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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
伝統的な青白コントロール:ハード≠勝てない(モダン)
「まだモダンで青白コントロールを回し続ける人々」というひと言とともに、ソファを背負った状態で腹筋ローラーを使用するなど、無茶苦茶な道具の使い方で過酷なトレーニングをする映像を添えたツイートを見て笑ってしまった。
現在モダンで「青白コン」を使うのはそれだけハードで、もっと楽に勝てるデッキがあるのにという比喩になるわけだが……ハードである=勝てないというわけではない。大きいトーナメントになると、一番強いとされるイージーなデッキではなく、勝つのは困難と感じるコントロールデッキが優勝したりするものだ。これマジックあるある。
そのツイートを見た直後、各種トーナメントの結果を読み漁っていると……勝ってるやん、青白。
3 《島》 1 《平地》 2 《神聖なる泉》 1 《蒸気孔》 1 《ラウグリンのトライオーム》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《霧深い雨林》 2 《沸騰する小湖》 3 《秘教の門》 1 《天界の列柱》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 2 《ヴァントレス城》 1 《天上都市、大田原》 -土地(24)- 3 《瞬唱の魔道士》 2 《孤独》 -クリーチャー(5)- |
4 《選択》 4 《対抗呪文》 2 《激しい叱責》 4 《大魔導師の魔除け》 2 《至高の評決》 1 《記憶の氾濫》 4 《虹色の終焉》 3 《火 // 氷》 3 《時を解す者、テフェリー》 2 《放浪皇》 2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(31)- |
1 《約束された終末、エムラクール》 1 《魂標ランタン》 2 《ドビンの拒否権》 2 《広がりゆく海》 1 《霊気の疾風》 2 《神秘の論争》 2 《即時却下》 1 《至高の評決》 2 《虚空の杯》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
117人で開催されたモダンの賞金制イベントで優勝したリストだ。予選ラウンド5勝1分け、決勝ラウンド3戦全勝と無敗のまま駆け抜けている。全9回戦、1分けは同意の上でゲームを行わずという形ではあるが……こんな長丁場をコントロールで戦うとなると集中力の維持が大変だ。
ただ、「青白コン」のようなデッキは本当に好きで長く使い続けているプレイヤーが使用者の大半を占めるアーキタイプである。そういったプレイヤーにとっては「9回戦もゲームをじっくり捌いていく感覚を味わえるのか」というご褒美だったりもする。傍から見ると苦行に見えても、彼ら彼女らにとってはこれ以上の娯楽はないってわけだ。その上で優勝して賞金ゲットなのだから、至高の日曜日になったことは間違いない。
「青白コン」とは……青の打ち消しとドロー、白のパーマネント除去を用いて対戦相手の攻めを許さず、リソース(資源)の差をつけて勝利する……ロングゲームを行うデッキである。
モダンのこのデッキは《時を解す者、テフェリー》が使用可能であるのが大きな武器だ。
対戦相手がインスタントのタイミングで呪文を唱えられなくなるので、自分のターンでのみ行動する相手を捌くのはイージーなものである。
ただ、《創造の座、オムナス》デッキなどもこのテフェリーを用いてくるので、あまり打ち消し呪文を主体とした形では組んでいないのが特徴だ。
《大魔導師の魔除け》は打ち消しでありながらドローであり、パーマネント奪取の手段でもある。テフェリーを出されてしまっても機能するモード付き打ち消し、ベリーナイス。
コントロールは盤面を支配するカードのみではなく、ゲームに勝ちに行くカード、通称フィニッシャーも重要になってくる。現実的なコストで、ゲームをスムーズに終わらせられる。あるいは対戦相手に「もうここからは逆転できない」と絶望させるだけの鉄壁っぷりを誇るなど、とにかく高いカードパワーが求められる。
このリストでは青白のド定番《ドミナリアの英雄、テフェリー》を中心としている。
やっぱり5マナテフェリー、なんだかんだ動き出すと手が付けられない。この最強格のプレインズウォーカーを更地に出すまで頑張る、青白とはそういうデッキであると言ってしまっても過言ではない。
ここにさらに追加されたフィニッシャーが《放浪皇》だ。
4マナで瞬速持ちとコントロールにとっても扱いやすく、[-2]能力は攻撃クリーチャーを追放する除去でもある。《激しい叱責》を絡めれば呪禁や警戒持ちも対処可能なので、これらの瞬速カードで裏をかきつつ……クリーチャーを排除したら侍を呼び出し、それを強化して可能な限り速やかにゲームを終わらせよう。
《天界の列柱》や《ストーム・ジャイアントの聖堂》も大胆に起動して、対戦相手を打ちのめせ!
《対抗呪文》《至高の評決》《虹色の終焉》などなど……ごく一部を切り取って見ても、歴代の呪文の中でもかなり強いもので構成された青白をベースとしたコントロール。
このデッキで勝つのは、他の派手で押し付ける形のデッキと比べると、相手の攻めを受けつつ耐えるという現実的な積み重ねが必要。その困難な道をあえて選ぶプレイヤーも決して少なくはないし、このリストのように努力が実を結ぶことも事実だ。
「そんなしんどいデッキ使ってるんだ!?」「だって好きだからね!」 そう笑いながら返せるデッキ、皆にはあるかな?
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