動のためのコストにもなる。ライブラリーからドラゴンを呼び出すか、あるいはドールハウスを持ってこよう。マグダも意外とかわいい人形遊びが好きなのかも?

 さて、そうした宝物から唱えたりドールハウスでお人形となるのは……スタンダードでも指折りの高コスト高性能な伝説のクリーチャーたちだ。

 《焼却するもの、ジアトラ》は飛行を持ち、生け贄によりダメージと宝物を生み出す。

 同じく一家の長《蒐集家、ザンダー卿》は対戦相手のあらゆるものを半分に。

 盤面を制圧するなら《星界の大蛇、コーマ》《蝕むもの、トクスリル》に任せろ、とヘビー級の怪獣たちがそろい踏みだ。

 これらはすべて伝説である。なので《鏡の箱》で強化して最低限のサイズを持たせよう。

 レジェンド・ルールを無視できるようにはなるが、「伝説の」タイプ自体は消えないので《キキジキの鏡像》でコピーできない点には注意が必要。《霜のモーリット》でコピーになる分には問題ないので、お気に入りの人形は2つ並べちゃおう! Wコーマ、Wトクスリル、絶望的な恐怖そのものである。

 《恐怖のドールハウス》の追加枠として《デック・オヴ・メニー・シングズ》を採用しているのも面白い。

 20面ダイスを振って20が出れば墓地からクリーチャーを戦場に出せる!ものの……そのクリーチャーが死亡したら、オーナーはゲームに敗北する。デメリットがデカすぎる! 自分のクリーチャーを釣り上げる場合はコーマなど、簡単には死亡しないクリーチャーを選ぶように。

 ん? でもオーナーが敗北するんだよな? ってことで、対戦相手の墓地にちっぽけなクリーチャーがいればそれをいただくのも大いにアリ。すかさずジアトラで生け贄に捧げたり《電圧のうねり》を撃ち込んだりして処理する、そんな対戦相手にとっての怖すぎるダイスロール。ドールハウスとの合わせ技で対戦相手をホラー漬けにしてやろう!

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