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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒単コントロール:単色にひとつまみの赤を添えて(スタンダード)
前回は現スタンダードのデッキに『ニューカペナの街角』プレビューにて公開されたカードを加えたデッキを考察してみた。
今回も同様に、新環境のスタンダードへ向けてアイディアを高めていこうか! そんなわけで早速、今回ベースとなるデッキリストを見ていただこう。コイツの出番だ!
19 《冠雪の沼》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《目玉の暴君の住処》 1 《這い回るやせ地》 1 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《ひきつり目》 4 《よろめく怪異》 2 《墓地の侵入者》 2 《スカルポートの商人》 2 《血瓶の調達者》 -クリーチャー(14)- |
2 《血の長の渇き》 3 《命取りの論争》 2 《冥府の掌握》 1 《梅澤俊郎の生涯》 2 《ハグラの噛み殺し》 1 《絶望招来》 2 《雪上の血痕》 3 《食肉鉤虐殺事件》 2 《不笑のソリン》 4 《蜘蛛の女王、ロルス》 -呪文(22)- |
1 《墓地の侵入者》 2 《血の長の渇き》 1 《隠し幕》 1 《パワー・ワード・キル》 3 《罠を探す》 2 《真っ白》 2 《影の評決》 1 《環境科学》 1 《壊死放出法》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(15)- |
『神河:輝ける世界』期スタンダードの「黒単コントロール」!
《絶望招来》の登場により、黒単色ないしほんのり2色目を足す構成のデッキを使うプレイヤーが増えたのが今環境のスタンダードでは印象的だった。
《食肉鉤虐殺事件》などクリーチャー除去は元来最も得意とする色で、ドローとマナ加速の《命取りの論争》、決め手になる《不笑のソリン》《蜘蛛の女王、ロルス》などパワフルなプレインズウォーカー、そして1枚で複数のパーマネントを潰したりあるいはドローしたりライフを失わせるなどしてゲームの流れを手繰り寄せる《絶望招来》。
コントロールが欲しい要素がたっぷりと詰め込まれているので、黒単色かそれに近い構成で十分に戦えるデッキになるってわけだ。
この単色デッキに対して、『ニューカペナの街角』は相反するかのようなコンセプト。3色デッキ推奨セットのカードが一体どのような影響を与えるのか? 読み取りにくくて逆に興味深いというものだ。
そんなセットの中でも、単色というのはとりあえず置いといて、黒系コントロールと相性が良さそうな新メカニズムは「犠牲」だ。犠牲を持つ呪文を唱える際、設定された値以上のパワーを持つクリーチャーを生け贄に捧げることで、この呪文をコピーすることが可能だ。
クリーチャーの生け贄はすでに上記のような黒系コントロールが導入しているアプローチで、《ひきつり目》《よろめく怪異》と死亡時に得する1マナクリーチャーたちを《命取りの論争》《波止場の料理人》《スカルポートの商人》《忘却の儀式》といったカードで生け贄に捧げることで。本来カードの損失である生け贄のデメリットをチャラにしつつ、それら強力な呪文や能力の恩恵が受けられるというシステムになっている。
この生け贄システムの新たな候補として犠牲呪文には要注目なわけだが……とりわけ《敵対するもの、オブ・ニクシリス》との相性はピカイチである。
犠牲Xを持つこのプレインズウォーカーのために《ひきつり目》《よろめく怪異》を生け贄に捧げると、伝説でないそれのコピーが生成される。親分のための影武者的なフレイバーかな。パワー1のクリーチャーたちなので忠誠度は1からスタートとなるが、まあ些細なことだ。
早ければ3ターン目に決まる、先手であれば対戦相手がまだクリーチャーを出していなくて攻撃される恐れがないなんてことも大いにあり得る。そんな状況下で2体のプレインズウォーカーが飛び出し、[+1]能力を仕掛けてくる。手札を1枚捨てるか、あるいはライフを2点失うか。単体で見ればそれほど脅威ではなく、ほとんどの場合手札を捨てるのはもったいないので2点を選ぶことになるだろう。
でもそれが1ターンに2回行われたら? どこかで限界がきて、手札を捨てざるを得なくなる。逆に手札が空っぽの場合は確定でニクシリスコンビが4点のライフをもぎ取っていくことになる。[-2]能力でプレイヤーやプレインズウォーカーを護るための壁役となるデビルも用意できて、[-7]能力は自分と相手どちらを対象にしてもゲームエンドをもたらすだけの威力がある。恐るべし、ニューカペナ随一のワル!
というわけで黒単に近い構成に赤を足して、この新しいニクシリスを採用したいものである。
黒単ないしそれに赤をチョイ足しした構成にするのであれば《欲深き者、エヴリン》も使ってみたい1枚だな。
これか他の吸血鬼が戦場に出ると、自分と対戦相手のライブラリーの上からカードを1枚追放。各ターンに1回そうやって追放されたカードを唱えられるという、アドバンテージをたっぷりと提供してくれる伝説のクリーチャーだ。
5マナと重めだが瞬速を持つので、相手のターン終了時に唱えることで隙なく運用が可能なのが嬉しい。その5マナも黒単色で支払ったり赤や青を混ぜたりと、非常に柔軟なもので面白いね。
吸血鬼で固めたデッキでライブラリーを追放しまくるのも良いが、とりあえずこれ単体でも少なくとも2枚のカードは手に入るので、アドバンテージ源としては悪くない。《血瓶の調達者》と一緒に忍ばせて、噛み合えばたっぷりの手数をサプライズ!くらいの構築でも活躍する可能性はありそうだね。《雪上の血痕》との組み合わせも攻防切り返すのは見るからに強そう!
というわけでこれらのカードを採用してみて……。
12 《冠雪の沼》 4 《憑依された峰》 4 《荒廃踏みの小道》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《目玉の暴君の住処》 1 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《ひきつり目》 4 《よろめく怪異》 2 《墓地の侵入者》 1 《血瓶の調達者》 2 《欲深き者、エヴリン》 -クリーチャー(13)- |
2 《血の長の渇き》 3 《命取りの論争》 2 《冥府の掌握》 2 《ハグラの噛み殺し》 2 《絶望招来》 2 《雪上の血痕》 3 《食肉鉤虐殺事件》 1 《不笑のソリン》 2 《蜘蛛の女王、ロルス》 4 《敵対するもの、オブ・ニクシリス》 -呪文(23)- |
現状分かっているカードではこんな感じかな?というところだが、これを書いた後からもっと「黒単コントロール with ニクシリス」向きのカードが公開されて話題になっているかもしれない。それを各々の脳内で補完したリストを考えてもらえれば幸いだ。
《食肉鉤虐殺事件》《絶望招来》と強力なカードを抱える黒いコントロール、ワルのカラーがニューカペナの闇に生きる面々と合流し、どんな化学反応が生まれるか? 今から楽しみだぜ!
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