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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラクドス・バーン:「オススメのデッキ」という難しい質問(ヒストリック)
マジック初心者にオススメのデッキは何ですか?……僕もそうだし、長くマジックを続けているプレイヤーは耳にしたことがある質問だろう。
これ、実はかなり難しい質問なんだよな(笑)。というのも、昔は簡単なデッキと難しいデッキがハッキリと分かれてはいたが、今この時代はどのアーキタイプも扱いやすいカードが多く、その差はあまりないんじゃないかなと。
コントロールは上級者向け、殴るだけのアグロは簡単という時期もあったもんだ。特にバーンデッキは勧められる頻度が高いデッキの1つだったね。
バーン、その名の通り対戦相手を燃やしていく、赤のダメージを与える呪文を投げつけてライフを減らすかなり尖った戦法を用いるアグロデッキだ。ライフ20点を最短で減らすことを狙えば良く、また採用されているカードがほとんどシンプルで、良い意味で選択肢が少ない点が初心者向けとされた理由だね。
ただ時代が進むにつれ、バーンは「プレイするのは初心者でも簡単」だが「勝つのは決して簡単ではない」デッキとされるようになった。《稲妻》のようなダメージを与えるインスタントやソーサリーは、ダメージ効率の良いカードに見えるのだが、使い捨てるものであってゲームが進むにつれ他のデッキの比ではない速度で手札が消費される。その限られた資源をどのように、どの順番で唱えていくか?失ったカードの枚数差を埋める手段がないゆえに、スピーディーなデッキでありながらしっかり考えることが重要視されるデッキなのだ。
ただその手札を補充する手段があったなら? だったら恐れることなくオススメできるデッキに昇格だ。というわけで今回はそんなバーンの弱点を補完したデッキを紹介だ。
6 《山》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《血の墓所》 2 《バグベアの居住地》 2 《竜髑髏の山頂》 2 《憑依された峰》 2 《ラムナプの遺跡》 -土地(22)- 4 《ボーマットの急使》 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 4 《血に飢えた敵対者》 -クリーチャー(12)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 4 《火遊び》 4 《静電破》 4 《静電気の放電》 4 《痛ましい絆》 4 《批判家刺殺》 2 《コラガンの命令》 -呪文(26)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 2 《解き放たれた狂戦士》 2 《暴れ回るフェロキドン》 2 《魂標ランタン》 3 《乱動する渦》 2 《冥府の掌握》 1 《害悪な掌握》 2 《真っ白》 -サイドボード(14)- |
MTGアリーナオリジナルのフォーマット、ヒストリックにおける「ラクドス(黒赤)バーン」の最新型だ。
ヒストリックはスタンダードで使用可能なセットに加えて少し古い時代のカード、そしてアリーナのみに存在するカードも使えて、選択肢にあふれた環境だ。
それらの中から対戦相手にダメージを与える赤い呪文を選び抜いたものを盛り込んだバーンに黒を足している理由。それこそがバーンの弱点、手札切れに対するアンサーだ。『アルケミー:神河』より新たに登場した《痛ましい絆》こそが待望の1枚である。
2マナのインスタントにして、カードを2枚引けるという破格のドロー呪文! カード1枚が2枚になれば、それだけライフを攻める手段が増えるというシンプルな考え方だな。3点ダメージを2枚引ければそれで6点、初期ライフの約3分の1を削れてしまう。バーンにおけるドローは本当に強烈だ。
ただもちろんこのお手軽ドローにもデメリットはあって、2枚引いた後にマナ総量3以上の手札にあるカードには「ライフを1点失う」というちょっと痛いオマケが付与される。
まあこのデメリットは、見てもわかる通りすべてのデッキに対して当てはまるわけではない。手数で勝負するバーンデッキにおいては、そもそも3マナ以上のカードは「重い」という認識があるためあまり採用されない。上記のリストでも《批判家刺殺》《コラガンの命令》しか採用されていないので、この1点失うというデメリットはあってないようなもの。
そして3マナ以上のパーマネントが不採用なことにより、ヒストリックではお馴染みの《夢の巣のルールス》を相棒に。クリーチャーを再利用することでも、加速度的に尽きていく資源をなんとか繋げて走り切ろうって寸法だ。
ルールスから使いまわすクリーチャー陣は、バーンと相性抜群のスタッフ揃い。《ドラゴンの怒りの媒介者》は対戦相手本体やクリーチャーに対してダメージを飛ばしていれば速やかに3/3飛行へと成長する。
これで2回も攻撃できれば御の字というところ、バーンにおいて継続的にダメージを与えてくれるクリ―チャーとは大事に運用しなければいけないカードだと肝に銘じておこう。
《血に飢えた敵対者》は速攻を持つのでこれまたバーンにとっては嬉しいダメージ源であり、かつ墓地からインスタントorソーサリーをおかわりするすごいヤツ。
相手のクリーチャー除去に使った呪文を今度はライフに叩き込む、あるいはその逆も然り。《痛ましい絆》なんて唱えた日にはもうアドバンテージが止まらない!
敵対者と同じく速攻を持つ《ボーマットの急使》も手札補充役を兼ねる。
これをルールスでグルグルしても楽しいし、何より生け贄に捧げることでアーティファクトとクリーチャーの2つのタイプが墓地に増えるので、《ドラゴンの怒りの媒介者》のための昂揚も後押しだ。
《熊野と渇苛斬の対峙》もルールスで再利用可能なクリーチャーと認識して良いだろう。
どの能力もダメージを伸ばすものなので、これらのカードで再序盤から相手のライフをアグレッシブに攻めていこう。
リカバリーが簡単になったことでオススメしやすいデッキになったバーンだが、それでも火力(ダメージを与える呪文の通称)をどのように運用するかはきちんと考えなければ取り返しのつかない展開にもなりかねない。
《静電気の放電》などをガンガン打ち込んでいく一方で、《静電破》とその後に唱える火力のタイミングには注意したいところ。
《静電破》の能力の誘発は慣れないと忘れがちで、これにより追放されたカードを結局使えずに終わるってのはかなりもったいない。2マナ2点の火力に終わらせるのではなく、微々たるものでもきっちりと次の一手に繋げることが勝利への道筋だ。
今回は初心者にオススメのデッキとして挙げられることの多いバーンデッキのサンプルリストを紹介させてもらった。
プレイは簡単な方でも勝ちを重ねるのは難しいバーン。その難しさの原因とな部分は《痛ましい絆》などでカバーできているので、今はより初心者でも戦いやすいデッキになっているのは事実だ。
ただし、デッキを組む際に大事にしたいのは「ああ、このデッキで遊んでみたいな」「このカードを使いたいな」という欲求だと僕は考えている。結果としてうまくいかなかった場合に、でも自分がやりたいことに挑んだ結果だからなぁと納得できること、これが何よりも優先するべきことかなと。だから初心者にオススメなデッキを問われたら「君が組みたいデッキを組もう!」と答えているかな!
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